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テンポを考えればフォローが見える

2013年11月01日 | 雑記帳

 校内報で「授業のテンポ」について取り上げてみた。授業のリズムやテンポについては結構口にしているが、改めてこのことについて書こうとすると、いろいろと頭に浮かぶことが多い。まず、そもそも授業のテンポとは何かということ。テンポを上げることのメリット、留意点など。内的にクリアすべきことは多い。


 「テンポがよい」と「テンポが悪い」。「テンポがゆっくり」と「テンポが速い」。この二組の比較を同義には出来ない。「よい・悪い」は言うまでもないが、「ゆっくり・速い」の是非は内容によって大きく変わることがある。「テンポが速いがよい」のは原則ではなく、多数に適用されるという認識でいいはずだ。


 では、テンポよく進める学習の必要性はどこにあるのか。一つには「子どもの生活実態との折り合い」が考えられるだろう。生活全般にスピードアップされていることの対応である。もう一つは、テンポアップによって「活動の多様化や指導言の精選」が期待されることである。後者は授業づくりの大きなポイントだ。


 TOSS論文「テンポのよい授業づくり」がある。「言葉を削る」「説明しない」「遅い子を待たない」「ほめて行動をてきぱきさせる」の四点が挙げられている。異論はないが、「遅い子を待たない」はどの程度受け入れられるだろうか。問題は「待つ指導を優先する時」にどんな状態であればいいかの吟味にある。



 「遅い子を待たない」は一つの教育観に支えられる。つまり、全ての子の力の伸びを信じる、甘さを是正し、力を自覚すれば自ら伸びていく…それをある面で効率よく、徹底できる指導方針だろう。しかし多様な子供達の存在する現状では、授業で実現できるためのフォローやシステムがかなり綿密でなければいけない。