和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

家の五人。

2011-01-21 | 詩歌
家の小さな日めくりカレンダーの1月20日には、
小さく文字があります。
 満月
 大寒
そして、格言はというと、
 無病は一生の極楽

う~ん。こんな言葉はことわざにありましたっけ。
というので、岩波「ことわざ辞典」時田昌瑞著2000年発行をひらくと、そこには、無病では「無病息災」しか掲載されておりません。藤井乙男編「諺語大辞典」(有朋堂・昭和28年復刊)をみると、解説はないのですが、言葉だけ「無病(むびゃう)は一生の極楽」と出ておりました。昔からある言葉なのですね。ちなみに鈴木棠三「新編故事ことわざ辞典」(創拓社・1992年)にも「無病息災」とはありましたが、「無病は一生の極楽」はありません。一度聞くとわすれなくなるような印象的な言葉です。

現在では、いくら健康でも、風邪の新型ウイルス感染は免れないかもしれません。ということで(笑)。

橘曙覧の歌集から

 たのしみは 家内五人(いつたり) 五(いつ)たりが 
         風だにひかで ありあへる時

   この文庫注には
 家内(やぬち・やうち) ―― 家の者
 だに ―― 軽い例を出して重い事柄を類推させる。
         重い病気は勿論しないで。

もうすこし、たのしみを続けましょう。

 たのしみは 三人(みたり)の児ども すくすくと
         大きくなれる 姿みる時

  たのしみは 妻子(めこ)むつまじく うちつどひ
        頭(かしら)ならべて 物をくふ時


岩波文庫の解説によりますと、
「曙覧の第一女吉子が生後まもなくの2月25日に夭死し、翌年6月6日には第二女がこれまた生後まもなく夭死している。・・」(p395)とあり、
「天保15年・・・には、第三女健子が痘瘡のため四歳で病死した」(p398)ともあります。
妻・奈於についても書かれていました。
「この奈於は勤倹よく一家を守って曙覧を支え、明治37年(1904)に89歳の寿を全うした(因みに、享年は明治40年の除籍簿によって生年を文化13年(1816)として計算したが、『墓碣銘』によると90歳、『小伝』によると91歳、墓石には『享年92歳』とある)。」(p393)
コメント
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