宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【日本丸の夢のせて】山中iPS応援に900人「チームジャパン」で今度こそ!

2007年12月25日 17時46分51秒 | 人物
 京都大の山中伸弥教授の講演に耳を傾ける聴衆(25日、京都市下京区で)=読売新聞・工藤菜穂撮影

 「5年間でたったの100億円の予算しか付けられない文部科学省などかまってられるか!!」
 と全員が思っているかはしれませんが、「山中iPS」応援団が京都に900人集まりました。

 ◇

 20世紀の日本では、東北大学の西澤潤一先生の「半導体」(産業のコメ)発明が米国に奪われる悲劇がありました。

 21世紀になり、今度こそ、山中iPSを日本人共有の財産にしましょう!オールジャパンの「チーム山中」は文科省などかまってられません。

 ◇

以下、12月25日付読売夕刊から(小見出し、太字・彩色は下町の太陽)

山中伸弥教授がiPS研究「ジャパン」旗揚げ…京都でシンポ


 京都大の山中伸弥教授が作製に成功した新型の万能細胞(iPS細胞=人工多能性幹細胞)の研究を加速させるための特別シンポジウムが25日、京都市内のホテルで開かれた。

 米国などとの競争が激しくなる中、科学技術振興機構が緊急に開いたもので、国内の再生医療研究のリーダーが顔をそろえ、「チームジャパン」によるiPS細胞研究の事実上の旗揚げ式になった。参加者は当初予定の倍の約900人にのぼり、京都大でも同時中継されるなど、熱気にあふれた

○「iPSは学問、医療の新大陸」北沢宏一理事長

 「今回の発見は学問、医療の新大陸が現れたようなもの。これから20年、30年、大きなうねりとなる」。

 開会あいさつに立った科学技術振興機構北沢宏一理事長は興奮気味に語った。


○山中伸弥教授は謙遜しながら、「ヒトiPS」の臨床実現に自信

 山中教授は「過分な評価をいただいているが、ほとんどは私の下のメンバーや学生がやったことと前置きして、研究の経緯を説明。

 「『日本人はマウスを治すのがうまい』と米国人からよく嫌みを言われるので、人のiPS細胞の実現に情熱を燃やした。遺伝子の導入にレトロウイルス以外を使えば、発がんなどのリスクが減り、治療の実用化に近づく」と話した。


○「人類全体の役に立つ知的財産」理研の西川伸一先生

 理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの西川伸一・副センター長は
 「決して戻らないと思っていた発生の過程をさかのぼれることを証明し、全く違う生命科学の世界が広がった人類全体の役に立つ知的財産。アジア、欧州と技術を共有し、優秀な人材を日本に集めて研究者を育てるべきだ
 と提言した。

(略)


○当初400人→850人 京大中継会場に教員、学生らが続々集結

 会場は当初400人の予定だったが、大学や医薬品企業の研究者ら約850人が申し込み、部屋を追加

 主会場には受け付け開始前から列ができた。同時中継が行われた京都大百周年時計台記念館は当日参加もOKになり、大学教員や学生らも続々と集まった


○「日本がこの分野で世界のトップを走りたい」32歳の京大薬学助手

 同大薬学研究科で生物の体内時計の遺伝子を研究している山口賀章(よしあき)助教(32)は「生物科学の研究への社会の関心がかつてないほど高まっており、我々にも励みになる。日本がこの分野で世界のトップを走り続けられるようにしてほしい」と期待を寄せた。


○「私も学びたい」目を輝かす福岡から駆けつけた15歳女性生徒

 京都大のホームページでシンポの開催を知り、福岡市から訪れたのは西南学院高1年、清水真美子さん(15)。「iPS細胞は大勢の若い研究者が何年もかけて実験を積み重ねた成果だということがよくわかった。私もこの分野を学んでみたい」と目を輝かせた


○「国の対応遅く、米国にさらわれるのでは」バイオ会社員(27歳)

 一方、和歌山市から訪れたバイオ関連企業の会社員(27)は「山中教授がマウスでiPS細胞を作った1年前から注目していたが、国の対応は遅い。産業面のメリットをすべてアメリカにさらわれるのでは」と心配そうだった。


 ■iPS細胞とは

 様々な臓器や組織の細胞に変化する能力を持つ。受精卵を壊して作る胚(はい)性幹細胞(ES細胞)と異なり、自分の皮膚などの細胞にいくつかの遺伝子を導入するだけで作れるため、倫理面の問題が少なく、拒絶反応もないとされる。政府は京都大に研究拠点を設けるほか、来年度予算で再生医療研究に22億円を投じるなど、全面的に支援する方針。

2007年12月25日  読売新聞)

 ◇


 山中伸弥京大教授(左)が渡海紀三郎文部科学大臣に直談判したんですが・・・
 たったの22億円じゃあ、米国にすべて持って行かれちゃうかもよ、渡海さん。(写真は時事)

 ◇


「国会傍聴記by下町の太陽・宮崎信行」内の「山中iPS」関連エントリはこちらはクリックするとご覧になれます

「国会傍聴記by下町の太陽・宮崎信行」は山中iPSを応援しています。
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週刊朝日が300選挙区当落予測 福岡政行教授

2007年12月25日 14時38分34秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

 「週刊朝日」新春合併号(350円)のトップ記事は「300選挙区当落予測」。
 シミュレーションは福岡政行・白鴎大学教授。

 福岡先生は下町の太陽(宮崎信行)の早稲田政治学(伝統的なPoliticsではなく、20世紀に米国で発展したPolitical Sciences)の先輩です。

 元データは第21回参院選比例区の選挙区別得票数のようです。

 とはいえ、選挙区ごとの情勢分析は、候補者をよくみた上で、当落マークをつけているようです。

 実際、福岡先生と個人的に関係が深い民主新人にも妥当と思われるマークがついていますから。

 2007年12月時点での情勢分析としてかなり信憑性があるといえるでしょう。

 見出しは「民主倍増VS.自民激減」「小泉チルドレン消滅、公明党の『惨』。
 ※この場合の「小泉チルドレン」とは「八三会全員」ではなく、「いわゆる刺客候補」の意味で使っているようです=選挙区ごとの情勢分析では「◎」が付いている1回生もいます。


 ぶっちゃけ引用します。

【全480議席のゆくえ】

○与党は 自民 206±25 公明 27±4 無所属6±2
 で、239±31

○野党は民主214±30 共産8(+2or-1)、社民7±2 国民6±3 日本1(+2or-1)、大地1、無所属4±1
 で、241(+40or-38)

【そのなかで300小選挙区のゆくえは】

 そして2大政党の最大かつ最終決戦となる小選挙区は
 与党 155±24
 野党 145+31or-29

 となっています。

 もちろん、自民党、民主党とも空白区がありますし、現段階での予想で、選挙結果は大幅に変わる可能性があります。
 選挙は「ふたが閉じるまで分からない」という人がいますが、
第45回総選挙は 「ふたが開くまで分からない一大決戦」になる
 それだけは断定しておきます。

 ○有権者としての結論
 結局、最後はあなたの判断です!

 ○政治評論家としての結論
 結局、これからの地元活動ですべてが決まるということです!

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福田内閣、原油高対策決定 低所得世帯に5千円~1万円の灯油代補助

2007年12月25日 13時54分52秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 政府が25日、原油高など国民生活・中小企業に関する閣僚会議を開き、原油高に関する緊急対策をまとめました。

 このエントリでは、毎日新聞記事を基に、灯油対策についてお伝えします。

○灯油購入補助

 対象=高齢者、母子家庭など、住民税非課税など一定の基準以下の低所得者。

 実施自治体=北海道岩手新潟長野の4道県
          278市町村
          すでに実施を予定。

          寒冷地を中心にさらに拡大が見込まれる。

 支給額・支給方法=1世帯5,000~10,000円程度
              所得に応じて自治体が支給額や支給方法を決める。

 財源のてあて=国と自治体が費用を折半し、補助を行う自治体に特別交付税を交付する。

【毎日新聞】原油高対策:低所得者に灯油代 トラック業者に高速割引も

原油高に関する当ブログ内の一連のエントリはこちらをクリックしてください。

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平成20年度(2008年度)当初予算案を決定 福田内閣

2007年12月25日 12時25分16秒 | 第169通常会(2008年1月~6月)ガソリン国会

 政府は平成20年度(2008年度)の当初予算案を決定しました。
 来年1月18日ごろ召集される第169通常国会で、衆院から議論が始まります。

 ●2008年度(平成20年度)福田当初予算案

 【一般会計】

(歳入)                   (歳出)
税収       53兆5540億円   一般歳出       47兆2845億円
その他収入    4兆1593億円   地方交付税など   15兆6136億円
新規国債発行 25兆3480億円   国債費(償還など)  20兆1632億円

歳入合計     83兆613億円   歳出合計        83兆613億円

【特別会計】

財政投融資計画 13兆8689億円
 

 同時に決定された平成19年度(2007年度)補正予算とあわせた「15ヶ月予算」としてみる必要がありますが、とりあえず便宜上、来年度福田当初予算案として、朝日の記事を紹介します。


 (臨時会最終盤か通常国会冒頭に衆院が解散される可能性があります。その場合は、第45回総選挙後の国会で議論。政権が交代すれば、「組み替え」の可能性があります)。

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選挙対策色濃く 予算案決定、83兆613億円(朝日新聞) - goo ニュース 

 政府は24日、福田政権として初めて編成した08年度予算案を閣議決定した。

 一般会計総額は前年度比0.2%増の83兆613億円。
 
 新規国債のうち赤字国債の発行額は同0.3%減の20兆1360億円と、特別会計などのやりくりを通じて4年連続の削減を確保した。

 参院第1党の民主党を意識した結果、農家への助成拡大など支持層向けの選挙対策も目立つ。

 政府案が提出される年明けの通常国会で与野党の攻防が強まりそうだ。

 一般会計総額は2年連続増え、当初予算では過去2番目の規模だ。

 大きく総額を増やしたのは、少子高齢化に伴う社会保障費の伸び。同3%増の21兆7824億円と過去最大で、政策経費である一般歳出に占める割合は46%に上る。

 公共事業費は同3.1%減の6兆7352億円で、当初ベースでは87年度(6兆824億円)以来の低水準。

 目立つのは、票の獲得につながる利害関係者へのばらまきだ。

 医師の収入に直結する「診療報酬本体部分」を、日本医師会の強い要望で0.38%引き上げ、8年ぶりに増額。

 地方に配分する地方交付税も同1.3%増の15兆4061億円で、3年ぶりに増やした。

 民主党が掲げた農家への1兆円の所得補償に対抗し、07年度補正予算で農家向けの助成金拡大などに799億円を計上。

 高齢者の医療費負担増を野党に批判され、凍結のための1719億円も補正に盛った。

 ばらまきの一方、新規国債発行額は前年度比0.3%減と小幅ながら減る。それでも一般会計総額の30.5%は新たな借金が頼りで、08年度末の長期債務残高は612兆円と過去最高になる。

 辛くも維持した財政再建路線だが、政府内からも疑問の声が上がる。社会保障費の圧縮は、中小企業向けの政府管掌健康保険への国庫支出750億円を、大企業の健康保険組合に肩代わりさせる「奇策」による。舛添厚労相は24日の会見で「限界にきている」と認めた。今後の社会保障と、消費税を含む財源のあり方をどう描くかが問われる。

 国債発行減額のため、交付税特別会計で1.2兆円の借金返済を中止。外国為替資金特会からの繰入額を前年度比20000億円増やした。特会見直しを掲げる民主党は、こうした手法を「小手先の数字合わせ」と批判する。

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