維新の党の松野頼久新代表は、平成27年2015年5月24日(日)、地元の熊本市で記者会見し、年末までの、野党勢力の結集に意欲を示しました。
報道によると、松野さんは次のように語りました。
「できれば年内にと思っている。いろいろな再編の形はあるが、民主党だけでなく、そのほかの政党を含めた幅広い結集ができればよいと思っている。国民から『野党が必要だ』と言ってもらえるような状況にしていくのが、われわれの仕事だ」
「過去の選挙結果をみると、衆議院で100人以上いれば1回の選挙で政権交代が可能になる。野党再編で政権交代を目指すという党の基本方針を巡って党内に温度差はないと思う」
松野さんのいう「勢力」は、会派だったり、政党だったり、両方の意味合いと考えられます。
年末というのは、臨時国会を終え、来年7月の第24回参院選に向けて、組織基盤の強化が12月31日までということになるとの日程感だと思われます。維新の党が、いわゆる大阪都構想の住民投票でコマーシャルにどれほど使ったのかも、動きの底流になるかもしれません。岡田さん、松野さんは持続可能な政党・政治団体づくりにこれまでも個人的な実績をあげてきています。
当ブログの調べでは、仮に昨年12月の第47回衆院選で、民主党、維新の党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたち、野党系無所属が小選挙区で一人に完全に一本化していた場合、自民党は270議席程度(現在は290議席)にとどまり、野党4党は140議席(現在は117議席)程度をとっていた可能性があります。ということは、まず完全に一本化し、自民党が1位になった小選挙区のうち、30区程度が野党系に移れば政権交代が可能になります。
今後、比例復活を含めて複数の現職国会議員がいる選挙区での調整がカギになります。
そもそも、第47回衆院選で、民主党と維新の党がバッティングした小選挙区はほとんどありません。
愛知12区の重徳和彦、中根康浩両衆議院議員、大阪10区の辻元清美、松浪健太両衆議院議員、大阪11区の平野博文、伊東信久両衆議院議員の3つの選挙区で、どちらかが国替えや比例転出を求められることになり、自治体議員も含めた当事者が合意することは容易ではありません。
このほか、北海道3区、群馬1区、千葉9区、新潟2区、長野3区、大阪19区で現職議員を含めた野党調整が必要になります。
さらに、長野2区、大阪8区、大阪12区、兵庫3区、兵庫7区、愛媛2区、長崎4区、鹿児島1区では、元職や新人ら野党総支部長の調整が整えば、 統一候補の当選が有力になります。
このように、調整が必要なの15選挙区ほどになってきます。
民主党規約では衆議院統一会派には、両院議員の承認(基本的には全会一致)が必要なので、中根さん、平野さんへの配慮が不可欠。
一方、参議院では、民主党の議席が大きく上回っており、全国比例での調整はまったく不要。選挙区に関しても維新の党の新人が意欲を示さない限りは調整はまず不要です。
ただ、参議院民主党で、衆議院社民党と支持組織が重なる議員は、本人のみならず支持組織を含めて、否定的になるかも。参議院社民党で来夏改選の全国比例選出、福島みずほ、吉田忠智両参議院議員の再選戦術もカギとなりそうです。
いずれにせよ、第189通常国会の安保法制、労働法制の野党共闘ができるかどうかがカギになります。
以上