朝日の古新聞をもらってきました。
さっそく、ページ破り(笑)。
保存するのは、読書欄と文化欄と地方版と「ひと」欄ぐらい。
ちょうど、もらってきた分では、読書欄に佐野眞一氏(64歳)の連載が4回。
その3回目(2月20日)をすこし引用。
「私たちは夥しい情報に囲まれて暮らしている。それは新聞、テレビ、インターネットから日々押し寄せてくるので、その情報をつい周知の事実だと思ってしまう。だが、それは本当に信ずるに足る事実なのだろうか。ノンフィクションを一言で定義すれば、こうした【事実】を丹念に掘り返し、実は何も知らなかったということを読者に気づかせる文芸だといえる。」
こうはじまっております。そして、この文の最後には、黒岩比佐子さんが登場しておりました。その箇所を全文。
「『冬の時代』と呼ばれる社会主義運動弾圧の時代があった。幸徳秋水や大杉栄は、その受難の代表として大抵の人は知っている。では、彼らの生活を支える『売文社』を興した堺利彦を何人が知っているだろうか。黒岩比佐子はそこから始めて、堺の人間的魅力を余すところなく描き出した。『パンとペン』という秀逸な題名に作者の才能の埋蔵量が垣間見える。『冬の時代』の後に『春の時代』が到来しなかったことを歴史は語っている。私はそれを検証するもう一冊を書かねばならない。著者はそう宣言した直後、52歳の若さで亡くなった。次代を嘱望されていた彼女の早すぎる死は、『冬の時代』と言われて久しいノンフィクション界に将来の希望がまた一つ消えてしまったようで、悔やまれてならない。」
ちなみに、この日の読書欄は、筒井康隆著「漂流 本から本へ」を逢坂剛氏が書評して。
山口仲美著「日本語の古典」を田中貴子氏が書評しておりました。
2月27日の読書欄では、江上剛氏が外山滋比古著「失敗の効用」(みすず書房)の書評をしております。そこも気になるので引用。
はじまりは、
「今まで鶴見俊輔さんの『思い出袋』、加藤秀俊さんの『常識人の作法』と80歳を過ぎた方のエッセーを紹介してきた。今回、紹介するのも87歳の外山滋比古さんのエッセーだ。・・・・私は現在57歳。80歳まで生きるには、まだ23年もある。ええ加減にしんどいなあと肩を落としたときに彼らの文章を読むと、なんだか落ち着く。」
ところで、このみすず書房の本は、2415円。ちょっと高いなあ。
でも、新入りのファンを自称する私は、しばしの迷いの後に、やおら注文(笑)。
そういえば、竹内政明著「名セリフどろぼう」(文春新書)に
外山滋比古氏が、ちょいと登場しておりました。
「・・読み間違えられた側には、英文学者の外山滋比古(とやましげひこ)さんがいる。ある女子大に出講していた頃、学生から年賀状をもらった。『先生の名前はいったい何と読むのですか。読めませんから、私たち、ジビフルとお呼びしています』(「ことばの四季」、中公文庫)・・・」
かたや52歳。
こなた87歳。
さてっと、ジビフル氏の「失敗の効用」へは
次回に言及できるかと思います。
さっそく、ページ破り(笑)。
保存するのは、読書欄と文化欄と地方版と「ひと」欄ぐらい。
ちょうど、もらってきた分では、読書欄に佐野眞一氏(64歳)の連載が4回。
その3回目(2月20日)をすこし引用。
「私たちは夥しい情報に囲まれて暮らしている。それは新聞、テレビ、インターネットから日々押し寄せてくるので、その情報をつい周知の事実だと思ってしまう。だが、それは本当に信ずるに足る事実なのだろうか。ノンフィクションを一言で定義すれば、こうした【事実】を丹念に掘り返し、実は何も知らなかったということを読者に気づかせる文芸だといえる。」
こうはじまっております。そして、この文の最後には、黒岩比佐子さんが登場しておりました。その箇所を全文。
「『冬の時代』と呼ばれる社会主義運動弾圧の時代があった。幸徳秋水や大杉栄は、その受難の代表として大抵の人は知っている。では、彼らの生活を支える『売文社』を興した堺利彦を何人が知っているだろうか。黒岩比佐子はそこから始めて、堺の人間的魅力を余すところなく描き出した。『パンとペン』という秀逸な題名に作者の才能の埋蔵量が垣間見える。『冬の時代』の後に『春の時代』が到来しなかったことを歴史は語っている。私はそれを検証するもう一冊を書かねばならない。著者はそう宣言した直後、52歳の若さで亡くなった。次代を嘱望されていた彼女の早すぎる死は、『冬の時代』と言われて久しいノンフィクション界に将来の希望がまた一つ消えてしまったようで、悔やまれてならない。」
ちなみに、この日の読書欄は、筒井康隆著「漂流 本から本へ」を逢坂剛氏が書評して。
山口仲美著「日本語の古典」を田中貴子氏が書評しておりました。
2月27日の読書欄では、江上剛氏が外山滋比古著「失敗の効用」(みすず書房)の書評をしております。そこも気になるので引用。
はじまりは、
「今まで鶴見俊輔さんの『思い出袋』、加藤秀俊さんの『常識人の作法』と80歳を過ぎた方のエッセーを紹介してきた。今回、紹介するのも87歳の外山滋比古さんのエッセーだ。・・・・私は現在57歳。80歳まで生きるには、まだ23年もある。ええ加減にしんどいなあと肩を落としたときに彼らの文章を読むと、なんだか落ち着く。」
ところで、このみすず書房の本は、2415円。ちょっと高いなあ。
でも、新入りのファンを自称する私は、しばしの迷いの後に、やおら注文(笑)。
そういえば、竹内政明著「名セリフどろぼう」(文春新書)に
外山滋比古氏が、ちょいと登場しておりました。
「・・読み間違えられた側には、英文学者の外山滋比古(とやましげひこ)さんがいる。ある女子大に出講していた頃、学生から年賀状をもらった。『先生の名前はいったい何と読むのですか。読めませんから、私たち、ジビフルとお呼びしています』(「ことばの四季」、中公文庫)・・・」
かたや52歳。
こなた87歳。
さてっと、ジビフル氏の「失敗の効用」へは
次回に言及できるかと思います。