山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ホテイラン

2020年08月18日 | ラン科
 亜高山帯の針葉樹林の林床に咲く赤紫色の美しいランである。山梨県で確認されているのは南アルプスおよび前衛の山の極限られた場所である。個体数は少なく、生育する斜面の乾燥化により減少の傾向にある。富士山麓にも生育していたらしいが現在では確認出来ない。八ヶ岳の長野県側には生育地があるが山梨県側では発見されていない。


    ホテイラン  平成30年5月 南アルプスで撮影。


    同上  森の妖精の名にふさわしい可憐な容姿


    個体数は少ない


    平成30年5月 南アルプス前衛の山で撮影


    同上  この場所の個体数はきわめて少ない。


    かつては林道脇でも観察できたらしいが、現在では急峻な尾根を登らなければ見ることが出来ない。

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 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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田んぼに生えたオモダカとサンショウモ 甲府市下積翠寺町  令和2年8月16日

2020年08月18日 | シダの仲間
 早朝から町内会の盆送りなる行事が催され参加してきた。午前8時には撤収作業を終えて解散となったが既に気温が上昇し始めて暑い。昨年我が家の隣の家の田んぼでオモダカを発見し、周辺の田んぼにも普通に生えているのを見て廻って来た。これは絶滅危惧種だと思っていたら単なる田んぼの雑草であることが分かった。隣の家の田んぼは無農薬で栽培していることを知っていたのでひょっとしたらと思ってもう1種類別の植物を探してちょっと立ち寄ってみた。すると・・・やはりあった。今度こそ絶滅危惧種のシダ(浮草)である。


    隣の家の田んぼに生えていたオモダカ。


    オモダカ。絶滅危惧種だと思っていたので残してくれとお願いしておいたら、綺麗に残してくれていた。


    しかしこれは絶滅危惧種のアギナシと違って田んぼの雑草であることが分かった。


    アギナシの実。隣の家の人に間違いを伝えなければならない。


    あっさり見つかったこの浮草。小さいほうでは無く葉の大きいほう。


    今度こそ絶滅危惧種である。


    サンショウモ。浮草ではあるがこれはシダの仲間である。


    葉の表面はまだら模様が入っている。胞子嚢がどこに付いているのか見るのを忘れた。

 サンショウモは準絶滅危惧種で最近増えていると聞いている。積翠寺を流れる相川沿いはホタルの保護のために農薬を使わない耕作が推奨されており、おそらく周辺の田んぼを探しても容易にサンショウモに出会えるのではないかと思う。周辺の探索を含めて、胞子嚢は後日(あるいは来年?)確認してみたいと思う。どんどん増えると、これもただの田んぼの雑草になってしまうのかも知れない。
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イヌチャセンシダ(チャセンシダ科)

2020年08月18日 | シダ類
 チャセンシダに良く似た常緑性のシダで、分布域も県南部で重なっている。生育環境が異なり、イヌチャセンシダは渓谷沿いの湿った岩の上を好んで生育している。チャセンシダと比べて葉柄がやや太くて折れやすいこと、葉が全体に大きいこと、先端部に無性芽を付けることが良くあるなどの点で異なるが、決定的な違いは葉柄の裏側にも翼を有し、計3枚の翼があることである。生育地が少ないが生育場所での個体数は比較的多い。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN)  2017年環境省なし


    イヌチャセンシダ 令和2年5月 南部町で撮影。


    イヌの名が付いているが個体数は少ない。


    この個体はさほど大きくは無く、葉の大きさや葉柄の太さではチャセンシダとの区別は出来なかった。


    斜め方向から見ると葉軸の上面側と下面側の翼が見える。


    裏側をマクロ接写しトリーミング。軸の裏側にある翼が見え、これがチャセンシダとの違いである。


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チャセンシダ(チャセンシダ科)

2020年08月18日 | シダ類
 その名の通り、茶色い軸を持つ常緑性のシダである。寺院の石垣の間や林道沿いの石垣の上、岩壁などを好んで生育している。葉は全長 10 ~ 30㎝で、葉柄と葉軸は紫褐色で光沢があり、上面は平らで軸の両脇に狭い翼を付ける。葉質は堅い草質、羽片は 20 ~ 30 対つき、胞子嚢群は線形で、羽片に 2 ~ 4 対つく。山梨県では主に身延町、南部町に生育しており、生育地での個体数はあまり多く無い。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2017年環境省なし


    チャセンシダ 令和2年2月 身延町の林道脇で撮影。


    軸の両脇に狭い翼を付ける。


    令和2年3月 身延山の寺院で撮影。


    この場所は個体数が多い。


    裏側に付着する線状のソーラス


    線状のソーラス。


    令和2年4月 身延町の林道脇で撮影。


    同じ株を別角度から撮影。


    軸の裏側には翼が無い。

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