[写真]河野太郎外相、きょねん2017年7月、東京港区内で、筆者・宮崎信行撮影。
政府は、欧米の集団的安全保障機構である、NATO(ナトー、北大西洋条約機構)に日本政府代表部を新設する法案を、先週、平成30年2018年2月9日(金)閣議決定し、国会に提出しました。
「在外公館位置・給与法改正案」(196閣法19号)。
在外公館の位置を示す「別表第一」に、ベルギー・ブリュッセルの欧州連合本部日本代表部の後に、北大西洋条約機構日本代表部を設ける改正法案。施行日は、政令の定める日になります。今までの例から言って、代表部には大使が置かれて「NATO大使」という表現がされることになるでしょう。
NATOは、米ソ冷戦時代に、西側諸国の集団的安全保障機構として設けられましたが、冷戦崩壊後も存続し、ロシアが加盟しています。NATO軍は、ISAFなどの名前で、アフガニスタンにも展開しています。
今回調べたら、この動きは、解釈改憲の2か月以上前から始まっていたようです。外務省ホームページによると、安倍晋三首相(自民党総裁)は、NATO加盟国の28人の代表と会い意見交換。ラスムセン事務総長と覚書を交わしました。これが、平成26年2014年年5月6日(火・祝)です。この翌週に、赤子を抱く母親のパネルとともに、第2次安保法制懇報告書受け取りの記者会見をしました。そして、きょねん、平成29年2017年7月6日(木)に、ストルテンベルグ事務総長に対して「NATO側よりの要請に応え,NATO日本政府代表部の開設に向けて真剣に検討を進めている」と述べました。
今次改正法案は、あくまでも日本代表部の設置。外務省として、NATO代表部があった方が情報も入るし、その情報で他の在外公館もちやほやされるでしょう。ただ、NATO代表部があれば、日本がNATO加盟国だと錯覚する外交官が続出するでしょう。
アフガニスタンに展開したISAF(アイザフ)は、日本政府も財政的に支援しています。ISAF軍からは治安維持の名のもとに死者が出ています。私は同じアジアである、アフガニスタンで、白人と一緒のヘルメットをかぶって行動する日本自衛官が居てほしくないと考えます。
河野太郎外相の評判がここ一週間ほどの国会審議で急落してきた兆しを感じます。私は期待していませんが、世間的に彼に期待する声はなぜか多いようですので、祖父、父とは正反対に、河野太郎外相は国益を語る人だという評判が立つように心が得てほしいものです。法案は、給与改定条項が日切れ指定で4月1日(日)施行となっていることもあり、年度内ないし会期内に賛成多数で可決・成立する見通し。
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(C)2018年、宮崎信行。
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Miyazaki Nobuyuki