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ウクライナ情勢-黒海北部ウクライナ海軍ロシア空軍戦闘発生とロシア国威発揚演習”ザーパト”の中止

2023-09-04 07:00:15 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ウクライナ海軍人命を重視しつつ無人艇を中心というささやかな戦力ながら頑張っているなあと考えるところです。

 黒海北部においてウクライナ海軍とロシア空軍との間で散発的な戦闘が発生している、8月27日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告がその概要をまとめています。これによれば、2014年にロシア軍が占領した旧ウクライナ天然ガス掘削プラットフォーム付近でウクライナ海軍の無人水上艇が航行しており、ロシア航空宇宙軍がこれに攻撃を加えたもの。

 クリミア半島とオデッサの中間海域には海底天然ガスが埋蔵されており、ウクライナのチョルノモルネフテガス社が掘削などを実施してきましたが、これが2014年のロシア軍クリミア侵攻によるクリミア併合によりロシア軍に占拠され、ロシアの管理下に置かれています。そして同時に緒戦の激戦地となったスネーク島のような戦略的要衝ともなり得る。

 チョルノモルネフテガス社のプラットフォームは化石燃料の代替とされる天然ガス、自然放出された場合の温室効果の高さから燃焼した方が温室効果係数が低くなるという欧米の主張、この埋蔵と同時にここを長距離ミサイル基地として用いられる利点がある故です。
■ザーパド23演習中止
 ボストーク演習などの極東地域での軍事演習に対しては我が国も相手が演習を装った侵攻準備に備えて対抗演習をおこなうものです。

 ロシア国防省はザーパド23演習の中止を発表しました、イギリス国防省ウクライナ戦況報告28日付の情報です。冷戦時代のソ連軍からロシア連邦に至るまで定例となっているロシア軍最大規模の演習であり、OSCE全欧安全保障協力機構信頼醸成措置により報告が求められる大規模演習となっており、2年に一度実施されるもの、前回は2021年です。

 ザーパド21演習は多数の戦車が同時に行進間射撃し地平線は砲兵の全量射撃の爆炎に包まれるという冷戦時代のソ連軍を普仏とさせる演習となっていましたが、ウクライナ侵攻の際に戦術と戦略両面での不手際を露呈し、各国識者にロシア軍は信仰直前までやっていた演習は何を演習していたのかと逆に呆れさせ、イギリス国防省は見世物と実情を分析した。

 ザーパド23演習が中止された理由は発表されていませんがイギリス国防省は、毎回10万以上の部隊を参加させているために今回集められる兵力が少なすぎたとの視点と、見世物という実態の贅沢な装備を集めた演習をウクライナでの苦戦が報じられる中で行う事への国内世論の反発にロシア指導部でさえも敏感になっている可能性を指摘しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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