テレビ的なるもの

昔、家族団らんでテレビのミステリー番組を見ていた時
妹が言った
「この人、犯人じゃない！」
「どうして？」
「だってまだ終りまでには時間があるもの」

この理屈が頻繁に放送されるクイズ番組でも通用する
チーム対抗戦　少しでも負けた方が挑戦権は剥奪されるみたいな状況では、
番組案内ではちょっとのミスも許されないと
さんざん煽っておきながら、番組収録時間はたっぷり残っていて
どう考えても最後には両チームが競り合うような
ドラマティックな演出が見え見え！

最近どうにも、こうしたワザトらしさが耐えられなくなってきている
クイズにしても、答える人をすごいと思うより
問題を作る人、探してくる人は大変だと
そちらの方に感心してしまう

それにキチンと答えたにしても、果たしてそれが純粋に
零からのスタートなのかはどうも疑ってしまう
確かに物知りな人はいる
だが異常に物知りなのは、どこか怪しい

クイズ番組、かつてのように視聴者も一緒に答えを考えて楽しむ
というより今は、娯楽番組としてタレントさんの
リアクションを楽しむ方に比重が傾いている
そしてそんな風にへそを曲げてみると
ここで見られるような演出は本当にキツイ

もっともこんなことは当たり前で
視聴者はわかった上で視聴しているのだろうけれど
最近テレビが面白くない！
と感じさせる一つがこうしたわざとらしい演出にあるのも事実

テレビ的なもの
劇的なもの
両極端なもの
そうしたものが喜ばれるに違いない！
と発想する作り手側の想像力
実はこれこそが一番貧困なのでは！
と思ってしまう

が、田舎の片隅で言ったところで何も変わらない
とすればテレビは見ないだけ

昨日読み終えた「欲しがらない若者たち」で
紹介されていたニコニコ動画
こちらの方がはるかに面白い

テレビ的なるもの
少しづつ変わらなければ寿命は短いぞ