パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

アラビアンナイトから思う事!

2006年12月05日 21時39分04秒 | Weblog
全部読んだ訳ではないがアラビアンナイト(千夜一夜物語)は
「シンドバッドの冒険」「アリ?ババと40人の盗賊」「アラジンの魔法のランプ」
等、荒唐無稽な話から、虚無感溢れる話や官能的な話、教訓じみた話まで
多彩な物語に溢れているが
この物語のキッカケとなった、妻の不貞を見て女性不信となったシャフリヤール王が
国の若い女性と一夜を過ごしては殺していたのを、大臣の娘シャハラザードが王の元に嫁ぎ、
千夜に渡って毎夜王に話をしては気を紛らわさせ、終に殺すのを止めさせたという話は
実は、大学の最初の2年間で学ぶ、あまりその効果の分り難い
教養課程の効能を表すものではないだろうか

つまり、実生活とはあまり関係のない話、教養を得る事によって
マトモな人間になるという事だ

ところで、今の我が国を見ていると、
あまりにも多くの人間が
シャフリヤール王の最初の頃のメンタリティーと
変わらないのではないだろうか

今の人たちは無駄なもの、役に立たないものを
近視眼的に判断していないだろうか
「国家の品格」には教養の大切さが書かれていたが
自分も教養は大事だと思う
だが、それは他人に自慢するような知識の多さをいうのではなく
ピンチの時にさえ、正しい判断が出来るような基礎となるものだ

老荘思想ではないが、一見生活になんら役に立たないように見える
そして、あるときは判断のブレーキなって
一直線な経済活動には邪魔になるように見える教養
実は、これこそが今の時代に一番必要だと思うのだが
夢想家過ぎるだろうか?


コメント
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