【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

立希無3党一致して欠席戦術、出国税改め国際観光旅客税法案与党強行、麻生「観光財源のため」と官僚いいなり

2018年02月23日 19時12分05秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 衆議院の予算審議は分科会に入り、週明け採決をめぐる最終攻防。昨年末唯一閣法を継続審査にしていた衆議院財務金融委員会は税制改正法案をめぐって、立希無の3党が欠席戦術で一致しました。

●与野党幹事長会談

 与野党幹事長会談が開かれました。自民党、公明党、立憲民主党、希望の党、無所属の会、共産党、自由党、社民党の6党。維新は参加しなかったようです。この中で、二階俊博自民党幹事長から「週明け早々に結論を申し上げる」との発言があったと報じられました。働き方改革法案の提出方法に何らかの変化があるかもしれません。あさってはNHK日曜討論で政調会長討論も予定されています。

【衆議院財務金融委員会 平成30年2018年2月23日(金)】

 まず訂正で、おととい、2月21日(水)のこの委員会の議題は、「平成30年度所得税法等改正案」(196閣法1号)だけでした。

 同時に趣旨説明された、「出国税改め国際観光旅客税法案」(196閣法2号)は、おとといは議題から外されました。そして、きょう午前中は閣法1号を審議し、午後から閣法2号が議題になりました。これについて、立憲民主党、希望の党、無所属の会の3野党が一致団結して、欠席戦術に出ました。

 うだうだ書かないですが、当然の欠席戦術だと考えます。

 午前中の審議では、希望の党の古本伸一郎さんが財務大臣政務官と若手官僚の勉強会を設けるよう促し、自民党の政務官から政治家が決めるという趣旨の返答で拒まれました。

 午後の部では、公明党、共産党、維新の3党が質問。共産党の宮本徹さんが「観光ビジョンを設け、税の必要性を説いた。しかし、観光予算の重複を見直すなど歳出を整理する動きが無かった。それなのになぜ新税創設なのか」という趣旨を問いました。麻生太郎大臣は「観光財源の確保のためだ」との答弁を繰り返しました。これは、副総理財務大臣である麻生さんの答弁としては非常に残念なものです。財務省のみならず国土交通省の官僚の言いなりだし、特定財源を無意識に認めている。勘ぐれば、10年前のガソリン国会での道路特定財源の見直しに窮して、福田康夫首相が辞任、麻生さんが首相になりました。当時1年間、無役で全国を講演していた麻生さんにとっては漁夫の利を得るありがたい追及が、野党・民主党のガソリン特定財源の追及だったのかもしれません。まず、麻生さん本人は気づいていないでしょう。

 欠席戦術はありながらも、国際観光旅客税法案も質疑が一巡して散会しました。既に来年度予算案に盛り込まれているとはいえ、施行日は1月7日なので、必ずしも3月31日までに成立させなければいけないものではないと思います。財務省は関税、金融庁は保険の合計2法案しか残っていない状態。与党が予算採決にあわせて、2つの歳入法案も強行して採決することが濃厚だと考えます。

【衆議院予算委員会第一分科会 同日】

 「平成30年度予算案」の審議は16日目。そのうち分科会の一日目。第一分科会から第八分科会まですべて、週明け月曜日の午前中も続きます。

 第一分科会は、内閣や防衛省などの歳出について質疑がありました。

【衆議院予算委員会第二分科会 同日】

 総務省。地方議員の成り手を増やすよう、省としても取り組むとの考えが示されました。

【衆議院予算委員会第三分科会 同日】

 法務省、外務省、財務省。
 
【衆議院予算委員会第四分科会 同日】

 文部科学省。西岡武夫元文相の長女である、希望の党1期生、西岡秀子さん(長崎1区)も登場しました。

【衆議院予算委員会第五分科会 同日】

 厚生労働省。自民党の3期生、渡辺孝一さん(比例北海道単独)が野党の裁量労働制調査などの批判を「誹謗中傷レベルの質問」と語りました。その後、他の分科会でも、この発言を批判する声が、野党議員から出ました。

【衆議院予算委員会第六分科会 同日】

 農林水産省や環境省の歳出。 

【衆議院予算委員会第七分科会 同日】

 経済産業省の歳出。旧通産省出身の岡田克也さんも質問しましたが、世耕弘成大臣は求められてもあまり答弁しませんでした。 

【衆議院予算委員会第八分科会 同日】

 国土交通省所管。

 定数是正で、自民党鹿児島県連で1人だけ比例九州単独への転出を余儀なくされた、2期生の宮路拓馬さんは地元の高速のインターチェンジについて「進捗に向けてご尽力をいただきたい」とアピール。10年前は野党の猛攻を浴びた国土交通省道路局長ですが、現局長の石川雄一さん(昭和59年入省)は、分科会で静かに与野党議員の問いにていねいに答弁しました。自民党の1期生、京都2区比例の繁本護さんは「きのうの京都市議会で、よしいあきら、さんも市長に質問した」と、地元市議さんの名をアピール。自民党の小選挙区は大変だなという感じがしますが、外国人インバウンド観光客にとって、京都市は港や空港が無いので、渋滞などへの配慮が必要だとしました。

 立憲民主党の高井崇志さんは、話題になっている、両備バスの31路線いっせい廃止届出の問題を取り上げました。高井さんは「両備バスは3割の黒字路線が7割の赤字路線を支えてきた。今回は、1時間に5分から10分あるほどのドル箱路線に新規業者が参入してきた。そのため、他の路線を存続させるためにも、31路線廃止届出という格好になった」という趣旨の説明をしました。高井さんは、地域協議会をつくる話もあるが、その場合の結論は、税金を使うことになるかもしれないと問題提起。国交省自動車局長は「持続可能性を保つことが求められる」との答弁をしました。やりとりを聞いて私は、国交省自動車局も、赤字バス路線は切り捨てるのが持続可能性だ、と認識しているようにも感じました。黒字バス路線への新規参入の規制も重要だ、と私は考えます。

【参議院 同日】

 議院運営委員会の理事会がありました。

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(C)2018年、宮崎信行。

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【投票依頼】東京都町田市議会議員選挙に民進党公認の佐藤和彦(佐藤かずひこ)さん【追記有】

2018年02月23日 10時55分17秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 次の日曜日、2月25日に投票日を迎える、東京都町田市議会議員選挙に、現職・2期の、

 佐藤和彦(佐藤かずひこ)さんが立候補しています。

 よろしくお願いします。

 すでに、私の友人・知人で、町田市在住の方には個別にお願いしていますが、このブログでご覧の方、よろしくお願いします。また私の認識不足で連絡が漏れてしまってしまった方もご機嫌斜めでなければよろしくお願いします。

 佐藤さんは、民進党公認、南成瀬在住です。野球など市議会以外の場でも地域貢献しています。

【追記 26日午前8時半】

 当選しました。

【追記終わり】

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