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「ラブだねぇ」の,きれいな眼差し

2013年11月15日 | 雑記帳
 今季のテレビドラマは個人的には不作状況だなと思う。

 しいて挙げれば「東京バンドワゴン」が,ほんわかしてなかなかよろしい。

 なかでも,玉置浩二の親父キャラクターが本人そのもの?のようで特徴がある。
 90年代は2枚目スターで演技力もそこそこあったのになあ,あの「コーチ」というドラマはなかなかだった,そういえばこのドラマに出ている井ノ原君(V6)も生意気な青年役で出ていたなあ,と懐かしがったりする。


 さて,玉置浩二が頻繁に使う台詞に「ラブだねぇ」があり,ちょっとしたキーフレーズになっている。
 宴会では使っていい台詞だが,普段だったらそれなりの自分のキャラクターづくりをしないと,なかなか口にできない我ら日本人である。
 玉置浩二だからこその味がある。

 そして,この「ラブ」である。
 愛読誌『BRUTUS』が「ラブソング」という特集を組んだ。
 
 まあ特に詞の面を取り立てていくしかない編集だが,それなりに切り込み方があり,面白い。
 なかでもお気に入りは,リリー・フランキーの書いた,西川峰子!の歌「あなたにあげる」を取り上げた文章だ。
 その歴史性と価値を明らかにしながら,リリーはこう書く。

 インモラルであっても,美しくなくともいいのである。人間の性や業,馬鹿馬鹿しさや邪悪さ。そこに少しだけ,きれいなまなざしを加えたものがラブソングになる。

 つまり「ラブ」は,きれいなまなざしである。

 あまりにもいろいろと背負っている(多くのミュージシャンが,もっと評価されていいアーチストとして挙げているという意味で)玉置浩二が「ラブだねぇ」と口にするのは,そこに,微かであってもきれいなまなざしがあるから…妙に納得できる。