山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

オニノヤガラ

2020年08月26日 | ラン科
 葉緑素を持たない菌従属栄養植物で、薄暗くてやや湿った広葉樹林の林床を好んで生育する。長い茎の先端に付ける蕾の集塊は先端が尖っており、その形はまさに鬼の矢柄である。富士山周辺や御坂山系、南アルプス、奥秩父山系、など、広範囲に生育しているが生育地での個体数は少ない。


    オニノヤガラ 平成27年7月 鳳凰山で撮影


    花を拡大


    葉の遺残と思われる。


    蕾のオニノヤガラ 平成27年7月 鳳凰山で撮影


    まさに鬼の矢


    平成30年7月 奥秩父山系で撮影


    開花した花


    令和1年7月 御坂山系で撮影


    同上


    白いオニノヤガラ 平成27年7月 南アルプスで撮影


    この白い花はシロテンマと呼ばれている。別種扱いする場合もあるが山梨県では同種の扱いになっている。


    シロテンマ 私の意見としては、花が密生せず茎の色も違うので別種ではないかと思っている。

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イチョウシダ(チャセンシダ科)

2020年08月26日 | シダ類
 石灰岩地を好む常緑性のシダである。葉は全長 4 ~ 12㎝、2 回羽状複葉または単羽状に分かれ、羽片は 1 ~ 3 対で互生する。胞子嚢群と胞膜は線形で脈に沿って長く伸びる。葉の形はまさに銀杏の葉を小さくしたようである。山梨県では限られた場所にしか生育しておらず、個体数も少ない。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR)  2017年環境省準絶滅危惧(NT)


    イチョウシダ 令和2年5月 北杜市で撮影。


    石灰岩地の岩の隙間を好んで生育する。


    胞子を付けて枯れた葉の他に新しい葉の芽が出ている。


    線状のソーラスはほぼ脱落している。


    令和2年8月 北杜市で撮影


    8月のイチョウシダは青々としていて美しい。


    線状のソーラスが付着


    別株


    山盛りになったソーラス

 見ていて飽きない、小さいながらも美しいシダである。

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オオバナオオヤマサギソウ

2020年08月26日 | ラン科
 亜高山帯の広葉樹林の林床や林縁に生育する背丈40~60㎝になるランである。オオヤマサギソウに良く似るがこちらの方がやや大型で、側萼片や距の曲がり方が異なる。主に富士山麓に生育しており、個体数は少ない。2山梨県018年版レッドデータブックから新たに登場した花である。


    オオバナオオヤマサギソウ 令和2年7月 富士山麓で撮影。


    同じ場所で撮影した別株。


    オオバナオオヤマサギソウ


    オオバナオオヤマサギソウの花


    側萼片は横に広がる。オオヤマサギソウがバンザイするように広がる点で異なる。また、距は緩く前屈するのに対してオオヤマサギソウでは背屈するものが多い。


    令和2年8月 別の富士山麓で撮影。


    オオバナオオヤマサギソウの花。風で揺れ易く撮影には苦労する。

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カラフトメンマ(オシダ科)

2020年08月26日 | シダ類
 亜高山帯から高山帯の沢沿いの日当たりの良い草地に生育するやや大型の夏緑生のシダである。オシダに似ているが刺々しい鱗片を密生させ、より男性的な感じがする。北岳に生育しているが八ケ岳にもあるらしい。


    カラフトメンマ 令和1年10月 北岳で撮影。


    茶色の厚い鱗片


    刺々しい鱗片を密生させる。


    上部では鱗片は薄い。


    ソーラスは中肋寄りに付着する。夏緑生なので10月には枯れ始める。


    後ろに見えるのは鳳凰山。折角の景色だったのにカメラ手持ちで撮影したところフォーカスが甘かった。

 7月か8月の青々としたこのシダを撮りたかったがコロナウィルスの影響で平成2年は北岳に入山できず。いつか見に行きたいと思っている。八ヶ岳ではまだ発見できていない。

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オオヤマサギソウ

2020年08月26日 | ラン科
 山地帯の広葉樹林の林床に生育する背丈30~50㎝になるランである。薄緑色の花を多数咲かせ、花の形は手を広げて泳ぐクリオネを想像させる。鹿の食害や生育環境の変化で個体数は減少し、2018年版レッドデータブックから絶滅危惧ⅠA類に格上げとなった。花期は7~8月。


    オオヤマサギソウ 平成25年7月 釈迦ヶ岳で撮影。 この頃から鹿の食害が目立ち始め、小さな個体しか目にしなかった。


    オオヤマサギソウの花 平成25年7月 釈迦ヶ岳で撮影。 この数年後からこの場所からは姿を消した。


    平成26年7月 黒岳で撮影。 この場所にあった数個体も2年後には姿を消した。盗掘ではなく鹿の食害と思われる。


    同じ個体。御坂山塊はオオヤマサギソウだと思っていたが見直してみるとこれはオオバナオオヤマサギソウに見える。確認するにももはや存在しない。


    平成29年8月 南アルプスで撮影。 保護柵の中の個体は元気だが柵の外は食害で酷い状態だった。


    薄緑色の花


    令和2年8月 御坂山塊で撮影。この年は当たり年でたくさんの個体が花を咲かせた。


    前年に設置した保護柵の中は個体数を増やし、花を咲かせた個体も増えた。


    令和2年8月 再写に行く。今度は満開。


    黄緑色の美しい花だが、茎が長く風で揺れるため撮影には苦労する。

 森の中にある個体は減少の一途を辿っているが保護柵の効果は現れている。

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