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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ヒメスギラン(ヒカゲノカズラ科)

2020年08月17日 | シダ類
 亜高山帯の苔の生えた岩の上を好んで生育する常緑性のシダである。茎は短く這い、2 ~ 3 回分岐して高さは5~10㎝くらいになる。葉は針状に細く質は柔らかく、葉の付け根部分に貝殻状の胞子嚢を多数付ける。先端近くにくちばし状の無性芽を付けていることが多い。群生せずに点々と生育している。奥秩父山系に生育しているが、三ツ峠にも生育していたという文献がある。個体数は少ない。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR)  2017年環境省なし


    ヒメスギラン 令和1年11月 奥秩父山系の渓谷沿いで撮影。


    2~3回分枝して針状の細い葉を出す。コスギランに比べて華奢である。


    くちばし状のものは無性芽である。


    別株


    別株


    同日に別の場所で発見した株


    苔の上を好んで生育している。


    豪雨の後で砂利が付着しているが、上部の貝殻上の白いものは胞子嚢である。成熟すると割れて胞子が放出される。

 別の渓谷での生育情報もあるのだが発見できなかった。三ツ峠の個体も探索に行ってみたいと思っているが発見には苦労するだろう。

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ヒトツボクロ

2020年08月17日 | ラン科
 広葉樹林の林床ないしは針葉樹と広葉樹の交雑する林床にひっそりと生えているランである。葉は緑色ないしは黒緑色で、裏側は濃い紫色をしている。細くて長い茎の先に小さな花を何個も付ける。茎が長いうえに花数が多く、風で揺れるために撮影には苦労する。分布域は広いが生育地は限局的である。個体数は比較的多い。


    平成28年6月 富士山麓で撮影。


    同上。この場所は地肌が乾燥化して数が減っているように見える。


    平成30年6月 茅ヶ岳で撮影。 この場所は個体数が少ない。


    同上


    平成30年6月 甘利山で撮影。


    同上。 生育地は極限られている。


    令和1年6月 精進湖近傍で撮影。


    風が穏やかで撮影し易かった。


    マクロ接写。真っ直ぐ、ないしは少し上に曲がった距がピンと伸びている。


➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る
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夏富士の眺望 甘利山から千頭星山へ  令和2年8月15日

2020年08月17日 | 山梨百名山
 本日も猛暑日となる天気予報である。早いうちに登って・・・と一応は考えるものの、夜更かしの私は早朝に起きることが苦手である。それでも朝6時に目を覚ましたものの、ネットを見たりといろいろやっているうちにあっという間に時刻は7時を過ぎてしまう。結局甘利山グリーンロッジの駐車場に到着したのは9時になってしまい、9時半から歩き始める。もう陽が高く昇り暑くなり始めていた。


    甘利山展望台から見る夏富士。久しぶりに見る青空に立つスッキリした富士山である。


    ツリガネニンジンはもう終わりかけ。


    コオニユリ


    ダケカンバと富士山


    青空と甘利山山頂

 青空が広がって富士山が見えてくれたことは良いのだが、10時を過ぎるととにかく暑い。何もしていなくても額や首から汗が流れ出る。双眼鏡片手に目的のシダを探すのだが全く手ごたえ無し。甘利山はよくぞこれだけ囲ったというくらいに保護ネットでお花畑を囲ってあり、植生がだいぶ回復したように見受けられる。ただ残念なのはネットの網目が邪魔して花が十分に見えないこと、そして覗き穴が無いので写真撮影が出来ないという難点がある。櫛形山裸山のように写真が撮影できるくらいの覗き穴を設けてくれるとありがたい。


    大汗かきながら千頭星山に向かう。奥甘利山付近から見る甘利山山頂(左側)と富士山。


    マルバタケブキと目指す千頭星山。すぐそこに見えるのだが・・・なかなか着かないのが山というもの。


    マルバタケブキと富士山


    同上。雲隠れしてしまった富士山が現れるまで20分ほど待った。


    マルバタケブキの花


    奥甘利山から見るマルバタケブキ畑と富士山


    ノコンギク


    大西峰のピークを越えて千頭星山の稜線から見る富士山。


    山頂までは笹原の緩い登りになる。目ぼしい花は見つからず。


    山頂直下から見る八ヶ岳の眺望。八ヶ岳はほぼ北側になるので、夜中に星を撮ると・・・グルグル廻る星空になるはずだ。


    千頭星山山頂

 千頭星山は10数年前の登山を始めたばかりの頃に職場の仲間たちと来たことがあるがそれ以来だと思う。さほどきつかったという印象は無いが、今回は登山よりも暑さでバテた。探していたのはオオバショリマというシダであるが、かつては山梨県絶滅危惧種に入っていたシダである。北岳に行くとこれでもかというほどに群生しているので、現在は入っていない。こちらの山にもある(あった?)らしく、北岳に行けないのでこちらでじっくりと観察しておこうと思ったのだが残念ながら発見できなかった。

 山頂で休んで給水を十分にとって下山である。


    午後3時を過ぎても富士山が良く見えている。暑いのに雲が出ないこんな日は珍しい。


    道路脇にコバノギボウシが咲いていた。

 保護柵の中には面白い花が眠っているかも知れないが保護柵の外では目ぼしい花は発見できなかった。とにかく暑かった。
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