【画像】首相入り質疑の異例の空回しで、手持ちぶさたの安倍晋三首相(左)と、渡辺博道・厚生労働委員長(中央)=衆議院インタネット審議中継からスクリーンショット。
【衆議院厚生労働委員会 2014年平成26年11月7日(金)】
労働者派遣法改悪法案(187閣法3号)。
まず、おとといのエントリーでとりあげた、民主党の大串博志さん(ら)が指摘した、労働者派遣法48条にもとづく、過半数労働組合の支持を会社側が取り付けられなかった場合の労基署の対応について、塩崎厚労相が訂正し、謝罪する段取りとなりました。その後、2日目なのに、総理入り質疑になるという与党の提案はとても受け入れらえないとして、34分遅れでの開議に抗議して、民主党、維新の党、次世代の党、みんなの党、日本共産党の野党全党が欠席戦術に出ました。共産党も欠席するのは異例。
午前中の与党の質疑では、自民党の田中英之さんから「均等待遇から均衡待遇へという流れをつくることが大事だ」、公明党の古屋範子さんから「特定派遣業と一般派遣業のうち、特定派遣業には処分件数が多い派遣元事業者がいる」との話が出ました。
与党の質疑を終えて、午前11時38分休憩。午後1時20分、再開し、各党を呼びに行っているとしましたが、午後1時37分再び休憩。参議院本会議での答弁を終えて入室した安倍晋三首相を拍手で迎えて、午後2時12分から首相入り質疑が始まりました。ここで、野党各党の質問時間を空回し。午後3時42分から、与党による首相入り質疑が始まりました。自民党の高鳥修一さんの質疑は8分間で終わりました。続いて、公明党の古屋範子さん。午後4時1分に首相入り質疑は修了しました。
その後、ふたたび、民主党、維新の党など野党5党を指名し、質問時間を空回し。審議時間の実績をつくりたかったようです。
【参議院本会議 同日】
特別委設置をめぐり議運理事会がもめて、2時間21分間遅れて始まりました。
まず、参議院地方創生に関する特別委員会が起立採決で設置されました。
次に、きのう衆議院から回ってきた、地方創生2法案、まち・ひと・しごと創生法案(187閣法1号)、地域再生法改正案(187閣法2号)が石破茂さんから趣旨説明され、民主党ネクスト内閣府担当大臣の藤本祐司さんらの代表質問が行われました。
採決では、日豪EPA(日本とオーストラリアの経済連携協定)条約を承認する件(187条約1号)が、投票総数222、賛成206、反対16で両院承認されました。ちなみに、週末以降、日本とオーストラリアも交渉に参加している多国間のTPP交渉が北京のアメリカ大使館で行われるそうです。しっかりと日豪の自由貿易を進めていきましょう。
参議院先議の2法案も採決。
感染症予防法改正案(187閣法21号)と鳥獣による農林水産業被害の防止特別措置法改正案(187参法2号)がそれぞれ、「投票総数221、賛成220、反対1」で可決し、衆議院に送られることになりました。
【参議院災害対策特別委員会 同日】
災害対策特別措置法改正案(187閣法18号)が防止担当相の山谷えり子さんから趣旨説明されました。質疑は後日。
【衆議院安全保障委員会 同日】
防衛省・自衛隊給与法案(187閣法13号)を審議し、賛成多数で可決しました。公明党質疑によると、一部地方勤務だと若干の給与が減る場合もあるようです。みんなの党は「人事院勧告は分かるが、消費税を上げている状況では賛同できない」として、共産党とともに反対しましたが、与党と民主党、生活の党などの賛成で可決しました。今国会中には成立するでしょうが、日程はぎりぎりになる可能性があります。
【衆議院法務委員会 同日】
裁判官と検察官の給与法案(187閣法9・10号)が可決しました。維新の党、共産党が反対しました。
【衆議院経済産業委員会 同日】
官公需の中小企業への発注促進法案(187閣法4号)が議題になりました。質疑終局を宣言したうえで、次回に持ち越しました。
【衆議院内閣委員会 同日】
長時間の一般質疑の後、重要広範議案として1週間前に本会議で趣旨説明と代表質問がされた、
「女性活躍推進法案(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案)」(187閣法22号)が女性活躍相の有村治子さんから趣旨説明されました。質疑は後日。なお、この法案は「職業生活と家庭生活の両立」という文言が何度も出てくるのに、タイトルは「職業生活」だけなんですよね。どうも、このところ、旧労働省の考えているところが分からない面があります。頑張ってほしい元労働省記者クラブ員(1998年)の私です。この法案の質疑で、衆参とも厚労省政務三役が呼ばれる可能性が高く、終盤国会の日程のかけひきにもなりそうです。また、おそらくこの法律案でつくった「ハコ」は後々、税制改正などに使われるかもしれません。
【衆議院文部科学委員会 同日】
一般質疑の後、午後から、「2020年東京オリンピック・パラリンピック特別措置法案」(187閣法29号)と「2019年ラグビーワールドカップ特別措置法案」(30号)が趣旨説明され、質疑されました。 最後に、今後、関係する委員会から求められた場合は、連合審査会を開くことが委員長に一任されました。