私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

悲情城市

2006-10-08 18:40:00 | 香港(香港映画&中華明星)
家業を継ぐ長男、南方の戦場から戻らない次男、上海から帰ってはくるものの日常生活へは戻ることが出来なかった三男、そして写真館を営む聾唖者の四男。
1945年の台湾。
林家の4人の息子が歩む日々。

友人の妹との筆談でのやり取りと、その中から生まれるささやかな愛情。自分の生まれた地台湾で普通に生活しようとした四男文清。しかし自分達ではどうすることも出来ない時代の流れに流され、行き場を失う家族。

何かを伝える際には決して声を荒げなくてもいいのだ。凄く静かな映画であるのに、時代に流されながらも日々を過ごした家族の生き方は伝わってくる。


トニー・レオンファンなので、俯きながら筆談に熱中する彼の演技を見ているだけでも胸に迫るものあり。美しいラブシーンだと思う。


悲情城市(1989) - goo 映画
悲情城市

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悲情城市

2006-10-01 16:40:12 | 香港(香港映画&中華明星)
台湾に行った際にこの映画の舞台になった九フンまで足を伸ばしてみたいと思っていた。しかし映画の後はすっかり観光地のようになってしまい人並みが途切れない街になってしまったと風の噂で聞いたので、諦めたことがある。
映画の中で感じた街の雰囲気の思い出を壊す必要もないと思ったのだ。

候孝賢(ホウ・シャオシエン)監督の代表作だけれど、私の中ではやはりトニー・レオンの出演作だとの思いが強し。台湾での内省人と外省人との争いは非常に複雑で知識もない私にとっては、時代背景を理解することは出来ないが(初めてみた時もそうだし、今でも理解しておらず)それでも黙々と写真館で働くトニー・レオンの姿はもう一度スクリーンで確認したい。


ホウ・シャオシエン映画祭

悲情城市

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ヴァネス・ウー

2006-07-10 00:15:14 | 香港(香港映画&中華明星)
知人から誘われて、台湾のアイドルグループF4のメンバーの一人、VANNESSのコンサートへ行く。
前日の18:00、9日の13:00の公演は完売とのことで、追加公演の9日18:00の回に行く。
ソロアルバムからの曲を中心に、F4の代表曲@流星雨、そして誰もが知っているクィーン、M・ジャクソンのヒットソングと、盛り上がりを重視したのか、選曲にちょっと苦心の跡があったように思う。
I was born~♪と歌いだした時は「えっ?クィーン?」と正直驚いたが場内は非常に盛り上がったから、やっぱり選曲は成功したのだろう。
日本語では@最後の言い訳と@言葉にならないを披露。
どういう意図での選曲か?本人に聞いてみたいが、「ただ好きだから」という普通の答えが返ってきそうだ。
最後の言い訳の間奏で、2階席に向かって「I see you!」と叫んでいたが、その後も何度も2階席を気遣い声をかけていたように思う。
この気配りが「ヴァネス!可愛い~」という掛け声に繋がるのだろう。
(私も好青年だとは思ったが、言葉にならないを歌いながら言葉に詰まる姿を見て「男なら泣くな!最後まで歌いきれ!」と叱咤激励することも忘れなかった。)

心に残ったこと
後半、衣装の変わりに大活躍だったくっきりと割れた腹筋。

次に心に残ったこと
前の席はコンサートを見に韓国から来たと思われる若い女の子二人組みだった。
韓国の国旗をモチーフにしたスカーフを頭に被り、ヴァネスを応援していた二人のボルテージはアンコールのステージに韓国人歌手KANGTAが登場したことで最高潮に達していた。
私も持っているCDが韓国版なので、KANGTA&VANNESSのSCANDAL@北京語バージョンを始めて楽しむ。KANGTA・・・やっぱり上手だ。

Meteor Rain (2nd Super Hong Kong Edition) (香港盤)
F4
Sony Music Entertainment (HK)

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恋する広東語

2006-06-02 22:14:56 | 香港(香港映画&中華明星)
1回5分の短い番組ではあるが、今月の6日から8月2日まで水、木、金の週三回放送されると知人から聞いて早速テキストを購入した。

香港映画が好きになった十数年前にも一度習おうとしたことはあったのだが「日本語だってマイナーな言語なのに、これ以上マイナーな言葉を覚えてどうする?世界の標準語の英語でも覚えるべきだ!」という友人の暖かい忠告を聞き入れたおかげで今日まで殆ど言葉を覚えずに来てしまった。
更に英語を覚えるべきという忠告には従わず、今もなんちゃって英会話を適当に遣い、なんとか誤魔化しているという寂しいオマケつきだ。

しかし何年も経った今、気が付いてみると同じくマイナーな言語と思われる「アンニョンハセヨ」を習っているのだから不思議なものだ。
あの時諦めなかったらどうなっていただろう?とちょっと残念に思ったりするが、まぁ今から挨拶だけでも覚えてみようと思う。

旅する広東語を恋する広東語と勝手に変換してやる気を奮い立たせよう。

NHKテレビアジア語楽紀行/旅する広東語

日本放送出版協会

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王力宏 蓋世英雄日本演唱会

2006-04-23 14:34:17 | 香港(香港映画&中華明星)
金曜日の夜、NHKホールで行われた 王力宏(ワン・リーホン)のコンサートに友人と足を運ぶ。
1999年のヒットアルバム@公轉自轉を聴いていた頃は、力宏の宏から「ヒロシ」などと気軽に呼べる青年の雰囲気も若干あったのだが、バイオリン、ピアノ、ギター、ドラムなど、歌以外にも楽器を自在に操り、来月の誕生日で30歳を迎えるという今の彼は風格さえ感じさせる。
一緒に行った友人が紅潮した面持ちで「力宏!」と舞台に向かって叫んでいる姿を横目で見つつ、「ヒロシ~」などと気軽に呼んでいた頃をちょっとだけ懐かしく思い出し、Forever Love  零れ落ちた言葉  あなたが望むなら愛にゆこう~という言葉に耳を傾けた2時間半だった。

中華明星のコンサートには付き物のペンライトを持参したのだが、途中で電池切れ。が手になにも持っていないと調子が出ないので、電池の切れたペンライトを1時間くらい振ることという情けないことになる。
事前の準備は入念にということか・・・・

デッドエンド 暗戦リターンズ (暗戦2)

2006-02-25 17:41:57 | 香港(香港映画&中華明星)
クリスマス時期の香港。犯行を予告する犯人(演 イーキン・チェン)とそれに振り回される刑事。(演 ラウ・チンワン)
犯人の意図も、対する刑事の私生活も、更には賭博で首が回らないと思われる交渉人の悩みもどれもキチンと語られることはなし。ただ90分観終わった後には、犯人はちょっと気取ったインテリだ。(綱渡りで犯行現場(?)にやってくるなど、遊びで犯罪に手をつけているとしか思えないではないか?)刑事の私生活は破綻しているであろう(恋人にも多分愛想をつかされているに違いない)、と簡単に想像することが出来るのだ。伝えたいことを何でも盛り込めばいいというものではない。90分でさっくり終わる香港映画らしい潔さだと思う。それでも十二分に主演二人(更に交渉人 林雪の良さも)の良さは伝わってくるのだ。
@美しき野獣の監督には、このあたりの手際の良さを見習って欲しかったと思う。

犯人が何で予告しつつ犯行を犯すのか、最後までわからないのがこの映画の一番の謎だろうが、そんなこと関係なく最後まで面白い。

デッドエンド 暗戦リターンズ

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ディバージェンス

2006-02-25 16:18:44 | 香港(香港映画&中華明星)
刑事(アーロン・クォック)、弁護士(イーキン・チェン)、殺し屋(ダニエル・ウー)という三人の男。

いなくなった恋人の写真をいつまでも車の中に飾って置く刑事。彼女に似た人を見つけ、こっそりと跡をつけ、彼女の家の前で張り込みの真似事までするのだ。張り込みをする車の中でハンバーガーを口にしつつ、ちょっと涙をにじませたりする。普通だったら情けないよなと思う。でもそれがちっとも情けなくなく、かえって哀しく見えるのだ。
刑事だけでなく、弁護士も殺し屋も皆どこか哀しい。哀しい男三重唱だ。
落ち着いた緑色を基調にした画面も哀しい男達にぴったりだ。
(多謝 chikoさん)

私の心を奪って

2005-11-29 21:04:16 | 香港(香港映画&中華明星)
パク・シニャンとキム・ナムジュ主演の@私の心を奪ってをTSUTAYAで借り、1話だけ見る。韓国ドラマなのに、カテゴリーを香港映画&中華明星としているのは、このドラマの主題歌を歌っているのがレオン・ライ(黎明)という理由だけで、ちょっと見てみようと思ったからだ。
レオン・ライ(黎明)は愛した後に - という主題歌を韓国語で歌い、更に1話では彼の歌@如果可以再見イ尓がBGMに使われていた。
ハングル文字のエンドロールの中여명(黎明)という漢字を見つけて一人満足するが、ドラマの面白さを堪能するまでには至っていない。

2004年の夏 韓国を旅行した際、パク・シニャンの魅力解剖という特集テレビ番組見たのだが、(パリの恋人の最終回が目前だったせいらし)その時も結局一つも魅力を分からないままだったことを思い出した。
韓国語が分からなかったせいもあるだろうが、それだけでは無いと思う。番組でカリスマ溢れる俳優パク・シニャンと連呼していたのは分かったのだから。
ドラマの中ではパク・シニャンに憧れる女子高生役で、でデビューして間もないチョン・ジヒョンが出演しているのだが、「素敵!」「格好いい」とウットリした眼差しでパク・シニャンの事を見つめるチョン・ジヒョンの気持ちがちっとも分からない。

ただレオン・ライ(黎明)の歌を聞きたいがために、このドラマを見続ける価値があるのか?それとも見続ければパク・シニャンの魅力が分かるようになるのか?分かったところでなにかいいことがあるのか?
パク・シニャンの魅力がなかなか理解出来ない私にとって、????マークは尽きることがない。私の心が奪われることはないだろう・・・多分・・・

レオン・ライ(黎明)コンサート続き

2005-10-16 18:16:56 | 香港(香港映画&中華明星)
最後の曲@情深説話未曾講(今夜あなたは来るの?と歌い上げるバラードだ)は香港返還前の1996年に流行った曲だ。俳優としてのレオン・ライ(黎明)を知ってはいたが、返還の時期、NHKで放送された特別番組(1997年の旧正月の時期に香港で放送された歌番組@ジェイド・ソリッド・ゴールド1996を日本向けに編集した番組)で初めてこの歌を歌うレオン・ライ(黎明)を見た。

番組の中でアンディ・ラウやジャッキー・チュンがサービス精神旺盛に満面の笑みを浮かべる中、受賞しても簡単な挨拶だけで、背筋を伸ばしてきっちり歌う姿が逆にとても新鮮に思えた。
そのニュートラルな歌声に「僕は歌を歌うだけ。その歌をどのように感じるかは皆さんの問題」という感じをもったのは、私の単純な思い込みだったと思う。
ただその頃個人的にとても嫌で辛いことが多かった時期だったので、簡単にそんな風に思い込んでしまったようだった。
淡々と歌う姿は、どんな解釈でも許してくれそうな雰囲気を持っていたのだ。

コンサートの最後にこの歌を聞きながら、あの時期の事を思い出したりしたが、あの時感じた辛さは輪郭もおぼろげになっており、懐かしさの方が胸に迫ってきた。そんな風に思えたのはこの歌のおかげなのか、ただ時間が辛い気持ちを消してくれたのかは分からない。
ただやはり@情深説話未曾講が私にとって特別な歌であり、レオン・ライ(黎明)が特別な芸能人であることに変わりはない。

アンコールのアンコールが普通の最近のコンサートの中で、彼のコンサートはアンコールもなく、「最後の歌です。以上」ですっきりと終わるのだ。
このあっさりさ加減もレオン・ライ(黎明)らしい。

レオン・ライ(黎明)のコンサート

2005-10-16 17:41:47 | 香港(香港映画&中華明星)
先週の金曜日の夜のコンサートを見るために2泊3日で香港へ行って来た。

以前レオン・ライ(黎明)の歌声を聴いた母は「囁くように歌う人だ」と評していたが、これは囁くように歌って、歌の下手なのを誤魔化しているということらしかった。(ずけずけいうところはさすが私の母親である)確かにプロディユーサーのマーク・ルイと組む前の良く言えばバラード、悪く言えば演歌チックな歌を歌っている頃はその傾向が顕著だったと思うが、マークと組むようになってからは囁くように歌うことは少なくなっていったと思う。
勿論劇的に歌が上手くなる訳はないが、声質にあったリズム、音域などがキチンと計算されプロディユースされていったのだろう。
背筋を伸ばして前をきっちり向いて歌う姿勢に変わりは無いが、歌声は確実に変わっていったと思う。

今回のコンサートは映画で共演したチャップマン・トウをゲスト(いや総合司会だろうか)に向かえ、更にマークと一緒に育てようとしている二人の新人歌手も登場し、マークとの二人三脚が目立った2001年のコンサートとは随分趣が違っていたと思う。
今回は昔の歌なども披露し、自分自身は歌を歌うことだけに専念したコンサートだった。
チャップマン・トウのトーク、中国雑技団とアレグリア(いやサルティンバンコか?)をアレンジしたような幻想的なパフォーマンスが歌の合間に次々と繰り広げられるが、本人がそのようなパフォーマンスに挑戦する訳でもなく、あくまでも歌に専念するだけだった。韓国人ダンサーを従えて踊っていた前回のコンサートとは全く違った感じだった。
その変わりにチャップマン・トウが自転車に乗って吊られるというパフォーマンスを見せてくれ、又握手タイムもレオン・ライ(黎明)の変わりに「サヨナラを~♪」と最後まで歌い続け、汗だくになりながらも自分も握手するという頑張りを見せてくれた。合間に見せるトークもお互いの気心の知れた雰囲気(私は広東語が分からないのであくまで見た感じだけだが)も感じが良かった。

香港コロシアムを横切るように造られた舞台の端にバンドの席が設けられ(7,8人程度のこじんまりしたオーケストラ形式)バンドの後ろには巨大なスクリーンが掲げられていたが、時折本人の姿を写す以外はそれを使って特別な演出が行われるわけでもなく非常にさっぱりとした感じだった。

セブンソード その後

2005-10-09 18:27:25 | 香港(香港映画&中華明星)
週刊文春10月13日号のシネマチャートでセブンソードが取り上げられていた。
評価者5人中☆3つが三人、☆4つが二人と、思いのほか評価が高いような気がする。(誉め殺し・・・いやいやそんなことはないはずだ)

〔高麗人もいたという設定に歴史的な面白さ・・・〕
一緒に試写会を見たMさんの「やっぱり韓国人女性はもてるんだ~(キム・ソヨンのーパートはとても綺麗に撮影されていた)」に深く頷いたことを思い出す。

〔七剣士の個性が出たほうが・・・〕
確かに色々エピソードはあったけど、時間切れで残念だったし。

〔引用借用乱濫発映画だが・・・〕
他人のアイデアもそうだが、過去の自分の作品を彷彿とさせる場面も沢山あったし。

〔ゲームっぽい展開だが・・・〕
仲良くさせてもらっているchikoさんも明天会更好 天無絶人之路でゲーム好きだから楽しめたと言っていたし。

〔初めなんだかつかめないまま・・・〕
「疲れてたせいかな~ふと気が付いたら寝てて、そうしたらいつのまにか七剣士が山から降りてきてるんだもの」なかなか七剣士が出てこないという話を、一緒に試写会で見たMMさんも言っていたし。

評価者の方が誰も指摘していないが、153分は如何考えても長いような気がする。
しかし一番びっくりしたのは、映画評論家Oさんが続編有?とコメントしていたことだ。「だらだら作らなくていいのよ!」といいそうな感じなのに。


セブンソード ジャパンプレミア

2005-09-29 23:00:00 | 香港(香港映画&中華明星)
普段はくじ運など一つもないはずなのに、セブンソード・ジャパンプレミアのJ-WAVE招待枠に当たり、昨日今週末10月1日から公開のセブンソードを監督出演者の挨拶とともに見ることが出来た。(J-WAVEとジョン・カビラへの熱い思いをアンケートに書いたせいだろうか?)

舞台上にツイ・ハーク監督、主演のドニー・イェン、レオン・ライ、音楽の川井憲次が並び挨拶をしたのだが、インタビューを聞きつつも、レオン・ライファンの友人と二人で彼の一挙手一投足を見逃すまいとしていたので、大変忙しかった。
そんな私達の気持ちを知ってか知らずか、、「レオン・ライです」と簡単に名前を名乗るとさっさと隣に立っている音楽の川井氏にマイクを渡してしまい、非常にあっさりしたものだった。
フォトセッションの際も、目線を送る先を中国語で指示を受けているにも関わらず、一人違う方向を向いてみたり、どうしても皆より一拍行動が遅れてしまうようである。それがおっとりしているからという理由でなく、どう見ても人の話を聞いていないからとしか思えなかったので、友人と苦笑してしまった。
更に舞台挨拶が終了すると誰よりも早く非常にキビキビとした動作で舞台上から去っていったので、もうびっくりしてしまった。
非常にマイペースな人なのである。

レオン・ライのあまりにもマイペースな行動の数々に心を奪われてしまったせいだろうか。ドニー・イェンが「乗馬や韓国語が大変だったが、情熱的なラブシーンもあるので是非楽しんで欲しい」と言っていたのは覚えているのに、思ったより日焼けした面持ちのレオン・ライがスカイブルーの明るいシャツに紺色のパンツとジャケットを着ていたのは覚えているのに、何を喋ったかは全然覚えていないのである。

F4

2005-08-17 21:04:32 | 香港(香港映画&中華明星)
韓流の次は華流がやってくると書いている記事を最近よく目にするようになった。
そんな華流の急先鋒ともいえるF4のメンバーの映画を最近3本まとめてみる機会があった。

ジェリー・イェンがアンディ・ラウ、サミー・チェンと共演した@マジック・キッチン。

ケン・チュウがジジ・リョンと共演した韓国映画@リメンバー・ミーのリメイク@スカイ・オブ・ラブ。

そしてヴァネス・ウーが韓国女優キム・ヒョンジュと共演した@スター・ランナー。

マジック・キッチンは監督がリー・チーガイとは思えない作品なので、非常に残念だった。
香港でプライベートレストランを経営する女性とアシスタントの若い青年との恋物語。上手くいきそうな二人の前に女性の昔の恋人が出現してという大変分かりやすい物語だ。
サミー・チェン演じる女性シェフがブリジット・ジョーンズのようになにをやっても上手くいかない女性なら、ジェリー・イェン演じる若いアシスタントが女性を慕う姿に若者らしい一途さが感じられたのかもしれないが、レストラン経営者としてそこそこ成功している女性なのだ。更に心が揺れる昔の恋人もそこそこ格好がいい。どうしようもない昔の彼だけれど忘れられないのという切なさもない。
なんとなく成功している女性が、なんとなく幸せでなく、なんとなく素敵な若い男性となんとなく素敵な昔の彼の間でどうしようと揺れ動く話なのだ。
「いいじゃないどっちもそこそこ素敵なんだから。好きな方選べば。」とそんな感想を持ってしまう雰囲気だけのラブコメディだ。
日本のテレビ番組「料理の鉄人」に出演するという設定が物語のクライマックスなのだが、、この番組の場面が非常に嘘っぽいく安っぽいので、笑ってしまった。

女性シェフの友人にニコラ・チャン、マギー・Q、ニコラ・チャンの恋人にマイケル・ウォン、女性シェフの仕事からインスピレーションを得る脚本家にアンソニー・ウォン、女性シェフを口説く実業家にウィリアム・ソーとカメオ出演も含めて顔ぶれは豪華なはずなのに、中途半端な雰囲気だけの映画になってしまっているのが残念だった。ジェリー・イェンのことももっと魅力的に描けただろうに、かすってしまっているだけなので、非常に残念だ。

@スカイ・オブ・ラブはオリジナルのリメンバー・ミーの生き写しかと思えるような作りが最初は気になった。
韓国版は、好きな人の香りをいつも感じながら生きていくと決心するキム・ハヌルの20年後の姿がキチンと描かれ、ユ・ジテ演じる青年が「元気そうでしたね」とキチンと伝える場面が描かれているが、中国バージョンの方は20年後の女性の後ろ姿しか写さない。肩を落とし覇気なく歩く姿は惨めな感じさえ残す。
自分の一言が一人の女性の一生を左右してしまったことに、慄く現在の青年。韓国の青年は無線機を壊そうとするも、人生はそんな風に流れていくもんだと諭されることによって思いとどまり、かたや中国の青年は空き地に無線機を投げ捨て振り返ろうともしないのだ。

しかしこんなにそっくりに作っていながらも、最後の5分の描き方で残す印象がこんなにも違うとは本当に面白い。
中国版のタイトルは@愛、断了線で韓国版のオリジナルタイトルは同感だ。
このタイトルからも最後の描き方に対する姿勢がなんとなく想像できる。
どちらが好きかは好みの問題だろう。

そして最後に@スター・ランナー。
実は見ている間はこれが一番面白かったのだ。
こんなに照れるでもなく正統派なアイドル映画を作られると、楽しんでみる以外他に仕方ないということもあるが。
しかし見ている間は一番面白かったのだが、いざ感想を書くとなると、何を書いていいのか本当に思いつかないのだ。
1時間30分楽しんだことは確かだが、それ以上は・・・しかし、しつこいようだが、見ている間は一番面白かったのだ。

3本比べるなら、映画として面白いのはやはり@スカイ・オブ・ラブだろうか。やはり題材が一番面白いのだ。日本ではラストをどんな風に描いているのだろうか。それも気になる。

通勤に使っている西武線では今F4列車なるものが走っており、今日はそれに乗って帰ってきた。やっぱり華流は華麗にやって来ているらしい。



チョウ・ユンファ

2005-05-18 21:17:21 | 香港(香港映画&中華明星)
朝日新聞の夕刊に、映画の制作本数が落ち込み人材不足を心配する映画監督と香港政府が、今年の2月に協力して作った専門学校の記事が「めざせ、ジャッキー 香港スタントマン学校」との見出しで掲載されていた。

確かに去年の秋香港へ行った時も、映画館ではハリウッド映画が幅を利かせていたし、街のDVDショップには、知らなければ中華系かと思ってしまう韓国映画のソフトも数多く出回っていた。
そうは言ってもまだまだ面白い映画も沢山あるのだ。先日DVDで観たイー・トンシン監督の@旺角黒夜(oen night in mongkok)も良かったし、成龍(ジャッキー・チェン)が久しぶりに出演した香港映画@香港国際警察も、今までのジャッキーのコメディ路線とは一線を画した作りに感動する作品だった。
韓国ドラマ、韓国映画と最近は騒いでいるが、好きな香港映画の事を決して忘れたわけではない。
新しい場所で遊んでいても、戻る場所があるという安心感があるとでもいうのだろうか。
最近はチャン・ドンゴンが中国映画に出演したり、旺角黒夜に出演していたセシリア・チャンが韓国映画に出演したりと、なんとなく昔の彼と今の彼が仲良くしてくれて嬉しいといった雰囲気だ。主人公が死んだのに続編がキチンと作られる香港映画も、何かというと病気になったり、交通事故が起こったりする韓国映画も、どちらもご都合主義だがそんなところが大好きなのだ。
調子がいいかもしれないが、どちらのいいところもゆっくり楽しみたいと思う。

今日5月18日は香港俳優チョウ・ユンファの50歳の誕生日だ。
最近はあまり思い出すことも無かったが、何かのきっかけで昔の恋人を思い出し感傷に浸るというのはこんな感じをいうのだろうか。トレンチコートの裾を翻し振り向きざまに二丁拳銃を撃つユンファの姿を、男たちの挽歌の中で見なければ香港映画をこんなに好きになることもなかったろう。
両親に「小林旭の映画の二番煎じ」などと酷評されながらも、飽きずにビデオを見ていた頃を思い出した。
今日ぐらいはいつもの韓国ドラマでなく、ユンファの映画を観てみようと思う。

ブエノスアイレス

2005-04-22 22:46:58 | 香港(香港映画&中華明星)
今日は何も書くことがないなと思いながら、駅からの帰り道を歩いていると、月がとても綺麗なことに気がついた。
冬の間はそれでなくても寒いのに、空を見上げれば益々寒々しいから空など見上げたこともなかったのだ。

『プルプルと半透明な月の許響く靴音家路を急ぐ』
私の下手ななんちゃって短歌風にすると、今夜の月はこんな感じだった。

家に着き部屋のテレビをつけると、ケーブルテレビで「ブエノスアイレス」を放送していた。
映画は終盤に差し掛かったところで、レスリー・チャン演じるウィンと別れたトニー・レオンが一人でイグアスの滝を見、香港に帰る前に台北に一泊するところだった。
久しぶりに見る「ブエノスアイレス」だったが、杜可風(クリストファー・ドイル)の撮影するブエノスアイレスの夜はやっぱり隠微な感じがしたし、灯りが流れる台北の街も私が観た台北の街とは思えないほどお洒落な街に写っていた。

結局スーツも脱がずに、映画を最後まで見てしまった。なんていうことのない金曜日の夜だが、何事もなく一週間が終わったことを感謝したい気持ちになった。