【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

補正成立し、法律第1号「二重ローン延長法」が成立し、序盤国会は与党ペース、参環境委は三重県で公害調査へ

2018年02月01日 17時37分21秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 補正予算が参議院で成立。法律第1号として「東日本大震災二重ローン法延長法」が成立。序盤は与党ペースで終わり、いよいよ、衆議院では当初予算審議が始まります。なお、宮崎信行の今後の政治日程は、昨年10月の選挙後、4カ月連続で会員増。その中でも、前月からの継続会員がさらに増えています。

【参議院本会議 平成30年2018年2月1日(木)】

 緊急上程された、「平成29年度第1次補正予算」は、投票総数232、賛成160、反対72の賛成多数で可決し成立しました。民共立が反対し、自公維が賛成。これで、今年度一般会計は99・1兆円規模で新しい年度に入ります。まあいいのではないでしょうか。これに先立つ討論で、維新の片山大介さんは「苦渋の選択で賛成する」と語りました。

 この後、「東日本大震災支援機構法を3年強延長する法律」(196衆法1号)が投票総数235、賛成234、反対1で可決し、成立しました。公布日に施行。今国会初めての法律制定で、法律番号は「平成30年第1号」になる見通し。

 これに先立ち、裁判官弾劾裁判所や皇室会議の予備委員らの人事がありました。

 散会時には、きょねんも一度ありましたが、伊達忠一議長が中腰になりながら、散会を宣言しました。きょねんは伊達議長が立ち上がった後、制する郷原悟事務総長の手を、議長が「だからいいっちゅうの」と払いのける場面がありましたが、きょうは伊達議長は中腰ながらもていねいに散会を宣言しました。

【参議院予算委員会 同日】

 テレビ入り審議2日目で、「平成29年度第1次補正予算案」が議題になりました。開会時に、午後にしめくくり質疑をすることを委員長が発表しました。

 財務省の太田理財局長は、共産党の辰巳孝太郎さんの質疑に対して、参議院の要求に応じる会計検査院の検査で、出していなかった資料があることを明かしました。リーガルチェックと呼ばれる、省内の打ち合わせで、訴訟されたときの可能性について話した記録を検査院に出していませんでした。国賠は仮にされても自分の腹が痛くなるわけでもないのに、よっぽど提訴されただけで出世の道が途絶えるのでしょうか。さらに太田理財局長は、世に出回った録音について「私も年ですから、若い耳の良い人間に聞いてもらった」と巧言令色が多い、不誠実答弁。これはいけません。私も当初は、また森友かと思いましたが、これは、安倍晋三首相や麻生太郎財務大臣もていねいに答弁しないと、確定申告時期以降、かなり大事になるかもしれないです。

 倉林明子さんは、国民健康保険について、自治体が差し押さえると、交付金が増えるしくみを追求。未納者の59円の預金差し押さえで、交付金が上がった事例もあるとして、制度の改善を促しました。まったく厚労省マターは、嫌な気持ちになる話ばかりです。

 維新の片山大介さんは、今次補正に、マイナンバーカードへの旧姓(旧氏)併記のシステム改善費用93億円が入っており、不要不急でないと追及。野田聖子担当相は、当初とあわせて総額200億円だとして、閣議決定をうけて、補正で対応する必要があると答弁。なら、民法を改正したらどうでしょうか。この件は、この後、民進党の討論でも言及されました。

 自由党の山本太郎さんは、きょねんの籠池証人の、「人払いをして安倍昭恵夫人と2人だけになって100万円をもらった。わたしたちには名誉なことなので忘れるわけない」との証言について質問。首相は「偽証だと思う」と断言しました。この問答では、郷原悟参議院事務総長と、衆議院の矢尾板丈明委員部長が、テレビ入りで答弁しました。

 山本さんは、籠池夫妻が半年前後拘置されたままであることについて、山本さんは「首相の指示か?」と質問。法相が代わりに答弁してかわされました。外務省はマンデラルールという被拘禁者との接触を許す国際約束について、法的拘束力は無いとしながらも、日本代表も全会一致に従っており、法相も「その趣旨をできる限り尊重して運用している」と答弁しました。いい加減、保釈すべきです。ひどすぎる。また、山本さんはアベノミクス3本の矢のうち、第2の矢財政出動を増やせと提案し、首相に意外感を与えたようです。

 立憲民主党の蓮舫さんは少子化と言う言葉をいつから使っているかと、松山政司・一億総活躍・男女共同参画相に問いました。松山さんは「十数年前から」と答えました。蓮舫さんは、平成4年1992年の国民生活白書に「少子化社会の対応」という言葉があり、26年前からの政策課題だとしました。多くの人は耳がいたいかもしれません。

 麻生太郎財務大臣は、補正でありながら不要不急の物が少ないとの指摘に「TPP11は3月8日に署名されると思う」として対策大綱の予算化を強調したほか「北朝鮮情勢から、弾道ミサイルは緊急性が高く、装備を前倒す必要がある」と語りました。

 午後のしめくくり質疑では、共産党の田村智子さんが理化学研究所とJETROで、改正労働契約法の「5年で無期転換」のルールを逆手にとって、もうすぐ無期転換なので雇止め、とするQ&Aペーパーを配ったと指摘。答弁で、経産省などは存在を認めました。

【参議院環境委員会 同日】

 三重県と愛知県に公害被害の国政調査にでかけて、「公害健康被害補償法改正案(未提出)」の審議の参考にすることを全会一致で決めました。同法案は政府は年度内成立を国会にお願いしています。議院運営委員会筆頭理事を兼ねる、芝博一委員が三重県なので、その関係かもしれません。顔ぶれは、自民党の関口昌一国会対策委員長も委員に名を連ねますが、今はあまり党幹部クラスは少ないようです。衆議院の岡田克也さんは、以前インタビューで「四日市を一言でいうと」と問われ「公害のまち」と答えており、公害に関する関心の高い地域です。

【参議院文教科学委員会 同日】
 
「文化財保護法改正案」(未提出)と「地方教育行政組織法改正案」(未提出)の審議の参考にするため、宮城県、福島県に委員を派遣することを全会一致で決め、高階美恵子委員長(自民党)が日程などを詰めることにしました。

【参議院財政金融委員会 同日】

 「平成30年度税制改正のための所得税法改正案」(未提出)の審議の参考にするため、委員を派遣することにして、場所などは委員長に一任しました。

【参議院内閣委員会 同日】

 国政調査をすることになりました。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 時期は未定ですが、委員派遣をすることになりました。

【参議院農林水産委員会 同日】

 国政調査をする手続きをとりました。

【衆議院 同日】

  ありませんでした。

このエントリーの本文記事は以上です。

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「私権を制限し政府に権限を集中」の緊急事態条項(戒厳令)に賛意が相次ぐ、自民党憲法改正推進本部で

2018年02月01日 07時19分31秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]自民党、2014年、筆者・宮崎信行撮影。

 「私権制限と政府への権限集中」を求める、改憲発議案に賛意が集まったことが分かりました。

 これは、きのう、平成30年2018年1月31日(水)の自民党憲法改正推進本部(細田博之本部長)の会合で、昨年末の論点整理4項目のうち、緊急事態条項の(1)(2)案のうち、(2)案に出席議員から賛同が相次いだ、ときょう付けの各紙が報じました。

 自民党憲法改正推進本部が、きょねん、2017年12月20日に発表した論点整理4項目では、その第2番目として、

 緊急事態条項の日本国憲法への新規の条項新設について、

 (1)選挙ができない事態に備え、「国会議員の任期延長や選挙期日等の特例を憲法に規定すべき」との意見。

 (2)諸外国の憲法に見られるように、「政府への権限集中や私権制限を含めた緊急事態条項を憲法に規定すべき」との意見。

  の2つの考え方があると論点を整理しました。

 きのうの本部では、(2)を支持する意見が相次いだ、とのことです。

 我が国の法体系では、国民保護法(武力攻撃事態における国民保護法)で、我が国国内の戦時(武力攻撃事態)に、自治体が私有地に断りなくテントを張ることができる、といった私権制限が設けられています。

 ただ、東日本大震災のような自然災害で、緊急事態条項を発動して、そのまま、与党の内閣が発動し続けることもありえます。自民党内の世論は大変に危険な方向に向かっています。

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