山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ハクウンラン

2020年08月24日 | ラン科
 広葉樹林の林床、ないしは針葉樹との混合林を好んで生育する白い虫が舞うような小さなランである。富士山麓および東部富士五湖地方に生育しており、生育地での個体数は少ない。


    ハクウンラン 平成30年8月 東部富士五湖地方で撮影


    固まって咲いていることは少なく、散在的に咲いている。


    令和1年7月 同じ場所で撮影。


    この場所は個体数にはあまり変化が見られていない。


    ハクウンランの花。小さな白い虫のような花。


    令和1年8月 富士山麓で撮影。


    この年のこの場所は大当たりだった。これほど固まって咲いた株は見たことが無い。


    ハクウンランの花

 踏み荒らしも心配であるがそれよりも山肌が乾燥して個体数が減少してしまっている場所があるのが心配である。山肌に苔が生えるような環境が必要なようである。

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アリドオシラン

2020年08月24日 | ラン科
 広葉樹林帯や針葉樹との混合林の林床で、苔の生えている場所を好んで生育している小さなランである。富士山麓が主な自生地であるが南アルプスでも発見されており、他の場所にも生育している可能性がある。個体数はきわめて少ない。


    アリドオシラン 平成27年7月 富士山麓で撮影。


    小さなランである。


    平成30年7月 富士山麓で撮影。 この頃はまだ苔が生き生きとしていた。


    苔の中に咲いたアリドオシラン


    令和2年7月 同じ場所で撮影。 地面が乾燥化して苔が減少してしまっている。個体数も減少しつつある。


    地面の上に生えたアリドオシラン


    側面像


    正面像


    平成30年7月 南アルプスで発見したアリドオシラン


    この周辺は笹が茂り始めており、個体数は少ない。


    その後どうなっているのか心配である。

 踏み荒らしだけでなく生育環境の変化により減少傾向にあるランである。今後が心配である。

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渓谷に咲くキツネノカミソリ 石空川渓谷  令和2年8月22日

2020年08月24日 | 渓谷
 午後から雨の天気予報だったが当日になって予報が変わっており曇りになった。暑いうえに雨ならばあまり遠いところまで歩こう気にはなれなかったが、降らないならばそれなりに歩けたのでは・・・と少しばかり後悔しつつ、予定していた石空川渓谷に出かける。先週はオオキツネノカミソリを見てきたのでキツネノカミソリを見に行ってみたいと思う。キツネノカミソリは山梨県の絶滅危惧種に指定されており、北杜市では何ヶ所か群落があるらしい。見に来ないかと誘いを受けていたのだが休みのタイミングが合わず、おそらくもう遅いであろう。


    石空川渓谷下流部の流れ。河原沿いにオオビランジと確認しておきたい植物があったのだが台風で流れてしまったようである。


    フォッサマグナの露岩部。このあたりも斜面が崩落していた。


    渓谷にかかる橋と滝


    渓谷の脇に咲くギンバイソウはもう終わっていた。シラヒゲソウは咲き始めていたが場所が悪く撮影出来ず。


    岩に着生していたオシャグジデンダ


    渓谷を見下ろすように生えていたオシャグジデンダ


    この渓谷にもミヤマイタチシダがあった。


    ヤマイヌワラビ。普通は中軸が紫色をしている。


    細長、ないしは半月状のソーラスが付く。


    ではこっちの軸が黄緑色のものは何?形はそっくりだ。


    鱗片は薄く、ヤマイヌワラビとほぼ同じ。


    ソーラスを見てもほぼ同じである。どうやら軸が紫色では無い変わりもののヤマイヌワラビのようである。


    茎に細い棘がたくさん生えていて触ると刺さる。ミヤマイラクサ。


    北精進ヶ滝に到着。

 昨年はシダ初心者だったので何だか全く分からずに端から写真を撮りまくって来たのでここまで4時間もかかった。今年はそれなりに歩いたつもりだがそれでも2時間半かかっている。通常ならば40分の行程である。いかに植物観察と写真撮影に時間を費やしているか分かる。尾白川渓谷ときわめて似通った環境にあるので、エビラシダやオオクボシダが生育しているのではないかと期待して歩いてきたのだが発見できなかった。


    お目当てのキツネノカミソリは満開。一部は痛み始めていた。


    オレンジ色の美しい花である。


    オオキツネノカミソリに比べるとやや小型で華奢、雄しべが短い。

 帰り際に雷と本降りの雨に見舞われ、カッパを着ての下山となった。帰り際に見てくるはずだったミヤマツチトリモチは気が付けば通り過ぎてしまっていた。駐車場に付いた頃には雨が上がっているという、山で良くある夕立のパターンである。少しばかり消化不良の渓谷散策となったがキツネノカミソリは美しかった。



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コガネシダ(イワデンダ科)

2020年08月24日 | シダ類
 渓谷沿いのやや湿った岩壁や岩の隙間を好んで生育する夏緑生のシダである。葉は長さ10 ~ 20㎝。葉柄は黄褐色~赤褐色を帯びて光沢があり、上部に関節構造があり折れやすい。葉身は広長楕円状披針形、 2 回羽状中裂、羽片は羽状に浅裂~中裂し、葉の両面、特に裏面に白い毛がある。胞子嚢群は各裂片に数個ずつ縁よりに着く。山梨県では東部富士五湖地方と奥秩父方面に生育しているがいずれの場所でも個体数は少ない。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2017年環境省なし


    コガネシダ 令和2年7月 東部富士五湖地方で撮影。


    この場所では群生していた。


    やや湿った岩壁や岩の間を好んで生育している。


    ソーラスは羽片のやや辺縁寄りに付着する。


    ソーラス


    拡大


    薄い鱗片と細い毛が生えている。


    どこにでもありそうなシダに見えるがあまりお目にかかることは無い。

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