[画像]「防衛装備庁は武器輸出庁だ」と反対討論する日本共産党の赤嶺政賢さん。右は民主党の大串博志さん。2015年5月14日、衆議院安全保障委員会、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
がんばってほしいのですが、大阪市の住民投票、維新の党いわく「大阪都」の住民投票が来週日曜日に迫ってきていますが、こちら東京ではほとんど話題になっていないようです。気候変動・地球温暖化のため、新緑まぶしい5月14日ですが摂氏30度越えということで、複数の大臣事務秘書官がうたたねをしていたようです。とはいえ、後半国会は、あす15日以降、戦後最大の正念場を迎えることになります。
【平成27年2015年5月14日 衆議院安全保障委員会】
防衛装備庁の新設と文官統制の廃止を盛り込んだ、「防衛省設置法改正案」(189閣法33号)が自公維の賛成多数で可決しました。
民主党は採決に先立ち、修正案を提出。小川淳也さんが「文官統制を廃止にする改正条項を削除し、防衛装備庁の「武器輸出の規定」を「開発や生産の職務の適正化の規定」に改める」としました。修正案は民主党のみの賛同で、否決されました。
政府原案に対する討論では、共産党の赤嶺政賢さんが「防衛装備庁ではなく、武器輸出庁の設置だ。やめるべきだ」とし、「昨年4月1日の防衛装備移転3原則と先月の日米ガイドラインにもとづき、世界のどこでも、いつでも、自衛隊がアメリカの戦争に参加することになる」として、防衛装備庁を批判しました。民主党の津村啓介さんは「文官統制を廃止するのではなく、文官と幕僚が互いに意見交換できるようにすべきだ」と、5月の突き抜ける青空のような民主党らしい理念のもと、現実論として政府原案に反対しました。
【同日 衆議院本会議】
午前中に2本の法案が委員会で可決しましたが、2年前の「松野提案」以降、緊急上程はあまりしないので、採決はなく、いきなり、法案の趣旨説明と代表質問があり、散会しました。
政府提出の「農協法・農地法・農業委員会法の改正案」(189閣法71号)と、民主党がきのう提出した「農協法改正案(民主党対案)」(189衆法21号)が同時に議題になりました。
ひな壇には、安倍首相、林農相のほか、向かって右側に、岸本周平さん(ネクスト農相)、玉木雄一郎さん(農水委筆頭理事)が座りました。今国会で、野党議員がひな壇に座ったのは衆参通じて初めて。この法案の提出者は、岸本さん、玉木さん、福島伸享さん、小山展弘さんの4名で、2009年初当選政権交代チルドレンだけとなりました。昨年の通常国会では、農水関係で、連休前に、農家の所得安定をめぐって、政府案と民主党案が同時に議題になり、大串博志さん、鷲尾英一郎さん、玉木さんがひな壇にあがり、委員会では連休を挟んで長時間審議されましたが、TPP交渉の「弾除け」に使われたと当時の海江田万里代表も認めており、民主党対案は否決のうえ、「2017年度の収入保険新設を検討する」というダメ押しのような修正が政府原案に入るという完膚無きまで叩かれて敗れた格好となりました。なので、ことしも農水で、政府原案と民主党対案が同時に審議入りしたのは、粘り強さを感じます。
趣旨説明で、玉木さんは「地域における農業協同組合という位置づけを強めると同時に、地域の限定をとり、例えば、四国全体をカバーするイチゴのための農協をつくれるようにする」と民主党対案の意義を強調しました。
代表質問では、自民党の斎藤健さんが「時代の変革、組織の改革、農業者の意識改革の3つが求められているが、今回は組織の改革の法案だ。農地解放の成果である農協制度の成果を具体化するものだ」と政府原案の意義を強調しました。
【同日 衆議院農林水産委員会】
本会議前に開かれ、「地方農政局を改革する農林水産省設置法改正案」(189閣法24号)が自公民維の賛成多数で可決しました。共産党は反対討論で「統計業務の外部委託化は認められない」としました。私は個人的に、農林水産統計員の人数は多すぎると思うのですが、国家公務員の労働組合の支持を受けている共産党の実情を感じました。
【同日 参議院法務委員会】
「裁判所職員定員法」(189閣法21号)が自公・生活の党と山本太郎となかまたちの賛成で可決しました。反対した共産党は討論で、「市民が裁判を受ける権利を確保するためにも裁判官の増員が必要だ」と述べました。これも上述、衆・農水委と同様に、裁判所職員を含む国家公務員労働組合の支持を受けている共産党ということになると思います。衆安保委の赤嶺さんの討論演説には賛同するところが多かったのですが、共産党という最も歴史が長く組織がある政党の理想と現実をみた思いがしました。なお、衆院では階猛さんが強い口調で反対討論をしましたが、民主党は参院では討論せずに反対しました。
【同日 参議院総務委員会】
「電気通信事業法改正案」(189閣法66号)が自公民の賛成多数で可決しました。
【同日 参議院外交防衛委員会】
「日本モンゴル経済連携協定」(189条約1号)、「WTO協定改定議定書」(189条約2号)が自公民維の賛成多数で承認。
「ASEANプラス3マクロ経済調査事務局設立協定」(189条約3号)と「2007年国際コーヒー協定」(189条約7号)が全会一致で承認されました。
【同日 参議院経済産業委員会】
「商工中金完全民営化先送り法案」(189閣法17号)の質疑終局が吉川沙織委員長から宣言されました。採決は後日。
【同日 参議院国土交通委員会】
「地域公共交通の官民ファンド法案」(189閣法19号)が趣旨説明されました。
【同日 参議院厚生労働委員会】
「健康保険法改正案」(189閣法28号)の審査が趣旨説明され、そのまま法案審査されました。
【同日 参議院内閣委員会】
一般質疑が行われました。
生活の党と山本太郎となかまたちの、山本太郎代表が熱を入れて質問していると、持ち時間をややオーバーしたようですが、大島九州男委員長が「有村大臣、簡潔にお答えください」との表現で、質問をまとめてもらったように思えました。熱が入る山本代表、ていねいに答弁する有村大臣、大岡裁きの大島委員長、まさに良識の府を体現する政治家に感じました。
【同日 参議院財政金融委員会】
一般質疑が行われました。
以上
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015
[お知らせ、その1]
宮崎信行の公式ホームページを公開しました。一度見てみてください。
ツイキャスラジオ始めました。いろいろおしゃべりしています。
[お知らせ、その2]
この無料ブログ(goo)のほかに、有料版の宮崎信行の今後の政治日程(有料版)(レジまぐ)を発行しています。
購読料は、月864円(税込)となります。購読方法は「レジまぐ」(メディア・インデックス社)まで。
[おしらせ、その3]
「国会傍聴取材支援基金」を設けています。日本唯一の国会傍聴ブログの継続にご協力ください。半年に1回、会計報告もしております。
「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い
どうぞよろしくお願いします。
[おしらせ、その4]
このブログは次の下のウェブサイトを活用して、エントリー(記事)を作成しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)
衆議院議案(衆議院ウェブサイト)
今国会情報(参議院ウェブサイト)
各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)
予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)
民主党ニュース(民主党ウェブサイト)
goo 政治ニュース
インターネット版官報
[お知らせおわり]