ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

首相の訪米報告で公明党「日米の行き違い再確認を」要求、防衛装備庁衆通過、条約両院承認[追記有]

2015年05月15日 18時53分39秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 安保法制の「やばさ」が街に広がってきたようです。

 その一方、私はきょう、霞が関を一人で歩く、横畠裕介内閣法制局長官ののんきさを垣間見て、一人一人が他人の様子を見ないで発言することが大事だと感じました。横畠さんはもう2年ぐらい、安保法制やってますから、提出し終えて、やれやれという感じでしょう。国会審議で、横畠先生の国士ぶりをみたい。しかし、一人ひとりが家族で考えて発言しないといけません。かなり複雑ですが、まずは、「PKO」と「それ以外」を分けて考えると理解しやすいでしょう。

【平成27年2015年5月15日(金)衆議院本会議】

 「防衛装備庁を設ける防衛省設置法改正案」(189閣法33号)と
 「地方農政局に輸出コンサルタントを置く農林水産省設置法改正案」(189閣法24号)

 が賛成多数で可決し、参議院に送られました。

 この後、安倍晋三首相の米国公式訪問報告がされました。

 これに対する代表質問で、公明党の岡本三成さんは、首相の日米ガイドライン・米議会演説の直後に訪米したとして、「お互いの期待が違う点があるようなので、総理にもう一度日米で内容を確認してほしい」と語り、日米間で齟齬があることを、与党ながら指摘しました。

 この後、

 「株式会社海外通信・放送・郵便事業法改正案」(189閣法27号)と「郵便法および親書法改正案」(189閣法62号)の趣旨説明と代表質問がありました。

 民主党の武正公一さんは「安全保障の議論は専門用語が飛び交うので国民の理解に時間がかかる」と語り、日本の放送の活躍に期待したうえで、「他の海外展開の官民ファンドとの整理が必要ではないか」と述べました。

【同日 参議院本会議】

 永年在職議員として前田武志先生が表彰されました。別エントリー記事にまとめましたが、あらためまして、前田先生おめでとうございます!

 「日本モンゴル経済連携協定」(189条約1号)、
 「WTO協定改正議定書(189条約2号)、

 がおのおの賛成多数で、

 「AMRO(ASEANプラス3マクロ経済調査事務局)設立協定」(189条約3号)
 「2007年国際コーヒー協定」(189条約7号)
  が全会一致で、

 両院承認されました。今国会の条約両院承認はこれが初めて。

 「改正裁判所職員定員法」(189閣法21号)は、民共が反対。投票総数235、賛成164、反対71で可決し、成立しました。

 「改正電気通信事業法」(189閣法66号)は、投票総数236、賛成225、反対11で可決し、成立しました。

 これに先立ち、「オリンピック大臣を専任化する東京五輪特措法改正案」(189閣法15号)と「2019年ラグビーワールドカップ特措法改正案」(189閣法16号)の趣旨説明と代表質問が行われ、参議院で審議入りしました。

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 安保法制の陰に隠れないか懸念される、労働法制「労働者派遣法改正案」(189閣法43号)は与党の法案審査の後、野党が一般質疑をしました。民主党議員が、「政府の誤った資料にもとづく維新の党の予算委質疑」を糾弾する、助太刀をしました。

【同日 衆議院国土交通委員会】

 JR九州株を売却するJR会社法改正案(189閣法25号)が自公民維の賛成多数で可決しました。共産党は「安全を二の次にした合理化計画を立てている」と反対しました。成立した場合は、来年2016年度に売却される見通し。

【同日 衆議院財務金融委員会】

 「金商法(金融商品取引法)改正案」(189閣法56号)が全会一致で可決しました。ごろつきファンドを懲らしめる細かい改正のようです。

【同日 衆議院文部科学委員会】

 「独立行政法人学位授与機構法改正案」(189閣法39号)。

 維新の党の初鹿明博さんが修正案を提出し、採決したところ、維新だけの賛成少数で否決。初鹿さんは何をしたかったんでしょうか。この後、政府原案が採決され、共反対、自公民維の賛成多数で可決しました。参院先議のため、次の本会議で可決し、成立へ。

【同日 衆議院外務委員会】

 一般質疑の後、「特許法条約の承認を求める件」(189条約5号)、「商標法に関するシンガポール条約の承認を求める件」(189条約6号)が趣旨説明されました。

【同日 衆議院内閣委員会】

 「マイナンバー法改正案」(189閣法34号)が法案審査されました。この中で、日本共産党の池内沙織さんが「マイナンバーの導入で税務署職員が減るのではないか」と指摘。共産党の躍進により、国家公務員の事務職の労働組合の声が強くなっていることを垣間見ることが今週は多かったです。

【同日 衆議院法務委員会】

 「裁判員法改正案」(189閣法41号)が審査されました。山尾志桜里・筆頭理事は「2度にわたる参考人質疑を議事録を読みましたか」と問うと、上川陽子法相が「インターネットで見ていました」と応じる、息詰まる熱戦が展開されました。

[追記 2015年5月19日午後5時半]

委員会では共産党の修正案が否決され、自公民維提出の修正案が全会一致(共含む)で採用され、政府原案が自公民維の賛成(共反対)で可決していました。 

[追記終わり]

【同日 衆議院環境委員会】

 「水銀による環境汚染の防止法案」(189閣法36号)と、
 「大気汚染防止法改正案」(189閣法37号)が審査されました。

【同日 衆議院地方創生に関する特別委員会】

 「第5次地方分権一括法案」(189閣法51号)
 「地域再生法改正案」(189閣法53号)
 「特区法改正案」(189閣法65号)が審査されました。 

【同日 衆議院経済産業委員会】

 「電力システム改革プログラム第3弾の電気事業法・ガス事業法改正案」(189閣法29号)で、重要広範議案採決の前提となる総理入り質疑が行われました。しかし、きょうの採決はなく、宮澤大臣への野党質疑の後、散会しました。

以上
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

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岡田克也代表、民主党衆議院総支部長「あまり時間をかけずに、どんどん決める」玄葉光一郎選対委員長に指示

2015年05月15日 18時18分52秒 | 第48回衆院選(2017年10月10日公示)

[写真]定例記者会見する、民主党の岡田克也代表、衆議院内民主党控室、2015年5月15日、筆者(宮崎信行)撮影。

 民主党代表の岡田克也さんは、平成27年2015年5月15日(金)、衆議院内民主党控室で定例記者会見をしました。

 第48回衆院選(平成30年2018年末までに施行)の公認候補となる、民主党総支部長のうち、前回惜敗(ほとんどが元職)した「暫定総支部長」の任期が今月末で切れることについて、

 「できる方はどんどん総支部長にしていく」

 と語り、玄葉光一郎選挙対策委員長に、公認内定となる総支部長を「個別にヒアリングしたり、状況を精査したりして、あまり時間をかけずに決めていく」よう明確に指示したことを明らかにしました。

 岡田さんは「前回は全体の作業が遅れた」との認識を示しました。これは、海江田万里代表の下の選挙対策委員長が、自らの代表選立候補への布石として、前・元衆議院議員の公認作業を、人によって恣意的に早めたり、遅らせたりしたのではないか、との批判が党内にあることを意識したものです。

 岡田さん第48回衆院選の体制づくりで、10年前と同じく、「岡田代表―玄葉選対委員長コンビ」を結成。玄葉さんは「岡田内閣の官房長官コース」で、玄葉さんが代表選に出ることは100%ないので、政権再交代に向けたベスト、ベターの布陣をしきます。

 岡田さんは、第18回統一自治体選挙(先月12日・26日投開票)の結果も踏まえ、「人によってタイミングのずれはあると思う。問題なく総支部長を再任する人と、課題を克服してもらう人などいろいろな方もいる」としました。

 岡田さんは、前回衆院選(12月14日投開票)の惜敗者は、全員暫定総支部長にしているものの、本人が辞退したケースがあることも明らかにしました。

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おめでとう前田武志先生 衆議院14年、参議院11年の25年で栄えある永年在職表彰

2015年05月15日 10時27分25秒 | 素晴らしき新生党保存会

[画像]永年在職表彰の祝辞を述べる、前田武志先生、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

おめでとうございます!

 新生党結党メンバーで、民主党で企業団体委員会の礎を築いた、前田武志(まえだ・たけし)先生を、参議院(山崎正昭議長)は、平成27年2015年5月15日(土)、永年在職表彰(衆議院14年、参議院11年=25年)しました。

 
[画像]参議院議長の祝辞を聞く、前田武志先生。

 お祝いは、自民党参議院議員会長の溝手顕正さんが述べ、

 「昭和61年衆議院初当選後4回連続当選、その後、平成16年に参議院に転じ当選2回」「心から祝意を表します」と演説しました。

 前田先生は演説で、

 「昭和61年に初当選し、米ソ冷戦が崩壊する歴史の流れのなか、政治改革が大きな議題となり、そのうねりに身を投じました。平成5年6月、政治の師匠である田村元先生の諌めを押し切り、羽田孜先生と身を同じくしました」と語りました。

 「昭和12年、男親は戦争に行くのは当たり前だという時代に、都市の景観が変わる大阪大空襲を目の当たりにし、妻は神戸大空襲で身内から犠牲者がでるなか、生き延び、きょう栄えあるこの場に立たせていただきました」


[画像]前田武志先生の奥様(前列左)

 「私は南ベトナム政府大使館の一等書記官として、日本政府に法人救出のすべがないため、民間機での早めの脱出を呼びかけ、妻は4人の子供とともに先に脱出し、私は民間機の最後の便で、香港に脱出しました。国家という装置が崩壊していく歴史の転換点を見たことが、政治に身を投じることを決意しました」と語りました。

そして、国土交通大臣就任直後に、故郷・奈良県十津川村で、豪雨・土砂ダム災害が起きためぐりあわせをかたり、引き続き、参議院議員として全力をつくす構えを見せました。

 おめでとうございます。

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