(このエントリーの初投稿日時は2015年3月17日午前11時で、それからバックデート)
[写真] 国会前庭から見る、国会議事堂、きょねん4月、筆者(宮崎信行)撮影。
第3次安倍内閣は、ぬけぬけと、平成27年2015年3月13日(金)、「労働者派遣法改悪案(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案)」(189閣法43号)を閣議決定し、衆議院に提出しました。
昨年の第186回通常国会では衆議運が付託しないまま審議未了廃案。第187回臨時国会では衆・厚労委で趣旨説明と質疑が行われながら、安倍首相の解散宣言で他の法案を優先したうえで、解散により廃案となっています。
この法案がたびたび出てくる背景には、パソナ・グループが第45回衆院選から第46回衆院選まで、自民党前議員が3年3か月間浪人している間に、月1回の講演活動や、政治活動に時間を優先できる雇用などで、個人に対して報酬を払っていたことが効いているとの見方があります。これらは国会議員資産等公開法は浪人ですから当然関係なく、政治資金収支報告書にものぜる必要がない個人の所得です。多額の政治献金をする企業や団体よりも、ていねいに細かく、政界での発言力が増したようです。このように、「その都度投票」の振り子をつくると、こういう現象が起きるというのは、私にとっても予想外で、興味を持っています。昨年末振り子が止まりました。今後はなるべく振り子はゆすらないようにしながら二大政党制を一歩一歩進めることで、政治を国民の手に取り戻さなければなりません。
今回の法律案では、まず施行日を「4月1日」から、「ことし9月1日施行」に書き換えました。半年ではなく、5か月というところに圧力の強さを感じます。労働政策審議会のとりまとめには入っていたのに、厚労省の法文化作業で落とされた、「派遣労働は、臨時的、一時的な働き方であることを基本とする(テンポラリーワークの原則)」が第25条に書き込まれました。前回同様に「特定派遣業も届け出制から許可制にする(正確には、特定派遣と一般派遣の区別をなくす)」という規制強化が盛り込まれており、地方の零細派遣会社(マネキン紹介所、家政婦紹介所、CADCAMオペレーター派遣会社)が、パソナグループ、テンプスタッフ、リクルートなどに買収合併されるリスクが高まります。
その他の条文については、過去に書いたエントリーのうち、下につける合計3本に尽きていますので、後ろにつけることにします。
この法律案を閣議決定した後のぶら下がりで、塩崎恭久厚労大臣は「3度目の正直というのがありますから、必ずこの国会でしっかりとした御審議をいただいた上で、早期に成立をしていただければありがたいなというふうに思っております」 と語りました。
これに対して、岡田克也民主党代表は「「2度あることは3度ある」ということで廃案を目指して、しっかり頑張っていきたい」、「(野党共同で提出予定の同一労働同一賃金法案は)出すタイミングとかは当然法案の審議とも関わりますので、そういうことも含めて総合的にしっかりとした判断をしていきたい。つまり、この法案(労働者派遣法改正案)を通さないためにどうすればいいかという視点で、いろいろなものを組み立てていきたいと思います」 と語りました。
審議の見通しとしては、厚生労働委員会は、国保を都道府県単位にする法律案(189閣法28号)のほか、社会福祉法人の改革法案(未提出)などを先に審議する見通し。さらに最終局面では、 「ホワイトカラーエグゼンプション(高度プロフェッショナル制度)を新設する労働基準法第14条第1項などの改正法案」(未提出)の審議を「盾」にして、派遣法改悪法案の廃案をめざすと考えます。ですから、解散10分前に成立した「高度プロフェッショナルの有期労働を5年から10年に延長する特別措置法」(平成26年法律137号)によって、同じ大学で今春6年目を迎える有期の大学教授なんかも声を上げないといけません。物理学だろうがなんだろうが、「先生」と呼ばれる人なんですから。
労働者派遣法改悪法案の内容に戻りますが、繰り返しますが、次の3つの過去エントリーにつきていますので、お読みいただきたいと考えます。
[当ブログ内2014年3月23日付エントリーから引用はじめ]
◎自民党政府、労働者派遣法改正案を提出、生涯派遣で一生搾取の「リンカーン前米国」化の奴隷法案を許すな
自民党政府は、ぬけぬけと、2014年3月11日(火)、第186通常国会に「労働者派遣法改正法案」を提出しました。
この法律名は、民主党政権時に野党・社民党の協力を得て、2012年タイトルが変わっています。
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」
となっています。
これらを改悪する法案が「労働者派遣法改正法案」で、議案番号として、第186閣法56号と振られています。
では、何が問題なのでしょうか。
1985年は、男女雇用機会均等法に続いて、労働者派遣法ができました。この中(第40条の2などに基づく施行令)で、「専門26業務」として、タイピスト、社長秘書、翻訳、アナウンサーなどが派遣労働の対象となりました。
やがて、派遣会社は大きい会社になっていきました。私が以前、席を隣にして働いていた「日経スタッフ」所属(登録?正社員?)の派遣労働者は、今は同社の身売りにより、「テンプスタッフ」という会社になっています。
現行の労働者派遣法の第2節、第30条から第38条には、「派遣元事業主の講ずべき措置など」が定められています。「派遣元事業主」とは、テンプスタッフなどの派遣会社のことです。
現行法には、教育訓練の実施などがあります。改正法案第1条は、これらの多くの条文を改正することを盛り込んでいます。
この中に、「第30条の2」を新設するとの条文があります。
自民党政府が提出した改正法案は次のように書いてあります。
「第30条の2 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者が段階的かつ体系的に派遣就業に必要な技能および知識を習得することができるように教育訓練を実施しなければならない。この場合において、当該派遣労働者が無期雇用派遣労働者(期間を定めないで雇用される派遣労働者をいう。以下、同じ」)であるときは、当該無期雇用派遣労働者がその職業生活の全期間を通じてその有する能力を有効に発揮できるよう配慮しなければならない。」
という文章を法律に加えるように書いてあります。
派遣元事業主は、2年ないし3年の派遣期間を終えた派遣労働者から、「引き続き働きたい」との希望があったら、
(1)派遣先への直接雇用の依頼、(2)新たな就業機会(派遣先)の提供(3)派遣元事業主において無期雇用(4)その他安定した雇用の継続が確実に図られると認められる措置ーーのいずれかを講ずるとしています。もちろん(1)の派遣先への直接雇用の依頼、つまり正社員化が基本です。しかし、(3)派遣元事業主において無期雇用となる場合があります。
ここが大問題です。18歳から派遣で働いた20歳が、テンプスタッフから「こちらの会社で無期雇用」としてもらう。そして、「やがては日経新聞記者になれるかも」との期待を抱かせて、派遣先である日本経済新聞社の補助アシスタントして、低賃金で60歳まで働き続ける。しかし、正社員と派遣労働者の均等待遇は欧州と違い、日本では実現していません。派遣労働者にはベースアップ(賃金表の改善)がありませんから、「同一労働同一賃金(同一価値労働同一賃金)」のILO憲章前文の実現は、日本では夢のまた夢です。
ここで、「いやまあそういうけど、安くても働き続けられれば幸せだよ」などと言った瞬間にあなたが奴隷。病気になればポイ捨てですよ。
となると、20歳から60歳まで、40年間、同一価値労働を、正社員より安い賃金で働く派遣労働者が自民党政府が3月11日に提出した改正法で生まれることになります。これが、奴隷制でなくて、何なんでしょうか。奴隷ですよ、奴隷。
自民党が3月11日に提出した法案は、派遣元事業主が派遣労働者を「生涯ハケン」にして、一生にわたり搾取し続けることを可能とする奴隷化法案です。
その証拠の一つとして、労働組合関係者も加わってつくった労働政策審議会答申にあった、「派遣労働は一時的、臨時的な働き方(テンポラリーワーク)である」との文言が、法案から落ちていることについて、内閣法制局第四部長は14日の参・大臣所信演説への一般質疑で、「法制局チェックに持ってきた時点で書いてなかった」と答弁してくれており、官僚の中からも、私たちの味方が出てきています。
ところで、厚労省は派遣労働者の正社員化に向けて、「キャリアアップ」という言葉を繰り返し言います。なんとなく理解しがちな「キャリアアップ」とはどういう意味でしょう。すでに存在するキャリアアップ助成金とは次のような制度です。
[厚労省ウェブサイトから引用はじめ]
有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(正社員待遇を受けていない無期雇用労働者を含む。以下「有期契約労働者等」という)の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、これらの取組を実施した事業主に対して助成をするものです。
本助成金は次の6つのコースに分けられます。
I 有期契約労働者等の正規雇用等への転換等を助成する「正規雇用等転換コース」
II 有期契約労働者等に対する職業訓練を助成する「人材育成コース」
III 有期契約労働者等の賃金テーブルの改善を助成する「処遇改善コース」
IV 有期契約労働者等に対する健康診断制度の導入を助成する「健康管理コース」
V 労働者の短時間正社員への転換や新規雇入れを助成する「短時間正社員コース」
VI 短時間労働者の週所定労働時間を社会保険加入ができるよう延長することを助成する「短時間労働者の週所定労働時間延長コース
[引用おわり]
このように厚労省が言っている「キャリアアップ」とは、同じ会社の中で、非正規から正規雇用に転換することを言っています。私の定義では、これをキャリアアップと呼びません。外国発祥の商業者で、学生アルバイトから正社員になった現在40代の社長が複数いますが、今の日本の会社で、30歳の非正規が正社員化されて「キャリアアップ」と呼ぶでしょうか。それを口実に、会社は国からお金をもらっている。
この法案は、日本を、リンカーン前アメリカ同様の奴隷社会にする法律。まして日本では肌の色が同じなのに、奴隷制を敷くことになる天下の悪法です。例えば、今国会で成立しなくても、自民党がこのような天下の悪法を法案として提出した事実は絶対にゆるぎない。
私は、自民党がこの法案を提出したこと自体を絶対に許しません。私の正義が許さない。自民党はここまで堕ちたのか。自民党よ、恥を知れ!と断言します。
「自民党政府が提出した」という事実をしっかりと残す意味もあり、早めにこの法案の問題点を引き続き、書いていきたいと考えています。
なぜ、このような悪法を自民党が押し通すのか。その背景の一つとして、政権交代後、安倍自民党は、黒田緩和1か月後の2013年5月に1万5000円を越えて、年末に最高値を更新。しかし、アメリカFRBのイエレン新議長の下での金融引き締めで下がってきています。きょう(23日)付の朝日新聞2面は「首相側が、特に外国投資家の受けがよいとアピールするのは、労働規制の見直しだ。雇用の安定が損なわれる懸念もあるが、株価対策につながり、経済界も強く要望する」と書いています。
安倍首相は、アベノミクスの成果として、日経平均株価を気にしていて、外国人投資家は労働者派遣法改正法案の成否を意識しているという背景があるようです。ところが、欧米・韓国と違い、日本は、終身雇用を前提とした賃金表があり、正社員と派遣労働者間の均等待遇がまったくない、という状況は、これは外国人投資家も知らない。で、たぶん自民党の政調審議会、総務会の議員もそこまで分かっていないのでしょう。
廃案に持っていくために、野党はこの法案についてあまりアピールしないというスケジュール感を持っているようにも思えます。6月22日(日)の会期末までに参議院で可決しなければ廃案になるからです。JEED不正入札事件の徹底追及も、法案審議入りを遅らせる意味合いも多少は含んでいます。
ただ、共産党の大門実紀史さんがテレビ入り参予算委で取り上げました。彼は「まあ、法案審議はまだ先でしょうから、きょうはこのくらいにとどめます」としました。このように、目立たないようにして廃案にさせるという手法をとるわけですが、もうそんな時代じゃないでしょう。「落としどころを先に言う政治」に転換していきましょうよ。すでに3月11日に自民党政府が提出したことは官報にも記載済み。野党共闘で、ニコニコ動画で討論会して、6月22日審議未了より前倒して、法案そのものを自民党政府が衆議院に対して撤回要求(国会法59条)するところまで追い込む。そういう戦術があってもいいんじゃないでしょうか。
ぜひ、良識ある自民党員のみなさまにも、この天下の悪法を廃案にするよう、所属支部・県連の党本部幹部・厚生労働部会関係の国会議員に働きかけてくださいますよう、民主党員の立場からもお願い申し上げたいと思います。
[引用おわり]
[当ブログ内2013年8月21日付エントリーから引用はじめ]
キャリア女性1985年夏の敗戦 タイピスト、翻訳、通訳など労働者派遣法「専門26業種」廃止へ
きのう(2013年8月20日火)、この法案の基となる「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書」ができました。
これに関する情報は、
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000015879.html
のホームページから取り出すことができます。
1985年というと、竹下登先生が大蔵大臣としてプラザ合意を実現したバブル絶頂期。この第102通常国会では、男女雇用機会均等法(昭和60年法律第45号)」が昭和天皇によって6月1日に公布されました。
そして、7月5日には「労働者派遣法」が昭和60年法律88号として公布されました。
これは自民党政権が男女雇用機会均等法とセットで、労働者派遣法により、女性大生にいわゆる総合職としてキャリアサラリーマンとして企業戦士の道を選ぶか、あるいは、通訳、翻訳、タイピスト、社長秘書として、派遣労働者になるかを迫るメニューの提示だったのでしょう。
「育児休業・介護休業法」が公布されたのは、1991年5月15日法律76号として、今の天皇陛下によって公布されました。このころには、おそらく住友銀行は不動産融資から撤退しはじめ、バブル崩壊という言葉は世間にはありませんでしたが、後から指標を振り返ればバブルは崩壊しだしたころです。
この1985年の男女雇用機会均等法とセットでつくるべき法律は、育児休業・介護休業法であったことは言うまでもなくこの6年間の遅れが日本社会を崩壊に追い込んだ、まさに「1985年夏の敗戦」としか言いようがありません。
さて、報告書通りに、自民党が法律改正に成功すると、企業はある職種を人を変えれば、ずっと派遣労働者に任せ続けることができ、常用雇用の義務がなくなります。私は、来年の通常国会中に原発事故から3年が経つ東京電力が「原発廃炉業種」を派遣労働者にまかせっきりにするための法改正ではないかと考えます。
専門26業種は実は法律ではありません。労働者派遣法施行令の第4条などに決まっています。「施行令」なので、事実上、厚労省官僚の一存で変えられるものです。
専門26業種は次の通り。
(1)パソコンのシステム・プログラムの設計(SE)
(2)機械の設計・製図(CAD・CAM)
(3)放送番組の映像・音声機器の操作(カメラマン、サウンドマン)
(4)放送番組の制作における演出(ディレクター、アシスタントディレクター)
(5)事務用機器の操作
(6)通訳・翻訳・速記
(7)秘書
(8)ファイリング
(9)市場調査
(10)財務処理
(11)対外取引・国内取引の文書作成
(12)高度の専門知識が必要な機械の性能・操作方法の紹介・説明
(13)添乗員・旅行者送迎
(14)建築物の清掃
(15)建築設備の運転・点検・整備
(16)建築物・博覧会場の受付、案内(コンパニオン)
(17)科学に関する研究開発
(18)事業の実施体制の企画・立案
(19)書籍の制作編集
(20)商品・広告などのデザイン
(21)インテリアコーディネーター
(22)放送番組の原稿朗読・司会(アナウンサー、局アナ)
(23)OAインストラクション
(24)テレマーケッティング
(25)セールスエンジニアの営業
(26)放送番組における大道具・小道具などの制作・設置など。
一見してわかるのが、テレビ局関係が多いということ。このため、派遣労働に関する報道は、新聞では熱心にされますが、テレビでは「現場の空気」から報道されない傾向があります。これはやむを得ないでしょう。この専門26業種で、けさの朝日新聞によると、現在64万人が働いているようです。
もちろん労働組合法第7条などで、使用者(企業)は労働組合との団体交渉をしなければいけない義務がありますので、労働組合に入っている派遣労働者は、対等な関係で使用者と交渉できます。ただ、「人事に聞いても延長についてはっきり答えてもらえないので」という大手出版社の女性編集補助者が「雇用を延長してもらうために、今一生懸命、たくさんの新しい企画書を出している」と聞いて、その場にいた全員で沈黙してしまった経験もあります。やはり、労働組合に入るのが第一歩でしょう。
まさに、労働者殺しの自民党。
1985年法の施行直後から派遣労働をしている人を知っています。早稲田大学文学部卒の女性で、1990年代前半に私が学生時代に新進党衆議院総支部でアルバイト(兼)ボランティアをしていたころに働いておられました。私のイギリス議会史の先生が文学部でゼミを持っていたころのゼミ生だったそうで、初期のころから派遣労働をしており、学生時代の女性の友人と旅行したり、食事したりするのが楽しかったそうです。私の総支部はついに一度も当選できなかったのですが、平日に休みをとって、土曜日はだいたい出勤なのですが、土曜日だけ金ラメ入りのスーツを着て、先輩秘書から「あ、地が出てきましたね」とからかわれたり、事務所の運営の悪い面を、土曜日の帰宅の電車でこっそり教えてもらったりしました。その後、日本を代表する派遣事業者の設立にかかわり、現在は役員として活躍されているようです。その広告を見ると、日本を代表する御用会社と航空会社の共同出資子会社ということで、今も昔も変わらず、キャリア女性の心をくすぶる心理学が健在であることを感じます。
高学歴の人は、学業熱心なら人ほど、政治家が敷いたレールにあっさり乗ってしまうので、時代の変化に対応できず、奴隷になっていきます。私も同年代のサラリーマンの奴隷ぶりには落胆しますが、同情はまったくしません。政治を変えてこそ、社会の一員です。当事者意識はいつでも持てるかもしれませんが、当事者能力は学生時代から当事者意識を持っていないと備わりません。「そなえよつねに」という国際的なボーイスカウト(ガールスカウト)運動で使われている考え方を支持したいところです。
労働者派遣法は、民主党政権で「労働者派遣事業の適正な運営の確保および派遣労働者の保護にかんする法律」に名称が変わりましたが、実態は変わっていないようです。そして、自民党政権により経団連の要請をうけて、ふたたび労働者切り捨てが加速します。
民主党がしっかりチェックしていかねばなりませんが、いかんせん、選挙に負けたしまったのでどうにもなりません。私は来週27日の連合の「職場から始めよう運動」のシンポジウムに行こうかと思って予約済みです。一人一人の労働者の駆け込み寺になれるような信頼と知識を一人一人の党員、一つ一つの総支部が身に着けなければ、3年後の政権復帰はありません。
[引用おわり]
[当ブログ内2013年8月6日付エントリーから引用はじめ]
自民党政府、労働者派遣法改正法案を第186通常国会に提出へ 「40条の2」再改正
自民党政府が、2014年1月召集の第186回(?)通常国会に、労働者派遣法(改正法案を提出する考えであることがわかりました。
2013年8月6日朝、NHKと日経新聞が厚労省の審議会が労働者派遣の見直し案を取りまとめていると報じました。
労働者派遣法第40条の2などで、派遣労働は1年まで、個人によって、会社が労働組合と相談し、1年以上3年以内の期間、としている派遣労働期間について、個人は引き続き3年までですが、人を変えればその職種はずっと派遣労働者のままでかまわないとするアイディアのようです。
この労働者派遣法40条の2は読みづらく、派遣労働者の多くが読んでも分からない条文になっており、さらなる改正で、派遣労働者の手足を縛るのが政府自民党のねらいのようです。
2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故から、来年3年間が過ぎることから、引き続き本社正社員ではなく、下請け派遣労働者に原発の仕事を続けさせる狙いもありそうです。
経団連と本社が隣接する日経新聞1面では「企業は幅広い業務で派遣を活用でき、派遣労働者のキャリアアップにもつながる」「派遣への規制を強めた民主党政権時代の方針を転換する」「正社員の労働組合は反発しそうだ」として、経団連と厚労省を持ち上げ、民主党と労働組合をたたきました。とはいえ、この記事を書いている記者も、新聞労連日経労組の組合員(日経労組は入社後6か月で強制加入)。日本でイチバンむなしい労働者が日経新聞記者なのです。
通訳、翻訳、タイピストなどの「専門26業種」をなくす案もあると日経新聞は報じています。これは労働者派遣法施行令の4条なので、自民党政府と厚労省官僚の一存で変えることができます。
改正労働者派遣法はまだ施行11か月目なので、相次ぐ改正で労働者の相談に乗れない体制をつくりたい自民党政府と経団連の思惑もすけてみえます。
労働者派遣法の正式名称は民主党政権時代に変わり、から「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」になっていますが、自民党政権で、派遣労働者の使い捨てがふたたび加速します。
[参考引用はじめ]
労働者派遣法第40条の2
(労働者派遣の役務の提供を受ける期間)
第40条の2 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(次に掲げる業務を除く。第3項において同じ。)について、派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならない。
1.次のイ又はロに該当する業務であつて、当該業務に係る労働者派遣が労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行を損なわないと認められるものとして政令で定める業務
イ その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務
ロ その業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務
2.前号に掲げるもののほか、次のイ又はロに該当する業務
イ 事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であつて一定の期間内に完了することが予定されているもの
ロ その業務が1箇月間に行われる日数が、当該派遣就業に係る派遣先に雇用される通常の労働者の1箇月間の所定労働日数に比し相当程度少なく、かつ、厚生労働大臣の定める日数以下である業務
3.当該派遣先に雇用される労働者が労働基準法第65条第1項及び第2項の規定により休業し、並びに育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)第2条第1号に規定する育児休業をする場合における当該労働者の業務その他これに準ずる場合として厚生労働省令で定める場合における当該労働者の業務
4.当該派遣先に雇用される労働者が育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第2条第2号に規定する介護休業をし、及びこれに準ずる休業として厚生労働省令で定める休業をする場合における当該労働者の業務
【令】第4条
【則】第33条、 第33条の2
《追加》平11法084
《改正》平11法160
《改正》平15法082
《改正》平24法027
2 前項の派遣可能期間は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める期間とする。
1.次項の規定により労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間が定められている場合 その定められている期間
2.前号に掲げる場合以外の場合 1年
《追加》平15法082
3 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元事業主から1年を超え3年以内の期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けようとするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間を定めなければならない。
【則】第33条の3
《追加》平15法082
4 派遣先は、前項の期間を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、当該派遣先の事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合に対し、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者に対し、当該期間を通知し、その意見を聴くものとする。
《追加》平15法082
5 派遣先は、労働者派遣契約の締結後に当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る業務について第3項の期間を定め、又はこれを変更したときは、速やかに、当該労働者派遣をする派遣元事業主に対し、当該業務について第1項の規定に抵触することとなる最初の日を通知しなければならない。
《追加》平15法082
6 厚生労働大臣は、第1項第1号の政令の制定若しくは改正の立案をし、又は同項第3号若しくは第4号の厚生労働省令の制定若しくは改正をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。
[引用おわり]