宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

参議院決算委員会で、礒崎哲史さん空港整備特別勘定で、航空機燃料税の自治体配分への考慮を念押し

2015年05月11日 18時19分44秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年5月11日(月)参議院決算委員会】

 平成25年度決算の省庁別審査5日目で、内閣府と国土交通省が議題になりました。

 民主党の磯崎哲史さんは、社会資本整備特別会計のうち、現在も区分経理がつづく「空港整備勘定」(以前の空港整備特別会計)について質問しました。

 一般会計から、空整特会に繰り入れている、「航空機燃料税」について、譲与税として、地方自治体にも配分されているとし、その差配が不透明だとしてきしました。

 総務省の答弁のほかに、会計検査院に対してもチェックしているかどうか確認しました。

 このほか、民主党の江崎孝さんから高速道路を休まず運転する長距離物流トラック運転手の現状について、深夜のパーキングエリアのはみ出し駐車についての現状の紹介と善処をもとめる質問もありました。

 空整特会のついて、私の意見。私が長年問題意識を持っているところで、正直いまさらどうにもならないのですが、未来の利用料を前借りして、景気対策につかってきました。未来の利用料を前借りしたために、日本中に地方空港をつくり、電波誘導施設をつくることになってしまったのです。先日も徳島空港で管制官がいなくて着陸をやり直したり、広島空港で電波誘導施設にぶつかるという重大インシデントが相次ぎました。未来の利用料に手を突っ込んだから、地方空港をたくさんつくり、電波誘導施設をつくることになった。例えば、広島空港がゼロ距離視界ならば、福岡空港や、関西の空港に着陸して、新幹線代を航空会社が負担すればいいだけのことです。このような「特会の借金」からの前借りも、世代間格差につながっていることをよく認識していただきたいと存じます。このような「見えない借金」は、政府債務8兆ドルにも計算されていないのです。以上、この段落は、私の意見でした。

 決算委は、来週月曜日も午後1時から行うこととし、きょうは散会しました。

  

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IRカジノ施設法案が再び提出、細田博之さんら「自維次」3党の珍しい構図、今回は鈴木克昌さんは加わらず

2015年05月11日 17時06分42秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[このエントリーの初投稿日時は2015年5月11日で午後5時で、それからバックデートする予定]

 細田博之さんら、自民党・維新の党・次世代の党の3党衆院議員10名は、連休前最終日となる、平成27年2015年4月28日(火) に

 「IRカジノ施設法案(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)」(議案番号189衆法20号)を提出しました。

 IRカジノ施設法案は、昨年6月18日(水)の衆議院内閣委員会で、趣旨説明と質疑がされました。ただ、この日は、第186回通常国会での同委員会の最終日(2014年6月22日(日)で会期終了)だったので、そのまま継続審査となり、臨時国会の途中で解散になり、廃案となりました。

 今回提出された法案は前回と同文で、施行日は公布の日。

 提出者は「自維次」という極めて珍しい枠組みとなりました。議員立法は、もっとも多いのは全会派が名を連ねる「議員連盟方式」、民主党単独の「対案方式」、全野党による「委員会友情方式」、民維2党による「共産党を除く野党共闘方式」、各野党単独の「公約スローガン方式」、自公による「政府提出がなじまない例えば公選法改正案など方式」があります。

 このうち、大阪市南西の湾岸への誘致をめざす維新の党の松浪健太さんらと、横浜市の東京湾奥側の埠頭への誘致をめざす自民党の細田博之元経済産業大臣ら、そして次世代の党の平沼赳夫初代経済産業大臣の合計10名が連ねました。

 昨年の法案提出者には、当時の生活の党幹事長の鈴木克昌さんが加わっていましたが、第47期衆議院では民主党公認として議席を得ているため、加わりませんでした。

 民主党は党議決定はしていませんが、岡田克也代表は、IRカジノ施設に否定的、少なくとも、アベノミクス第3の矢「成長戦略」にカジノが入っているのは場違いだとの見解を持っています。

 公明党も前回も名を連ねておらず、さらに会期末に内閣委員会関連の法案を乱発するなどして抵抗しました。

 私は個人的には、あくまでも特区としての「IR施設」はあってもよいと思いますが、岡田さんも反対しているようですし、少なくとも「ギャンブル依存症」に関する参考人質疑は聞いてみたいものだと考えております。

 衆参内閣委員会は、マイナンバー法案と女性の活躍推進法案が残っていますが、今まで同委に付託されていた「地方分権一括法案」や特区法改正案が「地方創生特別委員会」に付託されたこともあり、会期内の審議入りは十分可能な状況になっています。

[衆議院ウェブサイトから法案全文引用はじめ]

 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案

目次
 第一章 総則(第一条―第五条)
 第二章 特定複合観光施設区域の整備の推進に関し基本となる事項
  第一節 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本方針(第六条―第十条)
  第二節 カジノ管理委員会の基本的な性格及び任務(第十一条)
  第三節 納付金等(第十二条・第十三条)
 第三章 特定複合観光施設区域整備推進本部(第十四条―第二十三条)
 附則
   第一章 総則
 (目的)
第一条 この法律は、特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部を設置することにより、これを総合的かつ集中的に行うことを目的とする。
 (定義)
第二条 この法律において「特定複合観光施設」とは、カジノ施設(別に法律で定めるところにより第十一条のカジノ管理委員会の許可を受けた民間事業者により特定複合観光施設区域において設置され、及び運営されるものに限る。以下同じ。)及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設であって、民間事業者が設置及び運営をするものをいう。
2 この法律において「特定複合観光施設区域」とは、特定複合観光施設を設置することができる区域として、別に法律で定めるところにより地方公共団体の申請に基づき国の認定を受けた区域をいう。
 (基本理念)
第三条 特定複合観光施設区域の整備の推進は、地域の創意工夫及び民間の活力を生かした国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現し、地域経済の振興に寄与するとともに、適切な国の監視及び管理の下で運営される健全なカジノ施設の収益が社会に還元されることを基本として行われるものとする。
 (国の責務)
第四条 国は、前条の基本理念にのっとり、特定複合観光施設区域の整備を推進する責務を有する。
 (法制上の措置等)
第五条 政府は、次章の規定に基づき、特定複合観光施設区域の整備の推進を行うものとし、このために必要な措置を講ずるものとする。この場合において、必要となる法制上の措置については、この法律の施行後一年以内を目途として講じなければならない。
   第二章 特定複合観光施設区域の整備の推進に関し基本となる事項
    第一節 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本方針
 (国際競争力の高い魅力ある観光地の形成等)
第六条 政府は、特定複合観光施設区域が地域の特性を生かしつつ真に国際競争力の高い魅力ある観光地の形成の中核としての機能を備えたものとなるよう、必要な措置を講ずるものとする。
 (観光産業等の国際競争力の強化及び地域経済の振興)
第七条 政府は、特定複合観光施設区域の整備により我が国の観光産業等の国際競争力の強化及び就業機会の増大その他の地域における経済の活性化が図られるよう、民間の資金、経営能力及び技術的能力の活用その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (地方公共団体の構想の尊重)
第八条 政府は、地方公共団体による特定複合観光施設区域の整備(特定複合観光施設の設置及び運営をする事業者の選定を含む。)に係る構想のうち優れたものを、特定複合観光施設区域の整備の推進に反映するため必要な措置を講ずるものとする。
 (カジノ施設関係者に対する規制)
第九条 カジノ施設の設置及び運営をしようとする者(当該カジノ施設の設置及び運営に係る事業に従事しようとする者を含む。)、カジノ関連機器の製造、輸入又は販売をしようとする者並びにカジノ施設において入場者に対する役務の提供を行おうとする者(以下「カジノ施設関係者」という。)は、別に法律で定めるところにより、第十一条のカジノ管理委員会の行う規制に従わなければならない。
 (カジノ施設の設置及び運営に関する規制)
第十条 政府は、カジノ施設の設置及び運営に関し、カジノ施設における不正行為の防止並びにカジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除を適切に行う観点から、次に掲げる事項について必要な措置を講ずるものとする。
 一 カジノ施設において行われるゲームの公正性の確保のために必要な基準に関する事項
 二 カジノ施設において用いられるチップその他の金銭の代替物の適正な利用に関する事項
 三 カジノ施設関係者及びカジノ施設の入場者から暴力団員その他カジノ施設に対する関与が不適当な者を排除するために必要な規制に関する事項
 四 犯罪の発生の予防及び通報のためのカジノ施設の設置及び運営をする者による監視及び防犯に係る設備、組織その他の体制の整備に関する事項
 五 風俗環境の保持等のために必要な規制に関する事項
 六 広告及び宣伝の規制に関する事項
 七 青少年の保護のために必要な知識の普及その他の青少年の健全育成のために必要な措置に関する事項
 八 カジノ施設の入場者がカジノ施設を利用したことに伴い悪影響を受けることを防止するために必要な措置に関する事項
2 政府は、前項に定めるもののほか、外国人旅客以外の者に係るカジノ施設の利用による悪影響を防止する観点から、カジノ施設に入場することができる者の範囲の設定その他のカジノ施設への入場に関し必要な措置を講ずるものとする。
    第二節 カジノ管理委員会の基本的な性格及び任務
第十一条 カジノ管理委員会は、別に法律で定めるところにより、内閣府に外局として置かれるものとし、カジノ施設の設置及び運営に関する秩序の維持及び安全の確保を図るため、カジノ施設関係者に対する規制を行うものとする。
    第三節 納付金等
 (納付金)
第十二条 国及び地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、カジノ施設の設置及び運営をする者から納付金を徴収することができるものとする。
 (入場料)
第十三条 国及び地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、カジノ施設の入場者から入場料を徴収することができるものとする。
   第三章 特定複合観光施設区域整備推進本部
 (設置)
第十四条 特定複合観光施設区域の整備の推進を総合的かつ集中的に行うため、内閣に、特定複合観光施設区域整備推進本部(以下「本部」という。)を置く。
 (所掌事務等)
第十五条 本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
 一 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する総合調整に関すること。
 二 特定複合観光施設区域の整備の推進を総合的かつ集中的に行うために必要な法律案及び政令案の立案に関すること。
 三 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する関係機関及び関係団体との連絡調整に関すること。
2 本部に係る事項については、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。
 (組織)
第十六条 本部は、特定複合観光施設区域整備推進本部長、特定複合観光施設区域整備推進副本部長及び特定複合観光施設区域整備推進本部員をもって組織する。
 (特定複合観光施設区域整備推進本部長)
第十七条 本部の長は、特定複合観光施設区域整備推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。
2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
 (特定複合観光施設区域整備推進副本部長)
第十八条 本部に、特定複合観光施設区域整備推進副本部長(以下「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。
2 副本部長は、本部長の職務を助ける。
 (特定複合観光施設区域整備推進本部員)
第十九条 本部に、特定複合観光施設区域整備推進本部員(以下「本部員」という。)を置く。
2 本部員は、本部長及び副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てる。
 (資料の提出その他の協力)
第二十条 本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関、地方公共団体、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)の長並びに特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第十五号の規定の適用を受けるものをいう。)の代表者に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。
2 本部は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
 (特定複合観光施設区域整備推進会議)
第二十一条 本部に、特定複合観光施設区域整備推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。
2 推進会議は、学識経験を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する委員二十人以内で組織する。
3 推進会議は、特定複合観光施設区域の整備の推進のために講ぜられる施策に係る重要事項について調査審議し、本部長に意見を述べるものとする。
4 推進会議は、前項の規定により意見を述べたときは、遅滞なく、その内容を公表しなければならない。
5 本部長は、第三項の規定による意見に基づき措置を講じたときは、その旨を推進会議に通知しなければならない。
 (事務局)
第二十二条 本部の事務を処理させるため、本部に、事務局を置く。
2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。
3 事務局長は、本部長の命を受けて、局務を掌理する。
 (政令への委任)
第二十三条 この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。
   附 則
 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三章の規定は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

     理 由
 特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部を設置することにより、これを総合的かつ集中的に行うことが必要である。これが、この法律案を提出する理由である。

[全文引用おわり] 

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宮崎信行の今後の政治日程を更新しましたので、ご活用ください。

2015年05月11日 09時31分55秒 | その他

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