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あの人はどんなに泣きじゃくったことか

2013年11月05日 | 雑記帳
 テレビで楽天優勝の場面を観た。
 号泣している観客が何人も何人も映し出される。

 あの人はどんなに泣きじゃくっただろうと思った。

 その姿を想像したら心が温かくなった。

 2006年だったから7年前である。
 今は閉じているが、もう一つのブログに書いていた拙文がある。


-----------2006.5.23記

 今年の修学旅行でプロ野球交流戦「楽天vsヤクルト」の試合観戦をした。

 班別の自由行動があって、予定時刻より集合がやや遅れたため、球場入りしたのは午後7時頃。
 試合はすでに4回裏にさしかかっていた。

 なんと?まだ0対0という白熱したゲーム。
 私たち一行(といっても引率もあわせて13人だが)の座席は、レフトスタンド最前列と二列目だった。

 平日なので、スタンドはまばらであるが、レフトスタンドは、いわば楽天ファンの陣取る場所。
 様々な声が行き交って結構楽しい。

 なかでも、最前列の子ども達の横に座った楽天ジャンバーを着込み、キャップを被った中年のおじさん。
 実に躍動的である。
 私たちが席についたとたんに隣の女の子たちに話しかけ、いろいろ世話をやいたり、説明してくれたりしている。

 はては、私のところまで歩いてきて
「いやあ、ここへ修学旅行に連れてきてくれてありがとう」
とお礼まで述べる、尽くし様である。
 そして、二言三言。
 帰り際につぶやいた言葉は

「私も、以前は教師をしていました」

 意外な一言であったが、そして、どんなわけで退職したかは知らないが、いい先生だったような気がする。

 特に、力の劣りがちな子にはやさしかったろう。

 負けても負けても、「次があるさ」と励まし続けてあげただろう。

 お前のことは絶対見離さないと、言い続けたろう。

 …教師の資質だなあ、と思った。

 その日の試合は残念ながら負けてしまったが
 一日はさんだ土曜日の巨人戦。
 ホセの逆転サヨナラホームランによる劇的な勝利。

 あの元教師のおじさん。
 いや、最前席の楽天先生と呼ぼう。
 貴方は、きっと顔をくしゃくしゃにして泣いたはずだ。

 スポーツニュースを見ていたら、その姿が目に浮かんできた。

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