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閉じる学校の傍には

2015年10月25日 | 雑記帳
 町の学校再編計画に伴い統合される学校の閉校式典が始まった。勤務校も含め7校が閉校し、2つの小学校と1つの中学校になる。今担っている役目の関係もあり、全ての式典に参加することになる。皮切りであった昨日は、仙道小学校。現任校を除けばこの学校だけが唯一勤務した経験がある。それも6年間だった。


 結婚した翌年に赴任し、時代が昭和から平成に移るときだった。初めは5,6年を受け持ち、卒業させた後に3年生の担任になった。その子たちをな、なんと4年持ち上がりという…めったにない体験をさせてもらった。職員の年齢層ということもあったろうが、2年目から研究主任を5年間務めることにもなった。


 思い出は数々ある。プールが出来て数年目、ドル平実践に磨きがかかった頃だった。若さにまかせて水温が上がらないなかでも入っていた。おかげで泳力は確かにあがったが、自分が寒冷蕁麻疹になる苦い顛末もあった。町の一番高い山への登山もスタミナ切れをして、子どもたちに押されて頂上へついたこともある。


 三年目だったと記憶しているが、夏休み中に百周年行事があった。式典前日、降り続く雨で川が決壊し、峠道も土砂が崩れたので、別ルートを先頭車として帰った。冠水した田んぼと道路の中を、ええぃままよと突っ切ったことはまだ覚えている。記念碑にかける幕を取りに、暗い夜道を走ったことが忘れられない。


 その記念碑に書かれた碑文の句は、実は私が考えた。どういう経緯かは忘れたが、その句が地元の書家によって刻まれている。「山は人を抱き(いだき)、人は道をつくり」…これは「仙道」という地名からイメージしたものだった。学校が無くなってからも持ち続けたい願いともなった。つくづく光栄なことである。