大学の同じ学部の以前の同僚でE大学の学長まで勤められたAさんが定年になった後で、在職中はピンクのシャツを着れなかったが、定年でピンクのシャツを着ることができるとどこかで書いていたのを読んだ。
私はネクタイが嫌いで、ネクタイをあまりしたことがない。これは工学部ではもう問題外の外である。私自身は怪しからんと叱られたり、注意を受けたことはなかったが、同僚の工学部出身の先生方が眉をひそめていただろうことは想像に難くはない。
これは、ある理学部出身の方を助手に採用するという話が教授会であったときに、履歴書の写真でこの人はネクタイもしていないとクレームがある教授からついたことがある。それでその人の採用の教授会の承認が1ヶ月遅れた。すなわち、この教授から見たら、私など度し難い奴だと思われていたんだろうなとそのときに思ったものである。
実はピンクのシャツと黄色のシャツを私はもっていて、これを在職中から時々着ていた。それはいま急成長をしている企業のユニクロで買ったものである。ユニクロでシャツを買うというのは私があまりお金がないことを示しているので、他に他意はない。ユニクロさん、こんなことを言ってすみません。
冒頭のAさんの話にもどると、Aさん自身は少なくとも見かけはともかく本質的には紋切り型の方ではなかったのだということがわかって面白かった。でも、ピンクのシャツを着たいという欲望を抑えて学長にまでなられたのだから、それはそれでよかったのであろう。