パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

勝ったことよりも嬉しかったこと

2006年12月24日 19時41分08秒 | Weblog
子供たちのほてった顔
力を出し切った充実感のある顔
そして自然とにじみ出るうれしそうな顔

今日は恒例地元のチーム同士でサッカー交流戦
おおよそ学年ごとに別れ
1年生から6年生までみんなが試合を経験できる大会で
今年の2回目

自分の担当は上から2番目のチーム
しかし6年が少なく5年生が6年のチームに
入ることになってチームは4年生が
5年生、4年生の混合チームと戦わなければならなくなった

今年の4年生は不思議なくらい粒が揃っていて
一人ひとりが結構ボール扱いが上手く
多分同じ学年なら相当なことは出来るだろうと思っていた

しかし体力差はいかんともしがたく
善戦はしても勝つまではきついかなと思っていた

おまけにこの交流戦はいつも試合に出られない子に
チャンスを与える大会で
勝つためだけのスタメンはしなかった

だから子供たちにも不安や
コーチは勝つ気があるのかと疑問だったかもしれない

しかし自分はいつも選手を選ぶとき(この大会の)
一人ひとりがもう一歩がんばらないと上手くいかないような
選手起用をしている

勝つだけだったらいつものように
点取り屋と前の数人でゲームをしてしまう
メンバー構成にするのだが
今日は前に女の子、少し自信を失いかけのやさしい子
そして前にいくスピードはあるのだが
最後の一歩でミスる子を置いて
中盤にキープ力のある子を揃え
バックは読みの良いミスの少ない子に
(彼らは前をやりたいやりたいと言っていたが)
我慢してやってもらった
(しかし自分はバックスの攻撃参加は
決して禁止しないどころか
自分の判断でやっていいことにしている)

2試合行ったが最初の試合は
最初点を取られたが3点とって逆転
もう少し楽に勝てるかなというゲームだった

次の試合は
ゲーム慣れしているボールの動かし方をするチームで
学年差のことと練習量の差もあって(我々は週1、相手は週2)
チョッときついかなと思っていた
反面、今までの自分の指導方法がどのくらい効果的であったかが
見られることもあって楽しみでもあった

自分の指導方法?
4年3年の25,6人をまとめてみる練習は
子供たちの大好きなゲームをするときも
フォーメーションは全然決めない

子供たちは好きなところを自分勝手に
ボールを追いかけても良いとしているのだ
だからこの学年でよく見られる
ゴチャゴチャになっても広がれとは言わない
自分で打開する力をつけさせるため
体の使い方、当たりに、1対1に強い子供を作るために!

そして最優先事項はボールを前に運ぶこと
必ずしも綺麗なパスではなく
いけるところまでドリブルで行くようにしている
多くの人は持ちすぎることを良くは思っていないが
この学年では自分は持ちすぎるくらいでいいのでは
と思ってしまう

どうせ、規則、決まりの多いサッカーは
大きくなってからやらざるを得ないので、
この時代くらいは好き勝手やらせてあげたいと思うし
実際のところドリブルはたいした武器になるのだ

パスゲームを主体に練習しているチームには
ゴリゴリみんながみんなドリブルで来るチームは
やりにくいのかもしれない
どうしてもドリブルをとめに一人だけじゃなく
人数をかけなくてはならなくなってしまう
すると必然的にどこかスペースが出来てしまう
我々のチームはそこをつくように出来ればいいのだが
残念ながらそこまではまだいってなく
ドリブルのトライを繰り返している

そして、もうひとつの方法
フォーメーションを決めない方法は
ボールに対する寄せがみんなで行くので
相手のチームはボールを自由に持つ時間がなくなってしまう
サイドチェンジすればいいのだが
その時間を与えないくらいに後から後から
人間が出てくる

こんなことが今日の2試合目には出来ていた

試合前は勝てたら奇跡だよね、などと言っていたのが
前半にエースストライカーを出さずに(じゃんけんで負けたので)
みんな必死になってやって0対0で終えられたので
ハーフタイムの表情は集中しきっていた

そして後半、いつもなら絶対不可欠のエースの登場で
またも気分も盛り上がり
走ること走ること!
女の子も、ミスしがちな子も諦めず
1対1に負けずに対応
そしてやはりエースの得点

一緒にサイドで見ていた6年生、5年生、大人も
このチームの試合は面白いと言っていた

攻められる時間もあったが
このゲーム展開では容易に負けはないと
思っていた

時間稼ぎをする余裕はなかったが
結局1点を守りきって勝ち

その時の表情が冒頭の文章で
「どうだった、楽しかった?
 なんだかみんなが一つになってたみたいな気がしない?」
と聞くと
「ほんとに一つになったみたいな感じがした」

試合に勝つ経験は今まで何回もしたかもしれない
しかし、今日のような一体感は
やった者しかわからない貴重な経験で
それをさせてあげられたのは
勝ったことよりも嬉しかった

一人ひとりがみんな必死でサボらず集中してやったので
最後に今日の感想を自分が言う時も
素直に聞いているように見えた

本当に楽しいことは苦しみの後に(大げさ?)
あるのだと知ってもらえたら、さらに嬉しいのだが!

子供たちにとっては
良いクリスマスプレゼントになった一日だった
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