和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

みみずの這ったような。

2011-01-12 | Weblog
読まない癖して、本を買う。
今日届いたのは、
中野三敏著「くずし字で『百人一首』を楽しむ 古文書入門」(角川学芸出版)。これ平成22年11月25日初版となっておりますが、ネット古本検索にて、1000円でした(定価が2100円)。これなら買います。買います。じつはこれ9日の毎日新聞の今週の本棚で紹介されていた一冊なのでした。その「はじめに」にこうあります。

「最近、社会のいろいろな局面で、江戸が取り沙汰されることが、とても頻繁に目につくようになりました。・・・・・基本的には、あのみみずの這ったようなくずし字が読めるということが、江戸を理解する第一歩であることは、以外に軽んじられていたようにも思います。」

そこで、中野三敏氏の提案が語られておりました。

「・・古文書という名称に顕著なように、多くの場合、手書きの文書や写本を対象としているからです。これは余程の志と、有能な導き手の存在なしには、往々にして挫折を余儀なくされる場合が多いように思います。何故なら、写本や古文書の文字は、書き手によってすべて違ってくるので初心者にとっては最も読み難いものだからです。文書ならずとも短冊・茶掛け・古写本・手紙の類は専門家の間でも最も難関の部類であり、そこから入門することは、いわば全くの登山の初心者が、のっけからヒマラヤ登山を志しているようなものだからなのです。そこで次のような提案をしたいと思います。
初心者は写本ではなく、江戸期の極く通俗的な木版本(板本)を読むことから始めるのが良いかと思います。・・・」


初心者はうれしい限りの一冊。
楽しんで、謎解きのようにして、
みみずの這ったようくずし字を目で追うことになります。

見開きの右がその木版本で下には絵入り。
左ページに、現代語訳と、それに少しばかり「くずし字」を説明。
あたかも、観光ガイドさんに案内されての名所見学という気分で、
百人一首をたどることとなります。
漢字がひらがなに変わる、その不思議が、
あたかも漢字がバケるのを目撃するような楽しさとして味わえるのでした。
これを何回も繰り返し読んでいれば馴染んできそうです。
なんせ、みみずを元の漢字にして読み解く興奮。
ここには、そんな楽しみが待ってくれておりました。
言葉の意味ばかり追うのが、何とも味気なくなってくるほどに。
コメント
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