[写真]衆議院第二議員会館(右)と、永田町から皇居にかけてのどこからでも見える印象の「プルデンシャルタワー」(旧・ホテルニュージャパン跡地)。
18歳以下への10万円配付は、SNSなどでも関心が高かったようですが、衆議院を通過しました。
【衆議院予算委員会 きょう令和3年2021年12月15日(水)】
補正予算案審議は4日目でそのうち締めくくり質疑。
階猛さんは、朝の朝日新聞報道を受けて「国土交通省の建設受注統計で長年不正が行われていた」とし、国土交通相、官房長官らが認め、総務相も報道で知ったが調べるとしました。階さんは「当初予算案審議よりも前に集中審議をひらくべきだ」と迫り、この後の理事会でも協議されたようです。首相は、GDPが変わるかもしれないが、予算案はそのまま編成するとしました。
立憲民主党議員の問いに対して、鈴木俊一財務大臣は、賃上げ税制で、退職金を前倒して渡した場合でも従業員の所得税や社会保険料が高くなるので、「悪用」する企業は少ないとの見立てを示しました。
組み替え動議は、立憲民主党と国民民主党が別々に提出。各々の党以外に共産党が両案とも賛成に回り、議席減ながら共産党の「野党共闘・閣外協力」でやや苦しい立場に追い込まれつつあるようにも感じられました。
政府原案は、自民・公明のみの賛成、立憲・維新・国民・共産の反対による賛成多数で可決しました。
【衆議院経済産業委員会 同日】
「半導体生産拠点整備法案」(207閣法2号)について、萩生田光一経産大臣が「このたびは会期が短いのに、審議入りを認めていただきありがとうございます」と話して趣旨説明しました。
法案は、熊本県に台湾TMMCが工場をつくるために6270億円の国費を差し上げる法案。
立憲民主党の大島敦さんは「日本資本主義の敗北だ」として、「半導体ではなく半導体製造装置をつくるべきだ」としました。私は長年、立憲民主党の経済政策はピント外れだと考えてきましたが、我が意を得たりの思いでうれしかったです。半導体は「産業のコメ」「汎用部品」ですので、キオクシアなどの給料は安いですが、その代わりに、半導体製造装置のキーエンスは日本一給料が高い。簡単な理屈で、単価が高いからです。私は実父の経営政策を研究して、単価が高いことがいいことだという強い思想を持っています。きのうの落合貴之さんの「四半世紀で、売上高7%増なのに、配当が6倍だから、性向をかえれば給料になる」にも勇気づけられました。逢坂誠二さんが半導体生産を元に日本経済の現況を語ろうとしましたが、間違っています。資本家・生産者視線としては、配当性向を労働分配に回したり、半導体ではなく半導体製造装置製造に特化することで、政府国庫との金の出し入れにまったく関係なく、成長することができます。私はすっとこれは思ってきたことで、政府国庫からの「再分配」しか語れない、政府国庫からの収入しかない9割の国会議員を苦々しくも感じてきたので、うれしかった。
法案は賛成多数で可決すべきだと決まりました。
【衆議院総務委員会 同日】
「地方交付税法改正案」(207閣法1号)を可決すべきだと決めました。
【衆議院内閣委員会 同日】
「10万円差押え禁止法案」(207衆法7号)を起草し、可決すべきだと決めました。
【衆議院議院運営委員会 同日】
「コロナ禍における歳費2割カット継続法案」(207衆法8号)を起草しました。
【衆議院本会議 同日】
女性初の官房長官だった森山真弓さん、新進党党首選に出た鹿野道彦さんへの弔詞がありました。
「補正予算案」「地方交付税法改正案」(207閣法1号)「半導体拠点整備法案」(207閣法2号)「10万円給付金差押え禁止法案」(207衆法7号)「歳費2割カット継続法案」(207衆法8号)は可決し、参議院に送られました。
緊急動議が終わり、本会議では最初に行うことになっている国会同意人事が最後に行われる変則日程となりました。地方財政審議会委員に、小西・関西学院大学教授らを充てる人事が賛成多数で、星野菜穂子さんを指名する人事は全会一致で同意されました。
●あす、あさって
参議院予算委員会があります。質問通告では、国土交通省の統計問題を複数の野党議員が取り上げます。私が加わった取材班のスクープである「茨城6区動員日当問題」は本会議で立憲民主党代表が取り上げましたが、予算委員会では取り上げられずに年を越しそうで、もう広がらないかもしれません。
但し、宏池会で、岸田文雄・政調会長→首相が最も信頼する側近の木原誠二・官房副長官が選挙区外の横浜の七五三で、シングルマザー女性の娘さんから「パパ」と呼ばれている姿が週刊新潮で報道されることになりました。認知し養育費も払っているならばいいのですが、発言がぶれて道義的責任を問われると、首相にとっては大打撃になりかねません。今まで知らなかったのでしょうか。
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