渡辺恒雄の後継者、宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【12/13】岸田文雄首相初の衆予算委は「安倍の集団的自衛権」のような成し遂げたい課題は無い様子、公明・伊佐進一「賃上げ税制は8年前からやっているが横ばいで効果上がっていない」と一枚岩崩れる兆しも

2021年12月13日 17時34分59秒 | 第207回臨時国会 2021年12月
[写真]根本匠・衆議院予算委員長、先々月、自民党大会ホテルで撮影。

 岸田文雄首相には安倍首相でいう「集団的自衛権」のように、政治家としてどうしても実現したい中期的な目標はないようで、のらりくらりした答弁が続きました。立憲民主党は誰も「泉健太新代表のもと提案型政党になった」という打ち出しをせず、安倍一強を過ぎて、与野党とも個人が強い印象でした。

【衆議院予算委員会 きょう令和3年2021年12月13日(月)】

 「令和3年度補正予算案」の審議は2日目で、そのうち基本的質疑1日目。

 高市早苗政調会長は、10万円の子育て給付金について「恒久的な制度の児童手当も所得制限で不平等だが、自民党内でもさまざまな意見がある」とし首相は半額クーポン券構想をあっさりひっこめました。

 さらに首相は、平和安全法制で改正された自衛隊法84条の4の「在外邦人の輸送」について、アフガニスタンでの事例をもとに改正を検討するとしました。

 牧原秀樹さんは生活困窮者担当大臣を置くよう求めましたが、首相は受け付けませんでした。野田聖子少子化相はこども庁について「法案は来年の通常国会に出し、令和5年のできるだけ早い時期に発足する」と答弁しました。

 名護市辺野古がある沖縄3区は、終盤情勢とは逆の結果となり、自民党の島尻安伊子さんが小選挙区で相手の比例を許さずに衆議院初当選しました。島尻さんは「本土復帰記念式典を、沖縄、東京の2カ所で実施してほしい」と提案しましたが、首相は県議会の答弁なども含めて検討している段階だとしました。

 自民の石川昭政さんはCOP26合意や2050カーボンゼロに言及し、山口壮環境相と萩生田光一経済産業相が答弁しました。あすは立憲の岡田克也さんがこの分野を問うことになっています。

 自民党議員が「担当大臣」「2か所開催」に触れたので、事前に答弁調整済みかと思いきや、とくに首相に伝わっていない個人プレーだったようです。

 公明党の竹内譲政調会長は就任以来、日曜討論やSNSで「30兆円規模」などと補正の規模感に言及しても反映されない自公政権では異例の軽量政調会長ですが、きょうも「ものづくり補助金のグリーン枠は公明党が主張したが、あまり知られていない」と自信なさげな面がありました。竹内さん同様にツイッターでは異論を唱える伊佐進一さんも登場。伊佐さんは気をを吐き「公明党にも少なからず言っている人がいるが、賃上げ税制は平成25年からしているが、ずっと横ばいだ。分析が必要だ」と首相に促しました。また「薬価が毎年改定されるようになったが、特許中にも下がるのは日本だけで、外国の企業が日本に参入しないこともあり、成長戦略からも問題だ」と強調しました。

 野党は小川淳也・立憲民主党政調会長から。上述の通りとくに代表交代などには言及せず、「統計王子」以来の国会質問。小川さんは10万円の給付金について「午前中も確認したが、地方議会が今の時期開かれているが、現金5万円、クーポン5万円が前提の予算案が上程されている」としました。この後の長妻昭さんも「連絡がさっとうした」とし、立憲には少ない地方議員の側から岸田政権を切り崩したい意向も見えかくれしたように感じます。小川さんはマイナンバーカードを申請するとマイナポイントがもらえるとした2兆円の予算を生活困窮者に回す組み替え案を提出すると予告しました。

 長妻さんの質問では、堀内詔子ワクチン担当相の答弁が混乱。堀内さんは環境副大臣のときも原稿読み上げのミスを秘書官から指摘されても、それがどこだか分からないまま再答弁するケースが目立ち、きょうも3回目接種でファイザー、モデルナを国民が選べるのかという質問に対し、ファイザーの供給量が少ないことが気がかりだったためか、かなり慌てたようでした。

 質問はこのほか、立憲から江田憲司さん、石川かおりさんも登場。閣僚では牧島かれんデジタル相が「公的受け取り口座登録法をすすめる」小林鷹之大臣が「経済安全保障は有識者会議をつくる」金子原二郎農相が「緑の食糧安全保障をまとめる」などと答弁し、金子恭之総務相、末松信介文科相も答弁。「省の大臣」で答弁しなかったのは、古川禎久法相だけだと思います。

 長妻さんが堀内さんの3回目接種答弁のときにひっしに止めようとしたが、止まらず、午後5時1分頃に散会しました。

【参議院 同日】

 とくにありません。

● あすの予定。衆議院予算委員会のテレビ入り2日目7時間コース。採決はあさってだと思います。

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岸田内閣初の予算委員会始まる

2021年12月13日 09時03分49秒 | 第207回臨時国会 2021年12月
[写真]岸田首相、10月30日、東京・世田谷区三軒茶屋で宮崎信行撮影。

 岸田内閣初の衆議院予算委員会が始まりました。

 きょう令和3年2021年12月13日(月)9時前から、根本匠委員長が始めました。

 きょうあす、7時間かける2回で14時間の補正予算案基本的質疑です。

 高市早苗政調会長は「与党も、野党も建設的議論で、補正予算を早く成立させてほしい」と質問を始めました。

 菅内閣の予算委は、連休明け5月10日(月)の集中審議3時間コースが最後でした。

 ところで、日本銀行短期経済観測調査がさきほど発表されました。宿泊業が「マイナス50」へと「大幅改善」したのにもかかわらず緊急事態宣言中の3か月前と比べ横ばいとなりました。とくに自動車が3年前よりもさらに「1」下がりました。理由はベトナムなどの感染拡大による半導体不足です。しかし自動車での「1」悪化は、雇用にも影響します。労働力の調査では、サービス業から製造業へと雇用が動いています。月給4000円上げも大事ですし、失業率の低い完全雇用の状態が続きますが、本来はあと15兆円ほど日本国債を発行し、日本銀行券に配って、民間家計に移すべきでした。

【追記 9:20】

 揚げ足取りですが、高市政調会長の「ワイズスペンディング」を岸田首相が「ワイドスペンディング」と2回言い間違え、気づいたり、閣僚から指摘されたりしませんでした。

 「ワイズスペンディング」は、2008年頃に、与謝野馨財務大臣らの答弁で使われた流行語であって、法令用語ではありません。しかし、主計局の「賢い支出」を、「広い支出」と間違えたのは、単に緊張していたのかもしれません。【追記終わり】

 以上です。











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