アマゾン(AI?)はとても賢くて、次に読みたくなる本をおすすめ本としてどんどん提示してくる
その一つ一つが的確で少しばかり悔しくなるが、参考になる面もある
先日こうした機能(AIによる)本の選択をしていると、考える癖、探す癖、
本との偶然の出会いを大切にする経験を失って自分が選んでいるにもかかわらず
実は何かにコントロールされているような状況になる危険性を説いていた記事があった
確かにアマゾン(AI)は賢いが、これは気づかないだろうな、、と思ったことがあった
山道ではないがお正月のウォーキングしていたときのこと
あれこれ連想が頭に浮かんで、自分自身と会話しているような状況になった時
急に夏目漱石の「草枕」の冒頭が思い浮かんだ
「山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。智(ち)に働けば角(かど)が立つ。、、、、」
現実的な世間知だ。その先がどうだったか気になる
おまけに「草枕」はグレン・グールドが好きだったされているし、一体どんな内容なのだろうか、、
ということで、今度は近いうちに「草枕」を読んでみようという気になった
iPadの青空文庫にダウンロードしたが、どうもじっくり読むにはディスプレイ画面はしんどい
そこで図書館に行って借りることにした
読み始めると、少し驚いた
これがなかなか面白い
現実的な誰かと誰かの物語というのではなく、心象風景を語るようで、それが個人的な好みで
嬉しくなって、どんどん前に進むのがもったいなくなって、読めないでいることに満足感を
覚えるようになっていた(本当に良い本に出会うと、自分はこういう気持ちになることが多い)
で、アマゾン(AI)は予想できないだろうな、、という話につながるが
この本を読んでいて、次に読んでみようかな、、と思いついたのは
「こころ」とか「それから」とか「明暗」ではなく、
サルトルの「嘔吐」とかトーマス・マンの「魔の山」だった
アマゾン(AI)は自信たっぷりに前者の本たちをラインナップするだろうが
全く関係のなさそうな「嘔吐」とか「魔の山」はきっと提示しないだろう
「草枕」と「嘔吐」「魔の山」との関連性は、自分の頭の中では存在する
それは現実的な話ではなく、頭の中で起きていることをダラダラと書いている点だ
そう感じるのは自分の読書体験からくるもので、アマゾン(AI)にはこちらの内的な事情は
想像する手立てがない
だから「草枕」と「嘔吐」「魔の山」との関連性は結び付けられない(きっと)
しかしだからといって次に「嘔吐」や「魔の山」を実際に読むかといえば、
年齢的な気力の問題があって、そうはいかないかもしれないという気がしてくる
そのうちに、やっぱり「源氏物語」を読んどかなきゃいかんかな、、、との気持ちにもなってきた
これなんかもアマゾン(AI)は想像できないだろうな
人間様の気まぐれ、、、
脳のニューロンの微弱な電気のやり取りで何かを感じているのはわかっても
その具体的な内容まではわからない、、
ところで、改めて夏目漱石はすごいな、、と思ったのも事実
しかし脚注がないとわからない事が多くて閉口する
あの時代では普通に理解されていたのだとすると、、随分時代がかわったのか
それとも最近の人間の読解力が低下してきているのか、、、