DVD『恋愛小説家(As Good As It Gets)』
ジャック・ニコルソン&ヘレン・ハント『恋愛小説家(As Good As It Gets)』(DVD、1997年アカデミー賞)
ジャック・ニコルソンはまったく怪しい。はまり役のひとつだろう。強迫神経症の売れっ子恋愛小説家である中年のメルヴィンはセールスポイントとは違って、潔癖の強迫神経症を患い、他人を寄せ付けずに暮らしている。加えて毒舌。はく言葉一つ一つが素直ではない。しかし、本当のところは、そのようにしか表現できないだけのようである。
アパートメントの向かいに住むゲイの画家サイモンが自宅で窃盗に襲われたので、その飼い犬を預かる羽目になる。この犬がかわいい。演技達者である。メルヴィンはこの犬にはまってしまうのだが、退院して来たサイモンに返してしまう。
メルヴィンは潔癖症でいつも決まったことしかできない。そのひとつは街角のカフェで決まった席にすわり、キャロルと言うウェイトレスにサービスをされないと食事ができないことである。彼女は喘息持ちの息子を抱え母親と一緒に住むシングルマザーなのだが、ある日、カフェに出勤できなくなる。メルヴィンは困ってしまう。なにしろルーチンが破られたので食べることすらできないのだ。キャロルの家を見つけてカフェに出てきてくれと頼む。彼にしてみると、死活問題である。彼女に出てきてもらうために出版社に頼んで、ホームドクターを紹介してもらってキャロルの息子の元に送る。カフェに戻ってきてほしい一心なのだ。
暴漢に襲われたサイモンは、ショックで絵がかけなくなってしまう。展覧会もうまく行かず、倒産に追い込まれる。ボルチモアのサイモンの両親のところにサイモンを連れて行くように頼まれたメルヴィンはキャロルを誘って出かける。いつの間に彼女のことを好きになっているのにそのことを口に出せないのだ。海岸のシーフードレストランで、冗談とも本気とも、ありえない嫉妬の故ともいえぬ言葉を吐いて、キャロルと決裂してしまう。
ホテルでサイモンは憤慨してかえって来たキャロルの裸身を描くことで絵心をよみがえらせる。ゲイだから疑う余地がないのに、メルヴィンは許せない。ニューヨークに帰ってきて、サイモンに一部屋を譲りわたして同居を認めるメルヴィン。やさしい、おじさんなのだ。しかし、キャロルのことはどうして言いのかわからない。小説ではかけるのに、自分のことは別なのだ。サイモンのアドバイスを得て、夜中の4時にキャロルの元をたずねるメルヴィン。ようやく、もってまわったいい方だが、告白をとげ、早朝のパン屋に二人で入ってゆく・・・。
家のドアを一定の手順でかけないと安心できなかったり、道路の裂け目(コンクリートの継ぎ目やレンガ・タイルの継ぎ目)を踏むことのできないメルヴィンがふとした拍子にそれを忘れてしまうところがさりげなく描かれ、彼が次第に強迫神経症を緩和させていく様子が見て取れる。それとともに、毒舌が弱まり、犬やキャロル、サイモンに対する愛情を強めて行くのだ。ほのぼのとした、同時に怪しいジャック・ニコルソンの本領発揮といったところであった。
ジャック・ニコルソンはまったく怪しい。はまり役のひとつだろう。強迫神経症の売れっ子恋愛小説家である中年のメルヴィンはセールスポイントとは違って、潔癖の強迫神経症を患い、他人を寄せ付けずに暮らしている。加えて毒舌。はく言葉一つ一つが素直ではない。しかし、本当のところは、そのようにしか表現できないだけのようである。
アパートメントの向かいに住むゲイの画家サイモンが自宅で窃盗に襲われたので、その飼い犬を預かる羽目になる。この犬がかわいい。演技達者である。メルヴィンはこの犬にはまってしまうのだが、退院して来たサイモンに返してしまう。
メルヴィンは潔癖症でいつも決まったことしかできない。そのひとつは街角のカフェで決まった席にすわり、キャロルと言うウェイトレスにサービスをされないと食事ができないことである。彼女は喘息持ちの息子を抱え母親と一緒に住むシングルマザーなのだが、ある日、カフェに出勤できなくなる。メルヴィンは困ってしまう。なにしろルーチンが破られたので食べることすらできないのだ。キャロルの家を見つけてカフェに出てきてくれと頼む。彼にしてみると、死活問題である。彼女に出てきてもらうために出版社に頼んで、ホームドクターを紹介してもらってキャロルの息子の元に送る。カフェに戻ってきてほしい一心なのだ。
暴漢に襲われたサイモンは、ショックで絵がかけなくなってしまう。展覧会もうまく行かず、倒産に追い込まれる。ボルチモアのサイモンの両親のところにサイモンを連れて行くように頼まれたメルヴィンはキャロルを誘って出かける。いつの間に彼女のことを好きになっているのにそのことを口に出せないのだ。海岸のシーフードレストランで、冗談とも本気とも、ありえない嫉妬の故ともいえぬ言葉を吐いて、キャロルと決裂してしまう。
ホテルでサイモンは憤慨してかえって来たキャロルの裸身を描くことで絵心をよみがえらせる。ゲイだから疑う余地がないのに、メルヴィンは許せない。ニューヨークに帰ってきて、サイモンに一部屋を譲りわたして同居を認めるメルヴィン。やさしい、おじさんなのだ。しかし、キャロルのことはどうして言いのかわからない。小説ではかけるのに、自分のことは別なのだ。サイモンのアドバイスを得て、夜中の4時にキャロルの元をたずねるメルヴィン。ようやく、もってまわったいい方だが、告白をとげ、早朝のパン屋に二人で入ってゆく・・・。
家のドアを一定の手順でかけないと安心できなかったり、道路の裂け目(コンクリートの継ぎ目やレンガ・タイルの継ぎ目)を踏むことのできないメルヴィンがふとした拍子にそれを忘れてしまうところがさりげなく描かれ、彼が次第に強迫神経症を緩和させていく様子が見て取れる。それとともに、毒舌が弱まり、犬やキャロル、サイモンに対する愛情を強めて行くのだ。ほのぼのとした、同時に怪しいジャック・ニコルソンの本領発揮といったところであった。
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