私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

楽園の夜

2021-04-16 21:16:16 | 映画鑑賞

裏社会に身を置きながらも、姉と姪を大事に思うテグ。弱小組織に所属しながらもその能力の高さから敵対組織からスカウトされる位だったのだが、姉と姪を殺された事で彼の立場は一変してしまう。

殺された二人の為に復讐をしたことで追われる立場になった彼。逃亡先のロシアに渡る前、ボスの手配で済州島に潜伏することになる彼を匿うのは、伝説のスナイパーらしき人物とその姪。叔父仕込みの射撃の腕を見せる姪だが、態度はどこか投げやりだ。

1週間ほどの潜伏でロシアに渡るはずだったのに、追手はあっという間にやってくる。彼を匿っていた2人の生活も追手によって壊される。組織が総動員で彼の命を狙いにやってくるのだ。狭い済州島では逃げ切れるはずもない。終わりが来ると分かっていながらも逃げるテグと、テグを狙う男たちに叔父を殺され一人になった姪もテグと行動を共にするしかない。

やられたらやり返し、そしてそれに対してもまたやり返す。義理と裏切りが複雑に絡み合う裏社会。きりがないから打ち止めにしようという話合いの裏にあるのは、相手に対する値踏み、抜け駆け、そしてねじれた嫉妬心だ。

やられたらやり返すそのシーンには一つの手加減もない。相手の息の根を止めてもまだなお銃弾が飛び交い、ナイフが振り回される。やっぱり韓国映画だ。とにかく重い。肉体を痛めつけるシーンに手加減はない。汗が流れ血が流れ、火薬の匂いが画面を通して匂ってくるのではと思う位に銃弾が飛び交う。しかしその舞台となる済州島の景色は素晴らしい。

目の前に広がる海。そしてその海辺の道をバイクで走り抜ける二人。肉体の痛みを感じさせる場面が続くのに、済州島の景色から感じられるのはなぜか静けさだ。

それを表す言葉を、「スタイリッシュな雰囲気」という陳腐な表現しか思い浮かばない自分が情けない・・・・

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本当なら女性が入り込む余地の無い世界の話のはずなのに、テグと行動を共にする女ジェヨンの話にもなっている。ジョヨンを演じるチョン・ヨビンの雰囲気が素晴らしい。銃声と一緒に響き渡る彼女の行き場のない悲しみと怒り・・・・

『楽園の夜』予告編 | Netflix