和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

早寝。

2011-01-20 | 地域
昨日はやく寝たので。
じつは、寝ながら文庫をひらいていたのですが、
腕が疲れて、あとはすぐに寝ちゃいました。
寒がりはいけません。
5時頃おきる、新聞をとりにいくと、
西に月が鮮やか。
こういうのを見ると思い浮かぶのは、万葉集

 東(ひむかし)の野に炎(かげろひ)の立つ見えて
   かえり見すれば 月西渡(つきかたぶ)きぬ


まだ、日の出には早いのですが、見とれるような月。
昨日読んでいた文庫は、「橘曙覧全歌集」。
最初から読んでいると、つい眠くなりました。
ちなみに、「曙覧の研究」は、ちょいと普通の人の意見を
聞いているようで、イマイチ。

家督を譲ってからの生活が、ちょいとわかるような一首(p37)


   野つづきに家ゐしをれば、をりをり蛇など出で
   けるを、妻に見るたびにうちおどろきて、うた
   て物すごきところかな、といひけるを、なぐさ
   めて

 おそろしき 世の人言に くらぶれば
        はひいづる虫の 口はものかは

  この一首の文庫の注には
    口 ―― 世間の噂に掛けた。
   ものかは ―― 問題にするべきものではない。



まあ、そんな生活の中で、見る月を歌っておりました。

     苔径月  (p41)

 露しげき 苔ぢにひとり 月をおきて
      ささるるものか 夜はの柴の戸

  文庫の注には
   ささるるものか ―― 閉ざしてよいものか、
              閉じられない
   ものか ―― 非難をこめた反問


そして、虱(しらみ)の3首があったり
交際について歌ったりがあります。その交際の2首

    松の戸  (p57)

  人みなの このむ諂(へつら)ひ いはれざる
       我もひとつの かたはものなり

  友無きは さびしかりけり 然(しか)りとて
        心うちあはぬ 友もほしなし


 友といえば、パラパラとめくっていたら、最後の方にも
 こんなのがありました。

      ある時  (p255)

  友ほしく 何おもひけむ 歌といひ
       書(ふみ)といふ友 ある我にして


  文庫の注
  何おもひけむ ―― どうして思ったのだろう。
  にして ―― ・・でありながら。


あれれ、もう日の出過ぎたころなのに。
雨戸をあけるとその方向には黒雲。
そして鳥の声。
コメント
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