「英国ロイヤルバレエ屈指のスターに
真のバランシン・スタイルを誇るNYCBのプリンシパル
バリシニコフの超絶技巧を追いかけるABTの若きスターが集う。」
真のバランシン・スタイルを誇るNYCBのプリンシパル
バリシニコフの超絶技巧を追いかけるABTの若きスターが集う。」
オペラ座メンバーによる公演が終わってしばらく経ったかと思いきや、今度は英米のバレエ団メンバーによるガラ公演である。
英国ロイヤル・バレエ団は、6~7月に日本公演を行ったばかりだが、NYCBとABTは余り日本公演をやらないようなので、今回は貴重な機会である。
NYCBは、やはりバランシン作品におけるスピード感とダイナミックな動きが光る。
回転数はほかのバレエ団のダンサーが演じるときよりも見るからに多く、「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」では、タイラー・ペックの手が殆ど床に触れるくらいの大きなダイブが観られた。
ABTは、「静と動」の両方を兼ね備えているという印象。
「葉は色あせて」では、”内面を語る”所作が渋いと感じたが、「ドン・キホーテ」では、”動きが全て”という感じで、真逆の思想を表現していた。
面白かったのは、キトリのフェッテのところで、回転しながら扇子を頭上で回す動作は初めて観た。
さて、今回の公演の新機軸は、”The Routine” 、「スタジオ・パフォーマンス=稽古場(けいこば)での演舞 」である(夏のダンス・ウィーク(5))。
つまり、マリアネラ・ヌニェスなどの超一流ダンサーの練習風景が観られるのである。
これを観て、私は、先日のShiver Premium 2023 と同じく「すべては基本動作の積み重ね」という感想を抱いた。
そして、(やや趣旨は異なるが、)ふと私は、ニーチェ先生の「ツァラトゥストラ」(p312)の中の、
「飛ぶことを学んで、それをいつか実現したいと思う者は、まず、立つこと、歩くこと、走ること、よじのぼること、踊ることを学ばなければならない。
―最初から飛ぶばかりでは、空高く飛ぶ力は獲得されない。 」
―最初から飛ぶばかりでは、空高く飛ぶ力は獲得されない。 」
という言葉を思い出した。