和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

台湾歌壇。

2011-06-20 | 詩歌
読売新聞6月20日に
台湾歌壇の記事が掲載されております(p4・国際)。
さっそくネット検索すると、そこには違う歌ですが、
東日本大震災にかかわる歌が読めました。
ここには、新聞からの孫引き。

たとえば、その記事の最後は

「   大正生まれ昭和育ちの我ならば
        日本大災難にこころのしずむ
 と日本語世代ならではの歌も寄せられた。・・担当者は『頑張れという気持ちがこもったものばかり。心の支えになれば』と話している。」


もう少し引用された歌を並べましょう。

 天災に負けずくじけずわが愛友よ涙も見せず鬼神をば泣かす

 原子炉の修理に赴く男の子らの『後を頼む』に涙止まらず

 福島の身を顧みず原発に去りし技師には妻もあるらん

 未曾有なる大震災に見舞はれど秩序乱れぬ大和の民ぞ


「涙も見せず鬼神をば泣かす」とあります。
ああ、こうして「鬼神」という言葉を使われている。ハッとします。

あらためて、古今集の仮名序をひらいてみるのでした。

「和歌(やまとうた)は、人の心を種として、万(よろづ)の言(こと)の葉とぞなれりける。・・・・・生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける。力をも入れずして天地(あまつち)を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男(をとこ)女のなかをもやはらげ、猛(たけ)き武士(もののふ)の心をもなぐさむるは、歌なり。・・・」


古今集はいつも、仮名序ばかりで、つぎに進まない私ではありますが。
ときに読む仮名序はいいですね。ちなみに、ネット検索で「台湾歌壇」をひらくと、最初の二首が載っておりました。


万葉の 流れこの地に 留めむと
     命の限り 短歌詠み行かむ

日本語の すでに滅びし 国に住み
     短歌詠み継げる 人や幾人
コメント
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