バレー男子日本代表、52年ぶり金逃す...東京五輪王者フランスに惜敗、主要国際大会銀メダルは47年ぶり【ネーションズリーグ】
ニュースのタイトルが『52年ぶり金逃とす』とややネガティブな書きぶりになってしまっているのは、選手たちがもっと上を目指している気持ちが、観ている私たちにも伝播しての事なんだろう。
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52年前の事はよく覚えている。
当時は、オリンピックでも海外から映像での生中継はなかった。生中継はラジオだけだった。今、考えると隔世の感だ。
ドイツのミュンヘンとは、どれ位の時差があったのだろう。金メダルをかけた一戦は、朝食を食べながらNHKのラジオ放送で聞いていた。(普段はTBSラジオを聴きながら朝食を食べていたと思うのだが、『今日だけはNHKを聴こう』というやり取りを両親としたように記憶している。)
当時のバレーボールはサーブ権を持っている時だけ得点が入るシステムだったので、サーブ権が行ったり来たりするだけで得点が入るまで長い時間がかかる事が多かった。決勝戦となればお互いに力も拮抗している。
会場で大きな歓声が上がっても「サーブが移っただけか・・」という事が多かった。
当時はメダルに手が届く競技は多くなく、「(オリンピックは)参加する事に意義がある」と言われていた時代だ。子ども心にも「ここは絶対金メダルを取って欲しい」と思っていた。
いつもよりゆっくりご飯を食べても勝負は決まらず、歯を磨き、赤いランドセルを背負いながらトランジスタラジオの前に立っていたが、学校に向かう時間になってしまった。
後ろ髪をひかれながら集団登校したのを覚えている。
テロという言葉を初めて聞いたのも、この頃だったはずだ。
海外からの生中継映像が見られるようになったのはいつ頃だったろう。記憶に残っているのはTBSのベストテンの生中継でピンクレディーがパリの凱旋門の前で歌っていた事だ。久米宏&黒柳徹子のベストテンコンビがどのようにして映像が海外から送られてきているのかを早口で説明していたのを聞いたような・・・