【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

参の東日本大震災復興、文科両委で閉会中審査「平和安全法制は違憲だと言った教師は処罰されるのか?」

2015年12月11日 15時30分33秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年12月11日(金)参議院文教科学委員会】

 閉会中審査がありました。

 自民党の二之湯武史さんは「(10月7日の)馳大臣就任後初めての委員会だが、(10月1日の)スポーツ庁設置後初めての委員会でもある」としてスポーツビジネスの質問。馳文科相は冒頭の答弁で「まず、私も以前、参・文科委に所属していましたが、こういった形で参加させていただくことになり、よろしくお願いします」としました。森山農相は参・農水委から衆院に院替え、馳文科相は参・文科委から衆院に院替えして、大臣ということになりました。ともに予算の多い省ですから、族議員をおさえる役割を期待したいです。

 民主党の斎藤嘉隆さんは「大臣の所信を聞いていないので、考えが分からない」と牽制しました。

 衆と同様に、超党派で、財務省の方針に対して、文部科学省の立場からたたかうようにうながす雰囲気がありました。齋藤さんは「(教職員定数の)加配について、(財務省の)審議会は、予算措置には科学的エビデンスが必要だ、としているが、科学的エビデンスとは何か?」と質問。財務省の新政務官は、「科学的エビデンスとは相関性を示してほしいことだ」とけむに巻きました。

 寺田典城さんが「平和安全法制は違憲だと言った教師は処罰されるのか?」と質問すると、馳文科相は「仮定の質問には答えられない」。寺田さんは「またやります」と予告しました。どうやら「平和安全法制は明確に合憲だ」と、馳さんも思っていないということなんでしょう。

【同日 参議院東日本大震災及び原子力問題特別委員会】

 東日本大震災復興の総合的な施策に絞って質疑がありました。

 冒頭の増子輝彦さん(福島選挙区、来夏改選定数1で民主党公認内定)は「臨時国会を開くべきだし、高木復興大臣の資質について、被災地との信頼関係も含めて疑念が生じている」と釘をさしました。高木大臣は「まず、復興大臣に就任した高木毅です。私のことでお騒がせしていることをお詫びし、これからも説明を尽くしてまいります」と語りました。

 この後、高木復興相、石井国交相、林経産相の3人が増子さんに答弁。第一委員会室開催の「総合的な施策」らしい質疑になりました。

 2009年民主党初当選の政権交代チルドレンで、現在は団体の支持を得て、参議院議員となっている山口和之さんは「私は福島県に住んでいるので、福島県について聞きます」と質問。

 議員と政務三役の間で、「新幹線や福島駅でちょくちょくお会いしますけど」というやりとりがたびたびありました。来年から地方自治体も一部負担することになる復興予算ですが、できる限り「復興族」という雰囲気にはならないようにしてもらいたいところです。被災地以外選出の大臣が2代続いていることに、安倍首相の考えがなにかあるのでしょうか。

 被災地以外では、東徹さん(大阪府選挙区)が登場。「岡山大学の津田敏秀教授が福島の子供たちに甲状腺がんが多発していると論文で指摘している」とすると、環境省の政府参考人は、いくつかの意見があり、政府として認めていないとしながら、東さんの「ならば風評被害として対策すべきではないか」との問いには、「考えていない」と答弁しました。私見としては、甲状腺がんは増えるでしょう。ただ、何か注目を浴びる論文を書く学者がいるかもしれません。私は津田教授の名前は初めて聞きました。いずれにせよ、情報公開を徹底することでしか、環境省は信頼を得られないと心すべし。

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○民主・維新・無所属クラブ結成、衆議院20%の議席占有率 第190回通常国会

2015年12月11日 12時29分17秒 | 第190回通常国会(2016年前半)


 民主党の岡田克也代表と維新の党の松野頼久代表は、平成27年2015年12月11日(金)、「民主・維新・無所属クラブ」を結成しました。

 来月4日召集の第190回通常国会の衆議院で、議席占有率20%(四捨五入)となり、巨大与党と対峙します。

 岡田代表、松野代表、民主党の枝野幸男幹事長、維新の党の今井雅人幹事長の4人はそろって記者会見。

 「政権交代可能な勢力の結集をはかる」とし、衆議院では部門会議もともに行うことを明らかにしました。

 岡田代表は、今後他の野党にも声をかけるとしました。

 松野代表は、参議院でも統一会派が結成されるとしました。


[画像]署名する両代表、民主党YouTubeサイトからスクリーンショット。


[画像]宮崎信行作成、日本共産党、社民党、生活の党と山本太郎と仲間たちは別々の会派ですが、友好政党として一つにまとめました。

 民主党・維新の党両代表共同記者会見の内容は次の通り。

■冒頭発言

○統一会派を結成

【岡田克也民主党代表】
 今、松野代表とともに合意文書にサインいたしました。内容は、お配りしたとおりですが、
 1.両党間で協議を重ねてきた「基本的政策合意」を共有する。
 2.次期通常国会で統一会派を結成する。
 3.政権交代可能な政治を実現するために、両党の結集も視野に、地方組織も含めさらに信頼関係を高める。
 4.政策・理念を共有する幅広い野党勢力の協力・結集を目指し、各党、各会派等に呼び掛ける。
 この4点を確認いたしました。今後、この合意に基づいて両党間しっかり、ともに頑張っていきたいと考えております。

【松野頼久維新の党代表】
 今日こういう形で、野党第1党・第2党である我々と民主党が国会の中で共闘することを確認して、来年の通常国会では今の「一強」と言われている自民党に対してしっかりチェック機能を果たしていく、こういう思いで合意をさせていただきました。

【岡田代表】
 この文書以外に、まず統一会派名ですが、「民主・維新・無所属クラブ」。これは衆議院での会派名です。
 それから今後の運営に当たって、両党の代表・幹事長から成る協議会を設ける。
 そのもとに、政策面では政策調整会議。両党の政策責任者等から構成されます。部門会議などはもう合同でと思っていますが、政策決定は各党ごとになりますので、調整が必要な場合には調整会議で検討する。
 国会のほうは、速やかに人事など行いたいと思いますが、会派が一つですので、一体運営ということになります。
 そして選挙についても、幹事長・選対委員長から成る調整会議を設けて、参議院選挙・衆議院選挙についての調整を行う。
詳細は各党持ち帰って、それぞれの機関に諮って決定したいと考えております。会派というのは国会の中で一体的にやるということですが、同時に選挙とか、あるいはもちろん国会で一体的にやるためには政策、法案の賛否などは揃えていかなければなりませんので、政策の調整も一体的にやることになります。
 両党が、1+1が3にも4にもなる、そういうパワーを発揮して、安倍自民党・安倍政権の暴走をしっかりチェックする、抑える。そして対案を出していく。そういう運営をしていきたいと考えています。

■質疑

○統一会派の結成について

【朝日新聞・高橋記者】
 統一会派を結成して、来年早々にも召集されるといわれる通常国会、どう存在感を示していくかが課題だと思う。現時点でどのような点を追及して、安倍政権と対峙していこうとお考えか。両代表に伺いたい。

【岡田代表】
 統一会派を組んだわけですので、各党バラバラではなくて、そういうことも含めてこの年末しっかり協議しなければいけないと思います。
 まずは予算委員会です。メンバーを確定して、そしてその中で論点を整理して、しっかりとした議論ができるようにしていきたいと考えています。

【松野代表】
 我々は去年の衆議院選挙で「身を切る改革」ということで850万票の得票をいただきました。これは民主党さんと違いはないと思いますが、徹底的な税金の無駄遣いを追及する。再来年には消費税増税を控えているわけですから、国民の皆さんにしっかり政治や行政が、特に予算委員会では行政に対する税金の無駄遣いをしっかりチェックをしていくことをやっていきたいと思います。

【岡田代表】
 安保法制、憲法問題ですね。これは引き続きしっかりやっていかなければなりません。
 それに加えて、例えば補正(予算)における1人3万円のバラマキ。これは象徴ですが、選挙(対策)もあるのでしょうが、全体に財政規律がなくなり、私に言わせれば財政健全化をもう放棄してしまったと。そういう中でバラマキをしている。それから消費税についても、いろいろな前提が満たされないまま、軽減税率で1兆円とか、そういった、これまたバラマキをしている。そういうこともしっかりと議論していかなければならないと思います。

【NHK・花岡記者】
 参議院の統一会派については、今後どのような方針で協議されていくのか、両代表に伺いたい。

【幹事長】
 参議院に関しては、わが党は統一会派を組むことには異論はないが、その時期とかやり方についてはハウスで少し相談させてもらいたいということなので、そこは認めました。
 ですから参議院がどういう話し合いに今後なっていくかわかりませんが、ただ、統一会派を組むということに関しては確認できていますので、時期は、ハウスの事情もあるでしょうからまだわかりませんが、そう遠くない将来だと思っています。

【岡田代表】
 特に加えることはありません。

【毎日新聞・影山記者】
 統一会派の結成、これは議運への届け出になると思うが、年内、いつくらいに正式結成とお考えか。

【岡田代表】
 まだ決めていませんが、参議院の状況を見つつ、というふうに思っています。衆議院はいつでも出せる状況です。

【松野代表】
 少なくとも1月4日、(通常国会)冒頭にはきちっと衆議院のほうは組めているということが、これは絶対条件ですから。年内には出すことは間違いありません。

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平成28年度税制改正法案は、消費税の軽減税率と、法人税の引き下げ 2016年通常国会でこのまま成立

2015年12月11日 07時43分40秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 自民党政務調査会税制調査会(自民党税調)、与党税制協議会(与党税協)および自民党内閣は、まもなく「平成28年度税制改正大綱」を決定します。

 これをもとに、「平成28年度税制改正(国税)法案」(190閣法 号)と、「平成28年度税制改正(地方税)法案」(190閣法 号)が作成され、第190回通常国会の衆参の財金・総務両委員会で審査され、原案通り、来年3月31日(木)までに成立し、4月1日(金)から順次改正条項が施行されます。

 ですから、この決定が99%以上の確率で、3月31日までに法律として成立します。

[追記 2016年3月28日夜]

 税制改正法は、あす3月29日(火)午後4時以降の参議院本会議で採決され、可決・成立の見通し。

[追記終わり]

 私はこのような自民党税制には全く反対であり、民主政治を破壊する行為だと強くなじります。おととしは、決定の朝9時5分に、野田毅・自民党税調会長の衆議院議員としての事務所に電話し、「揮発油税などの道路特定財源化を盛り込む自民党税制改正大綱は反対だ」と伝え、ちょっとだけ怖いことを言ったら、夕方の決定では外れました。みなさんも、自民党政権時には、11月下旬から12月上旬にかけて、徹底的に自民党と公明党の国会議員を締め上げてください。

 平成28年度税制改正法案で、消費税法改正条項と、法人税法改正条項、地方税法改正条項でかなりまとまってきたものがあります。

 まず、法人税法改正条項では、法人税率(実効税率)が平成28年度は29・97%、平成29年度は29・97%、平成30年度は29・74%となるプログラム条項が入ります。民主党政権では39・54%で、峰崎直樹財務副大臣がG20で国際的税率上げを提案し、拍手喝采を受けたことがあります。自民党税制は、実に10ポイントの下げとなります。世界的にも低い水準となります。なお、一部エコノミストが日本への投資が高まるとしていますが、円安・国債利率上昇の方がはるかに投資は高まるでしょう。

 法人事業税(県税)では、均等割が8分の3から8分の5に引き上げられ、赤字企業(欠損企業)への外形標準課税が進みます。繰越欠損金控除は縮小。これは会計学上は理論的におかしいのですが、世界的には縮小の方向でしょう。また、リーマンショックから7年経って大企業の繰欠は激減したと考えられます。「納得」の税制とは縁通り理論的根拠が薄弱だった、地方法人特別税は廃止されます。

 消費税では、平成24年度社会保障と税の一体改革法の附則にもとづく軽減税率(複数税率)が導入されます。生鮮食品と加工食品の税率が8%に据え置かれたまま、全体の税率を10%にします。今後、事務が煩雑になりますので、自民党・公明党への不満が選挙で噴出しそうです。

 このほか、当ブログで既報の通り、日本と台湾の間での配当金などの送金を軽減する日台租税取り決めが、条約の承認案件として国会に出せない技術上の理由から、国税改正法案に盛り込まれる見通し。 また、農地の集約を進めるため、耕作放棄地を増税し、農地バンク貸し出し土地を減税する、固定資産税法改正条項が地方税法改正法案に盛り込まれる見通しです。

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ねじれ解消の日本の国会の信頼度は31%に回復、ねじれの米国連邦議会は27% ギャラップ・読売調査

2015年12月11日 07時34分00秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして

 きょうの読売新聞で、2015年11月中下旬に日米おのおの1000人超に実施した世論調査の結果が報じられました。

 ここで国会の支持率が大幅に上昇し、30%台を回復しました。

 日米共同世論調査は、2001年11月以降毎年行われています。アメリカでは世界初の世論調査会社である「ギャラップ」、日本では読売新聞社が実施。ともに、1000人超にRDD(ランダム・ディジット・ダイアリング)

 2001年、2006年、2011年の調査をG-SERCHで出してみました。

 2001年調査は、「信頼できる組織、公共機関をいくつでもあげてください」で、
 「首相」が31%、「国会」が10%、「中央省庁」8%で、「とくにない」が25%でした。

 この年は調査順が後ろなので疲れたのかもしれませんが、「とくにない」のしらけ世代を感じました。中央省庁の低さは、1998年のノーパンしゃぶしゃぶ事件(大蔵省・日銀接待事件)の影響もありそうです。

 2006年調査では、「首相」が53%、「国会」が30%となりました。

 その後、当ブログが始まった後、

 2011年調査では、「首相」が29%、「国会」が17%。大震災での民主党政権の未熟さと、衆参ねじれによる参議院自民党のえげつなさが影響したように感じます。

 そして、2015年調査では、「首相」が44%、「国会」が31%に回復しました。安倍首相の安定政権と、衆参ねじれ解消後の岡田民主党の責任野党路線がともに評価されているようです。

 日本国内では、2015年、自衛隊の74%が最も多く、大企業の27%が最も低くなっています。

 日米比較では、2015年、首相の44%に対して、大統領が43%。国会の31%に対して連邦議会が27%。中央省庁の31%に対して連邦省庁が41%となりました。ギャラップの調査では、連邦議会はいつも低く、とくに上院、下院を分けた調査では、下院が圧倒的に低い傾向があります。今回の調査は「連邦議会」ですが、ねじれ国会(The DIvided Government)のもと、ベイナー下院議長が同国憲政史上初めて、議長のみならず議員まで辞める事態になった直後の調査。もともと米国では連邦議会、とくに下院議員は利益優先で軽蔑される傾向があります。このほか、ギャラップの調査ではいつも通り、軍隊が92%と断トツ。日米ともテレビは低下傾向。寺・神社・教会の46%に対して教会は74%。ただ、日本でも宗教施設・組織への信頼度はかなり高まっています。また、日本では学校、病院が低下傾向なのに、米国では上昇傾向です。これは、予算や利用料を含めた日本の財政難が影響しているのかもしれません。日本では地方自治体の信頼度が上がり続けており、扶助費など社会保障関係の政策が身近になっていることが浮き彫りになっているのかもしれません。

 毎年のデータを掲げると、もう少し見えることもありかもしれませんが、ここで引用したものは無料で公開されているものではありませんので、2001年、2006年、2011年、2015年(けさの読売)の4年分のみの簡単な紹介ということで、ご理解ください。

 いずれにせよ、ねじれ解消の国会の支持率は31%に回復し、中央省庁の31%と同様、労働組合の33%、大企業が27%となり、大企業が最も信頼度が低いことになります。

 私に言わせれば、多様な意見を与野党、衆参が反映させ、時間もかかる議会の信頼度が低いのは当然に思えます。ただ、日本の国会が30%台を回復したのは朗報だし、中央省庁とまったく同率、大企業よりも信頼度が高いのですから、最大野党・岡田民主党はもっと自信を持って、来月4日からの第190回通常国会にのぞんでほしいと考えます。

 付け加えると、日本は固定電話のみですが、ギャラップは固定電話、携帯電話双方での、RDD(ランダム・ディジット・ダイアリング)のようです。それと、ギャラップが継続している、「国会」支持率も日本で継続的にやることを願いたいところです。

[以下は、G―SERCHから、読売新聞の過去の記事を、コピペしました。内容を変えない範囲内で、抜粋して、冒頭のタイトルのみ筆者が付け加えました。2015年11月調査は、筆者が読売新聞を見て、手で入力しました]
 
2001年11月の調査=日本は昭和56年1981年以降生まれ

◇質問と回答(数字は%)

《日本》《アメリカ》次に読みあげる国内の組織や公共機関などの中で、とくに信頼しているものがあれば、いくつでも選んで下さい。

      日本            米国

・首相      31.5   ・大統領   86.7

・国会      10.5   ・連邦議会  75.7

・警察・検察   23.2   ・警察・検察 75.0

・裁判所     26.1   ・裁判所   63.9

・自衛隊     24.6   ・軍隊    93.8

・寺・神社・教会 17.7   ・教会    85.2

・中央省庁     8.0   ・連邦省庁  67.7

・地方自治体   19.3   ・地方自治体 70.3

・学校      19.9   ・学校    75.5

・病院      29.1   ・病院    81.9

・新聞      37.1   ・新聞    57.3

・テレビ     26.4   ・テレビ   50.2

・大企業     10.8   ・大企業   58.6

・労働組合    12.6   ・労働組合  53.9

・その他      0.9   ・その他   13.2

・とくにない   25.4   ・とくにない  0.5

・答えない     5.3   ・答えない   ---

2006年11月=日本は昭和61年1986年生まれ以降

 【質問と回答】

 〈日〉が日本、〈米〉がアメリカの質問。

 (数字は%、数字の左側が日本、右側が米国の結果)

 〈日〉〈米〉次に読みあげる国内の組織や公共機関などの中で、あなたが、とくに信頼しているものがあれば、いくつでも選んで下さい。

         日本            米国

・首 相     53.8  ・大統領   46.2

・国 会     30.4  ・連邦議会  47.6

・警察・検察   42.1  ・警察・検察 74.4

・裁判所     61.3  ・裁判所   63.7

・自衛隊     59.4  ・軍 隊   86.5

・寺・神社・教会 43.9  ・教 会   70.1

・中央省庁    23.8  ・連邦省庁  51.4

・地方自治体   34.2  ・地方自治体 63.8

・学 校     35.7  ・学 校   71.8

・病 院     55.6  ・病 院   81.9

・新 聞     67.6  ・新 聞   52.3

・テレビ     46.9  ・テレビ   43.6

・大企業     30.0  ・大企業   43.4

・労働組合    28.7  ・労働組合  45.5

・その他      0.4  ・その他   16.2

・とくにない    5.0  ・とくにない  0.6

・答えない     0.4  ・答えない   ---

2011年11月調査

 ■質問と回答(数字は%)

 (数字の左側が日本、右側が米国の結果。( )は米国での質問、/は調査なし。)

 ◆次に読みあげる国内の組織や公共機関などの中で、あなたが、とくに信頼しているものがあれば、いくつでも選んで下さい。

         日         米

・首相      29 ・大統領   44

・国会      17 ・連邦議会  20

・警察・検察   43 ・警察・検察 69

・裁判所     57 ・裁判所   55

・自衛隊     75 ・軍隊    91

・寺・神社・教会 42 ・教会    75

・中央省庁    25 ・連邦省庁  40

・地方自治体   49 ・地方自治体 51

・学校      56 ・学校    64

・病院      69 ・病院    84

・新聞      59 ・新聞    50

・テレビ     39 ・テレビ   46

・大企業     26 ・大企業   35

・労働組合    31 ・労働組合  43

・その他      0 ・その他    -

・とくにない    5 ・とくにない  -

・答えない     1 ・答えない   1

2015年11月調査

■質問と回答(数字は%)

(数字の左側が日本、右側が米国の結果。( )は米国での質問、/は調査なし。)

◆次に読みあげる国内の組織や公共機関などの中で、あなたが、とくに信頼しているものがあれば、いくつでも選んで下さい。

         日         米

・首相      44 ・大統領   43

・国会      31 ・連邦議会  27

・警察・検察   56 ・警察・検察 71

・裁判所     65 ・裁判所   56

・自衛隊     74 ・軍隊    92

・寺・神社・教会 46 ・教会    74

・中央省庁    31 ・連邦省庁  41

・地方自治体   51 ・地方自治体 58

・学校      52 ・学校    66

・病院      67 ・病院    88

・新聞      59 ・新聞    50

・テレビ     37 ・テレビ   42

・大企業     27 ・大企業   38

・労働組合    33 ・労働組合  48

・その他      - ・その他    -

・とくにない    4 ・とくにない  -

・答えない     0 ・答えない   1

 [おわり]

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