ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

平成25年度決算で、国有財産増減額計算書に誤り 再発を財務相が陳謝、国会に正誤表提出済み

2015年05月25日 16時30分42秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年5月25日(月)参議院決算委員会】

 平成25年度決算の審査は、「準総括質疑」まで来ました。

 与党・公明党の杉久武さんの質疑に対して、「バランスシートの前年同期比」にあたる、平成25年度国有財産増減額および現在額計算書」にミスがあり、訂正のための、正誤表を先々週金曜日の15日に提出していたことが分かりました。

 財務省理財局長は同計算書のある項目で、7367万円が7362万円になっていた部分があったとしました。麻生財務相は「件数に間違いがあった」としました。会計検査院長の答弁では、財務省が会計検査院に提出したものには誤りがなかったとしました。理財局長は、「国会に提出する前に財務省で体裁を整え、国立印刷局に送った」とし、この過程で誤りがあったようです。

 麻生財務相は「まことに申し訳なく、今後は担当者以外の職員も関与させ、再発防止に万全を尽くしたい」と語りました。

 国有財産増減および現在額総計算書は、2年前にもミスが見つかり、麻生財務相が全省庁に対して過去にさかのぼって計算しなおすよう命じました。内閣府のコンピューターシステムで、入札予定価格と実際の落札価格が違ったことにより、ミスだったとされています。このため、参議院決算委員会が長期間中断し、「平成23・24年度決算」として、2年分を1年間で審査することになりました。

 今回は、財務省内の不手際とみられます。また、財務省が検査院に送ったものと、その後に財務省が国会に提出したものが違うということです。執行省庁と財務省と会計検査院は、予算(概算要求含む)や決算をコンピューターシステムでやりとりできるように数年前からなっているはずですが、どのような不都合があったのでしょうか。 

 ◇

 同委員会では、厚労副大臣の答弁を、後から答弁に立った官僚が「さきほどの副大臣の答弁を訂正します」と訂正する珍しい場面がありました。また、岸田外相が安倍首相の発言の真意を問われ、感想を述べたうえで、「首相の発言録が手元にないので分からない」と答弁する場面もありました。

【同日 衆議院決算行政監視委員会】

 「平成25年度予備費使用調書」が議題になりました。

 予備費は閣議決定で歳出し、国会が承認します。

 維新の党の青柳陽一郎さんは、年度途中に発足した、国家安全保障局事務局(NSC)に11億円が支出されたことについて、「少ないのではないか」という立場から質疑しました。

 討論では、共産党が「一般会計予備費からNSCに11億円が支出されている」ことを問題視し、反対。特別会計予算書は「農業共済特会が含まれている」と評価し、賛成しました。

 このため採決では、一般会計予備費が、民共の反対、自公維の賛成多数で承認。特別会計予備費は民反対、自公維共賛成という極めて珍しい賛否により承認されました。次の本会議で議決し、参議院に送られる見通し。

 決算は衆参とも独自に審査し承認するのに、予備費使用調書は衆議院先議であることは、国会の七不思議のひとつとされ、由来は分からないようです。 

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