宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【12/9】代表質問2日目、来夏改選小西洋之さん房総台風「自衛隊ブルーシート張り2000人部隊は私がつくってもらったが森田県政に邪魔された」と主張、維新・公明・国民は現行路線強調

2021年12月09日 19時56分00秒 | 第207回臨時国会 2021年12月
[写真]小西洋之参議院議員、おととい2021年12月7日、宮崎信行撮影。

 第207回臨時国会は代表質問2日目。補正予算案はあす趣旨説明されることで与野党が合意しました。

【参議院本会議 きょう令和3年2021年12月9日(木)】

 立憲民主党の小西洋之さんがトップバッター。来年6月22日(水)公示、7月10日(日)投開票の第26回参院選で千葉選挙区定数3で改選を迎えます。立憲・首都圏チームでは「テッパン」の位置づけがありますが、3年前は序盤情勢とは違ってトップを逃す選挙結果となっており、小西さんも安泰とは言えません。

 
 「一匹オオカミ」のイメージが内外にある小西さんですが、おとといの「歳費法改正案」(207衆法4号)提出では、「選挙が近いから」と党の同志に促されて、真ん中に誘導され、うれしい照れ笑いを浮かべました=写真・2021年12月7日、衆議院事務総長室で、宮崎信行撮影=。

●房総半島ブルーシートで論争

 小西さんは、「総理の所信表明演説の、屋根を修理するなら、日が照っているうちに限る、とのケネディ大統領の言葉にハッとした」とし、おととしの令和元年15号房総半島台風に言及。「私の地元・千葉で多数の家屋で(破損した屋根の)ブルーシートの設置がなされず、大きな被害が生じた」としました。小西さんは「私は当時、外交防衛委員だったので、政治的な調整により自衛隊に2000人のブルーシート設置部隊を設けていただいた」と主張。「9月22日の夜、内閣府防災により疑念が呈されて、森田県政が自衛隊は高齢者など災害弱者だけで、それ以外の一般家屋1700軒にはやらなくていいとの方針を示した。10月1日は晴れ渡った青空だったが、自衛隊部隊の稼働はゼロだった」とし、森田県政は「災害対策基本法・災害救助法に違反し、安倍政権も追認した」との見解を演説しました。首相に旧自治省の活用と、自衛隊のブルーシート張り訓練を求めました。

 これに対して岸田首相は「近年の大災害では総理の指示のもと、内閣府防災が中心となって」省庁・自治体と連絡して効果があるとし「内閣府防災には総務省自治部局出身者も含まれており、被災自治体と連絡を取っている」と既に実施済みだとし、「自衛隊は、ブルーシートの展張も含めて過去の経験を部隊間で共有しており」訓練は不要だと答弁しました。

 この房総半島のブルーシートの件は、関東の建設業者によると大変な爪痕を残し、明確に廃屋・人口減につながっているようです。現在、安全帯ハーネスをつけて2人組で屋根に上らなくてはならず、屋根にブルーシートを養生できなければ、復興は始まりません。半島という人流・情報が滞りがちな地域で、菅義偉官房長官の電源車200台派遣は効果があったようですが、復興ができず、その情報も全国にテレビ・SNSでほとんど流通していない中で、アベノミクスに忘れられた地域の怒りが、参院選複数区で暴発するかもしれません。

 小西さんは、「いじめ防止対策推進法」についても質問。参議院議院運営委員長から文部科学大臣に入閣した末松信介さんが答弁し、「いじめはけっして許されないが、どの学校にもどの子供にも起こりうる。省として、学校が子供を守り抜く方針を伝えることなどを伝えているが、法律が徹底されていないと思われる事例もあり、9月に周知した」と語りました。

 
[写真]末松信介文部科学相、3年前の2018年10月17日、参議院議院運営委員長室で、宮崎信行撮影。

 自民党の有村治子さん(来夏非改選)は「武漢で始まった新型コロナウイルス感染症で、中国との付き合い方を見直すべきだ」と述べました。

【衆議院本会議 同日】

 代表質問2日目。維新30分、公明30分、国民15分、共産15分。れいわ新選組の山本太郎代表への割り当てはありません。

 維新・馬場伸幸、公明・石井啓一、国民・玉木雄一郎、共産・志位和夫の4名で、この顔触れは各党人事があっても向こう数年間変わらなそうな気配です。

 維新の馬場さんは、自らの初の「大阪組」共同代表昇格についてはふれず。新しい資本主義に関連して、渋沢栄一の「論語と算盤」の「正しい道理の富でなければ、その富を永続することはできない」との言葉を引用しました。これ、明治から続く経団連大企業にも当てはまるかと言えば、微妙だと私は考えます。

 公明の石井幹事長は「先の衆院選で公明党は多くの国民のご支援をいただいて、連立政権合意を再び結びました。おごることなく、身を引き締めて謙虚な姿勢で政権を担う」と切り出しました。

 国民民主党の玉木さんは「首相の所信表明にはカタカナが多かった」としつつ「一番大事なカタカナがなかった。それはガソリンだ」とし、ガソリン高騰対策のための揮発油税法トリガー条項の発動の議員立法を採用するよう促しました。同党は前日、自動車総連・全トヨタ労連組織内参議院議員の公認を発表しました。

 共産党の志位和夫さんは、首相が看護師・介護士・保育士の賃上げを決めながら補正予算案での措置が不十分だと指摘し「賃上げを言いながら、診療報酬の引き下げを行うなど言語道断だ」と批判しました。

 この後、竹下亘さんの追悼演説が、小渕優子さんからなされました。

【衆議院予算委員会理事会】

●月曜午前9時から予算委

 きょうまでに日程で合意。あす午後4時15分から全閣僚から補正予算案の趣旨説明を聞きます。週明けの12月13日(月)14日(火)にテレビ入り基本的質疑。質問時間は与党3野党7なので、野党の登場は月曜午後にずれ込みます。与党は14日(火)夕方にも採決したい意向で協議が続きます。

【衆議院憲法審査会 きょう】
 森英介会長が続投。与党側幹事の一人に、宏池会で首相の信頼がとくにあつい上川陽子さんを追加しました。野党側幹事は山花郁夫さんが落選しましたので、筆頭幹事が奥野総一郎さんとなり、道下大樹さんが幹事に追加されました。

【衆議院懲罰委員会 きょう】
 安住淳委員長が就任のあいさつをしましたが、元気がなさそうでした。安住さんは2009年政権交代時にも小沢一郎幹事長の差し金で、安全保障委員長に左遷され、入閣できませんでした。今回も2016年民進党結党以降初めて主流から外れました。野党衆議院議員が常任委員長として天皇陛下をモーニング姿でお迎えできる機会はめったにありませんが、雌伏のときが当面続きそうです。

【皇后陛下 きょう】
 皇后陛下は58歳の誕生日を迎えられました。きょうまでに発表した「感想」の中に、次のような部分がありました。

 「特に、経済的社会的に苦境に直面している方が多くおられることに心が痛みます。働く女性の自殺が約3割増加し、小中高生の自殺も過去最多となり、昨年の自殺者数は11年ぶりに増加に転じたとも報じられています。孤独を感じやすい今だからこその問題であるようにも感じます。収入減少や進学断念など、苦境に立たされている方が大勢おられるとの報道にも胸が痛みます。これまで以上にお互いを気遣い、支え合っていける社会となっていくことを願っています 」

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NHKが当ニュースサイトを後追い報道「2022年7月10日投開票」で第26回参院選、第208回通常国会は2022年1月17日(月)召集へ

2021年12月09日 05時51分44秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]打倒NHKをめざす、「ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記」主宰者兼記者の宮崎信行。

 NHKはさきほど、第26回参院選について「会期の延長がなければ参議院選挙の投票日は7月10日となる見通しです」と報じました。

 第208回通常国会は「来年の通常国会について政府・与党は、夏に参議院選挙を控えていることなどを踏まえ、1月17日に召集する案を軸に調整を進めています」と放送しました。

 当ニュースサイトは、半年以上前の2021年5月26日付に「7月10日(日)や24日(日)など」、7月28日付で「7月10日投票と思われます 」、昨日付で「7月10日に改選を迎える」と報道。一貫して「7・10投開票説」を唱えてきて、膨大に乱立するインターネットニュースサイトにおいて、抜きんでた圧勝報道が相次いでいます。

 整理すると、

 令和4年2022年は、1月17日(月)第208回通常国会召集、5月15日(月)沖縄本土復帰50周年、6月15日(水)通常国会閉会、6月23日(木)沖縄慰霊の日、7月10日第26回参院選投開票となります。

 公選法は「17日以上前に公示」としており、18日前の「6月22日(水)」に公示して、各党首が注目区で第一声を挙げてから、翌日は全党首・全閣僚が沖縄に向かうシナリオが考えられます。


[写真]参議院中庭の河津桜、4年前の「6月半ば過ぎ」に許可を得て宮崎信行撮影。

 1月17日から当初予算案の審議となるとみられ年度内成立は極めて確実。後半国会でも「雇用保険法改正案」以外はあまり揉めなそうです。延長せず閉会する公算は高く、7月10日投開票は動かない見通し。新代表率いる立憲民主党は1人区に現職が少ないなど候補者擁立が遅れるのは確実。自民党内閣が感染再拡大と経済低迷の逆風を浴びて「ドミノ負け」を起こすかもしれませんが、野党の伸びしろには限界があり、開票日夜に首相退陣表明はなさそうです。

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