宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

立憲さん、いくらなんでも冷たいのではないか、惜敗者のうち年内の総支部長再任はわずか13名

2021年12月29日 22時54分05秒 | 第50回衆院選(2024年10月27日)
[写真]冬の枯れ木と立憲民主党本部別館ビル(手前)、その左の三宅坂上は、参議院議員会館と衆議院第二議員会館など、ことし1月、宮崎信行撮影。

 立憲民主党は規約上全員解任となっていた先々月の衆院選の惜敗者のうち、今井るる岐阜5区総支部長ら13名を総支部長として再任し、第50回衆院選公認候補内定者としました。

 例えば、東京11区の前職より、東京16区の新人が惜敗率は高いのに、東京11区の前職が公認内定されました。

 前職32名と比例単独を含んで144名惜敗者がいて、年齢的は140名近くが4年以内の次の選挙をねらえるはず。

 130名以上は、無職で年を越すことになります。

 そもそも代表選では年内全員総支部長と言っていた代表候補がいたような気がします。

 前身政党からこういうことを繰り返していると、優秀な人が門をたたかなくなるかも。事務局に考えがあるのではなく、たんに冷たいのだと思います。

 自民、維新、都民ファーストの会、小沢一郎グループと違い「政治塾」もやっていません。

 かくいう私も惜敗者に誰一人、電話もしていませんが。それは袖が無いからです。前代表がユーチューブで、選挙後のごたごたがまったくなかったことを4年1か月の成果として挙げていました。それはまったく同感です。



 「育てたい人材」の意味が政調会長に抜擢しただけで終わった故事もありましたが、前代表らですら驚いて、肝を冷やす決定だったのかもしれません。私も袖は無いですが。

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【大阪16区の2021年の止め報】森山浩行さんは立憲民主党で大阪唯一の当選者となり、当然のことながら「立憲民主党大阪府連代表」に就任、これから続く長い道

2021年12月29日 22時10分58秒 | 森山浩行 大阪16区
[写真]文通費の日割り・使途公開法案を衆議院事務総長に提出する森山浩行さん、今月7日、衆議院本館事務総長室(議長室の隣)で、宮崎信行撮影。

 11月1日未明午前3時3分の記事「【大阪16区の第2報】森山浩行さん当選は1行だけでしたが、とにもかくにも、森山浩行さんは比例近畿ブロックで当選し、3期目に入りました。今年初めてテレビ入り予算委員会に登場し「総務省元・前・現情報流通行政局長」となぜか「高橋洋一内閣官房参与」のクビをとりました。そして、今度の任期では、「文通費日割り・使途公開法案」を衆議院事務総長に共同提出しました。

 但し、後ろ盾だった、辻元清美・予算委筆頭理事と平野博文・選対委員長が落選してしまい、大阪府でただ一人の国政第2党の国会議員となりました。

 当然のことながら、「立憲民主党大阪府連代表」に就任しました。来夏の参院選もありますが、再来年の4月に統一地方選前半戦で、大阪府・大阪市・堺市の議会選挙があります。大阪市議会ホームページによると、立憲公認は現在ゼロのようです。



 2008年橋下ブームから続く立憲民主党の辛酸。以前は奥さんが大阪府議会に業務命令立候補させられ、映画さながら「政治家の配偶者は大変」と思いきや、実際には、夫婦で2連ポスターを貼ったり、マイクを持つ順番が初めて逆になったりして、楽しかったようです。

 とはいえ「府連代表」になりたくて国会議員に立候補する人はそもそもいるわけがありませんから、リクルートからとなると相当な苦労だと思います。府連大会で森山新代表は「現場と対話を重視し、あらためて政権の選択肢をつくりあげていきたい」と語ったようです。長い道となりそうです。

 さて、このあいだに、団塊ジュニア最初の月の1971年4月生まれの森山さんと最後の月の1974年3月生まれの筆者の政治改革の「熱病」期の大学時代の知己は、多くの人が、若くしてこの世を去りました。初当選直後にボランティアをしていた日大卒業生、テレビ・著作で活躍してた東大卒業生。さらには、明治大学の先輩である秋田県議会の定数2選挙区に2人いる自民県会議員の1人。そして私たちより若い、泉健太・立憲民主党代表の誕生。そして、森山さんより初当選が後輩の自民党4期生から3人が入閣しています。

 その中で、選挙必勝法のようなことを書きたいと思います。オープンで明るい窓から入る光につつまれた森山選挙事務所では「5回連続北側一雄さんと対決なんて大変。でも当選しよう」との意思を全員が共有していました。北側さんと対決→当選しよう。この間に、数文字が省略されていることは分かるでしょう。「惜敗率86%の好成績」の比例議員として東京霞が関の総務省が当選証書を交付しました。



 最後は強引なオチですが、「グリコは1粒300メートル」だそうです。1粒300キロくらい行くのか思っていました。それを思えば、政治で物を変えるのは木の板に穴をあけるような長い時間が必要なようです。

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【岡田克也】細田博之議長の区割り案「前回の協議と違うし、1人別枠方式は最高裁憲法違反だ」2020年国勢調査による新区割りは「東京30区」で「山口4区廃止」

2021年12月29日 21時13分23秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]小選挙区比例代表並立制移行後、三重2区で立候補している中川正春さんと、三重3区の岡田克也さん、おととし2019年6月13日、宮崎信行撮影。

 岡田克也さんはきのう令和3年2021年12月28日(火)、ユーチューブ動画をあげて「細田博之議長の定数是正案は極めて不見識で、アダムズ方式ではなく、1人別枠方式を採用するのは、最高裁判決に違反するので、直ちに撤回すべきだ」と強くけん制しました。

 先々月の第49回衆院選では、島根1区で細田博之さん、三重3区で岡田さんが連続11回当選。細田さんは衆議院議長となり、清和研会長は安倍晋三さんに譲りました。両者は、2009年政権交代時の自民党と民主党の幹事長という浅からぬ仲。

●細田さんと岡田さんが最も在職年数が長い官僚出身議員に

 ところで、先の衆院選は、野田毅さんの落選、伊吹文明さんの引退があり、岡田さんと細田さんが、最も在職年数が長い31年の「霞が関出身議員」となりました。2人とも東大法学部→通商産業省。それ以下も落選が相次ぎ、28年の石井啓一公明党幹事長(工学部から建設省技官)、25年の棚橋泰文さん(通商産業省)、平沢勝栄さん(警察庁)がトップ5となったようです。岡田さんと長く近しくして、官僚出身だから得をするということは全くないように感じます。


[写真]細田博之衆議院議長、きょねん2020年9月2日、衆議院第一議員会館で、宮崎信行撮影。

[写真]中川正春さんと岡田克也さん、おととし2019年6月13日、衆議院第16控室で、宮崎信行撮影。

●区割り審答申は来年6月

 2020年国勢調査はコロナ禍で遅れましたが、確定値がこのほど出ました。衆議院選挙区画定審議会は9月から立ち上がっています。来年6月に区割り改定を答申する見通し。その後に公職選挙法改正案が作成され、国会で審議されます。

●前回の実務者も細田・岡田で「1人別枠方式違憲で三重5区」廃止

 「選挙博士」と党内での異名を持つ細田さんと、「羽田孜チルドレン」とかつては呼ばれた岡田さんは選挙制度改革の申し子という位置づけが両党内でされています。幹事長卒業後の、2011年最高裁の「1人別枠方式名指しで違憲判決」を受けた選挙制度改革でも実務者として、維新の園田博之さんらと「熱病のような政治改革」(星浩さん)を再現し、その後、園田さんは亡くなりました。そうはいっても、アダムズ方式の採用により、鳥取や島根の1・2区は維持され、三重5区は廃止されたことで、岡田さんは忸怩たる思いもあったようです。堅物とされますが、岡田というのはそういう男です。

●新区割りは「東京30区」

 官僚出身は法律通りに真面目というイメージが2021年の日本国民にどれだけ残っているかは把握しきれませんが、細田議長がぶれてしまいました。国調の結果を法律通り落とし込むと、「東京30区」が誕生し、安倍会長の「山口4区」が廃止されます。細田議長は安倍会長の選挙区が消えることが頭の片隅にあるものと思われます。

 長年当ニュースサイトを運営していて、毎日ページビュー解析をフィードバックしながら記事を書いていますが、自分の思いがPVにつながらない最たる分野が「定数是正」です。野田佳彦総理が思いをぶつけて解散に踏み切った2012年も、「弁護士」と名乗る人物から「あなたの記事に感心しました」との上から目線のコメントが解散した後の半日経ってから来て、弁護士は「自分は頭が良いと思っているけれども何か事が起きてから初めて動く川下(かわしも)産業」であることを学びました。

●政治改革部会長は篠原孝さん

 今回は、立憲民主党の政治改革部会長は、長野1区(比例北陸信越)の篠原孝衆議院議員ですので、誰が実務者になるかは、泉健太代表はまだ決めていないと思われます。部会長代理は小西洋之参議院議員。

 「山口4区廃止」ということで、林芳正・宏池会副会長と安倍晋三・清和研会長のコップの中の争いを横目に見ながらの難しい調整が予想されます。ここに、日本維新の会が「定数削減」という似た名前でまったく別次元の話を突っ込んできて、令和4年の衆議院の議員立法が大混乱することもありそうです。

 岡田さんは泉代表がこの件でコメントしないことについて、周囲に不満を漏らしており、仕事納め日の発信となったようです。

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NHKが報道を避ける不都合な中間法人と経済安保抱き合わせ、解散で完全廃案の「放送法などの改正法案」再提出へ、フジ外資規制で総務省横断組織も「経済安保」巻き込む

2021年12月29日 11時42分20秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]東京・渋谷のNHK放送センター、同・港の六本木ヒルズから、おととし2019年1月、宮崎信行撮影。

 「放送法など改正案」(208閣法 号)が令和4年2022年2月下旬から3月上旬に閣議決定され、第208回通常国会に提出されることが確実視されています。

 安倍・菅・岸田政権の先々月の衆議院解散によって、完全な廃案になった内閣提出法案は2つだけです。一つはウィシュマ・サンダマリさんへの名古屋入管の不適切対応がJNN報道特集などで批判され、街頭抗議活動に発展した「入管法改正案」(204閣法36号)と、森山浩行・衆議院予算委員が追及した「東北新社接待問題」で総務省の元・前・現3代局長が更迭された混乱で答弁不能となった「放送法改正案」(204閣法39号)です。

 このうち、放送法改正案は、元々の「NHK中間法人の設立」条項に加えて、外資規制の強化のための総務省横断組織新設の条項を束ねて、「放送法・電波法など改正案」として再提出されることになります。

 総務省は「情報通信分野における外資規制の在り方に関する検討会」を国会終幕の6月14日に設けて、12月3日にスピード答申を受けました。これによると、「外資規制の審査体制の強化を図るため、総務省に外資規制の審査を総合的 かつ一元的に取り扱う体制を整備することが適当と考えられる」と結論付けました。同時に「骨太の方針2021に、経済安全保障強化のために、外為法上の投資審査・事後モニタリングについて、関係府省庁の連携強化を進めつつ、執行体制の強化を図るとともに、指定業種の在り方に係る検討を行う」と書いてあると特出ししました。「経済財政運営と改革の基本指針」は選挙で政権交代があれば反故になりますが、自民党が勝ったので継続します。

 このため東証プライムに上場する株式公開企業は経済安全法制に基づく規制対象業種に加わりそうです。総務省内に、NSA国会安全保障局経済班との関連部局がつくられそうです。

 NHK中間法人は、現預金など内部留保が多いと民間・会計検査院から指摘されている、NHKエンタープライズ、NHKエデュケーショナル、NHK出版、NHKイベントというような名称の子会社を持ち株会社に移行させ、その下に子会社(NHKから見れば孫会社)を置ける規定。

 東京のテレビ局「NHK」ブランドに憧れた若者を正社員の身分のまま低賃金に据え置く「憧れ搾取」によって節減した人件費を「受信料引き下げ」へと価値を交換するだけであり、私の資本主義観からは絶対反対です。またフジなど外資規制20%が一時違反していた問題を総務省がごく一部の人事処分だけで、わずか1年足らずで「経済安全保障」のはやりに乗って法規制を強化し、NSA経済班と連携部署をつくることも絶対反対です。

 とはいえ、そこまで強く反対の論をとなえる気もしませんが。

 衆参の総務委員会は、国民健康保険料免除の年間所得額を引き上げるなどの「地方税法改正案」(208閣法 号)や移譲率をわずかに下げる「地方交付税法改正案」(208閣法 号)を通過させた3月下旬から一般法案審査に入ることになります。参院選を控えて延長はありませんが、再び審議未了廃案になる公算は低そう。2022年もまた、地方自治法に関する抜本的な改正はありません。

 なお上述の「入管法改正案」も法務省出入国在留管理庁が収容施設の規定などを書き直して再提出される見通しです。

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