宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

連休明け国会は、潮目変わったようで、「米議会演説と憲法」で首相の姿勢に抗議殺到 

2015年05月07日 18時33分14秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【画像】船田元さん、武正公一さんらのようすを伝えるおひるのNHKニュース、NHKニュースウェブからスクリーンショット。

【平成27年2015年5月7日(木) 法律公布】


 厚生労働省独立行政法人改革法(平成27年5月7日法律17号)
 改正競馬法(平成27年5月7日法律18号)
 船舶の上限の引き上げる条約の国内実施法(平成27年5月7日法律19号)
 改正福島復興再生特別措置法(平成27年5月7日法律20号)
 
 を、天皇陛下が公布なさいました。これで、今第189回国会の制定法律は20本になりました。

【同日 衆議院憲法審査会】

 まず、地方公聴会を6月15日(月)、高知県で開くことが採決の結果、賛成多数で議決しました。

 今後の運営について、自由討議が行われました。

 民主党の武正公一さんからは「立憲主義のあり方。昨年7月1日の閣議決定、4月27日のガイドライン、29日の米議会演説での「安保法制は夏までに(成就・成立させる)」という発言があった。立憲主義は専断的な権力を制限し、国民の権利を確保するためにある」と発言しました。そして、「前回衆院選で選挙報道が3割減った。自民党による公正中立を求める文書が影響したのではないか。特定秘密保護法の施行も大きい」と語りました。

 共産党の赤嶺政賢さんは「他国支援の恒久法をつくることは、米軍の戦争支援国家への集大成といってよい。まして、この国会で成就することを米議会で宣言したのである。日弁安全保障条約が1条も変えられていないのに、なぜ条約を根底から覆すのか」と話しました。

 民主党の長妻昭さんは「ホルムズ海峡は公海ではなく、他国と他国の領域だ」としました。共産党の大平喜信さんは「進学するお金がない、奨学金(学生ローン)が返せないという理由で、自衛隊に入る人がいる。地球の裏側で殺し殺し合う戦争立法は認められない」としました。

 民主党の辻元清美さんは「憲法解釈の変更には限界があり、米議会演説で安倍首相は「ここでご報告したいことがある」と語ったが、日本国内での法案の提出の前に、米議会に報告している」と述べました。

 このように、2015年4月27日から29日までの、ガイドラインと米議会演説、昨年7月1日の閣議決定と国の存立をまっとうする切れ目のない安全保障法制の整備法案(未提出)と日本国憲法との関係について、発言が相次ぎました。この間、大型連休なので、自分で書いていても、持論を確認できなかったのですが、地元に帰っていた国会議員が連休明け初日に語ったということで、自信が持てたし、大きく潮目が変わったように感じます。

 きょうは、マーケット市場でも連休中の海外での株安、債券安、原油高などを反映したようで、日経平均株価が前の営業日と比べて1%以上急落、債券市場は同じく3割ほど下落(長期金利は上昇)、原油先物は高くなりました。アベノミクス市場も潮目が変わったのかもしれません。

【同日 参議院外交防衛委員会】

 遅れ気味のペースのため、連休明け初日の木曜日に委員会が開かれました。

 「気候変動枠組条約のための緑の気候基金への拠出法案」(189閣法21号)が審査され、全会一致で可決しました。

 審査では、民主党の福山哲郎さんが、「安倍訪米一色だったワシントンからきょうの質疑のためにきのう帰ってきました。アメリカでは野党の立場から、安全保障法制は国会では議論されていない、法案はまだ提出されていない、国民の理解は進んでいない、と話してきました」と話しました。

 当ブログでは、例えば2008年1月11日付エントリー記事(民主党、地球温暖化対策基本法(仮称)を提出へ 温暖化対策本部を設置)など、第1次野党時代から気候変動枠組条約にもとづく二酸化炭素排出量の削減に関心を寄せており、政権交代直後に国連総会上で喝采を浴びた、旧民主党地球温暖化対策推進本部(岡田克也本部長、福山哲郎事務局長)の改革の行方を、福山さんがフォローしました。

 福山さんは「気候変動枠組み条約締結国会議に向けて、日本は2005年基準と2013年基準の2つの基準を出している」と批判しました。

 岸田外相は「二酸化炭素排出量は2008年リーマンショックで減り、2011年原発事故で増えた。ただ、2005年と2013年で比べると排出量は変わらない。そこで、2005年基準と2013年基準を出すことで、変わらないことを説明したい」としながら、基準が2つある国は日本だけだと認めました。

 福山さんは外務副大臣時代に知り合った当事者から「日本はどうなっているんだ」と言われていることをあかし、「今年の11月、12月のCOPは大事だ。役所同士が調整してもまとまらないので、政治がリーダーシップをとってほしい。将来の気候変動枠組みの持続性を心配している。気候変動に自民党政権は消極的なのではないか」としたうえで「なお、私たちは緑の気候基金の生みの親なので、法案には賛成したい」と発言しました。

 以上。

以上
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

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宮崎信行の公式ホームページを公開しました。一度見てみてください。

ツイキャスラジオ始めました。いろいろおしゃべりしています。

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ほとんど放送事故だった、安倍ちゃんがホルムズ海峡答弁で言葉を失った本当の理由とは?

2015年05月06日 20時26分06秒 | 第189回通常国会2015年安保国会


 日米ガイドライン再改定にもとづく安保法制の再整備で、もっとも印象的な答弁となった「ホルムズ海峡の機雷封鎖時の日本国の存立危機事態として集団的自衛権行使にもとづく武力行使」。

 これは、第186回国会の閉会中審査だった、平成26年2014年7月14日(月)の衆議院予算委員会で安倍晋三首相(自民党総裁)から出た答弁です。

 私はこの日は直接、第一委員室に行っていて、国会傍聴エントリー記事も書きました。

 このとき、民主党最高顧問(現代表)の岡田克也さんが、昼休みをまたいで質問しました。

 その午後の部が始まってわずか十数分後に、安倍総理の答弁が十秒前後途絶えました。おそらくNHKラジオ第一で、集中して聞いていた方には、何か放送事故でもあったように感じたのではないでしょうか。

 安倍総理の答弁は次のようなものですが、議事録では1回になっている「よろしいですか」は実際には2回言っているので、私が加筆させていただきます。


 「ホルムズ海峡を通るもの以外の供給を得ようとしても高騰しますから、それは当然御理解をいただけるんだろうなと思って話していたわけであります。いわば、どれぐらい影響があるかどうかということを……(発言する者あり)済みません、ちょっと、真剣に話しているんですから聞いてくださいよ。よろしいですか。よろしいですか。

 この、安倍さんが「よろしいですか。よろしいですか」と2回言う場面をスクリーンショットで見てもらうと、左上を見上げ、一度正面を見たのに、もう一度左上を見上げていることが分かるでしょう。
 












 このように4時間40分00秒で左上を見た総理が、01秒でいったん正面を向いたのに、02秒でまた左上を見ています。この間、音声はほとんど途切れた状態になっています。

 さて、この間に何があったのか。

 実は、

 安倍総理は2階一般傍聴席にいた、私・宮崎信行と目が合っていたのです。

 この直前に、何か2階一般傍聴席の方から女性の声が聞こえたようにも感じますが、私は現地でその声は認識していません。そして、2階一般傍聴席を見た安倍総理が私を見たのを認識したので、私はノートを取る手を瞬間的に休めて、安倍総理との視線をこちらからは切らないようにしました。そうしたら安倍総理がもう一度私を一瞥したのです。

 私は安倍晋三さんと面識はありませんが、安倍さんはおそらく私の顔を知っているのでしょう。

 言論界からは「自意識過剰だ」と言われるかもしれないし、永田町というやくざの世界では「おきてにそむいた」と言われるかもしれません。

 悪い意味で歴史的な2015年4月27日のガイドライン、29日の米議会演説から、はやくも1週間たちました。私は宮澤解散、西松・陸山会事件、一体改革政局など何度か修羅場の政局を経験してきました。3年前の一体改革政局と違い、自民党側に政府は移りました。政府や自民党から私に対するしめつけが皆無なのに、言論人は私を牽制してきました。たとえば、ある特定非営利法人(NPO)の理事長。NPOなので、政府から補助金をもらっているでしょう、株式会社にしていない理由はそれしかありえません。損益計算書はうらやましいものかもしれませんが、貸借対照表が潤沢ということはないでしょう。潤沢ならば、財団法人にしているはずだから。

 私よりも社会的地位が高く、社会的影響力がある言論人の方が、こういう歴史的局面で、臆病になるようです。とはいえ、持続可能な経済安定性は私の方があるので、なじるべきでない。

 下町育ちのインテリヤクザである私は、相手からふっかけられて「合見つ(あいみつ)」を取っていることを明かしたり、想定外の事態による工費倍増にも全体の工期を考えて黙認したり、「やくざ」で築いた持続可能な経済的安定性ですが、そうはいっても、「国家国民、子々孫々のことを考えろ」という価値観を押し付けないようにします。私以外はみな、あす生活するために必死なのでしょう。

 極限状態における人は同じような行動をとるものです。このブログでも固有名詞は当面の間、明示しませんが、誰がいつ、どういう局面で、どういう言動をしたか、私は一生覚えているでしょう。

 私はパーティーに誘ってくれる人がいなくなろうとも、テレビ出演のお声がかからなくなろうとも、私一人だけは、「国家国民の8兆ドルの政府債務を返すために、子々孫々を地球の裏側に送り込むことは許せない」と「2015年4月27日」も「2015年4月29日」も主張した。そして、あすからの連休明け国会でも不変。

 安倍ちゃんよ、重要影響事態で、地球の裏側に自衛官を送り込むなら、俺を殺してから行け。

 ◇

 お知らせです。

 平成27年2015年5月5日(祝日・水曜日)、はじめて、「宮崎信行公式ホームページ」を開設しました。 

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武器も提供できるのではないか?2015ガイドライン、別表削除で「これに限らない」後方支援

2015年05月04日 17時11分29秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 2015年日米防衛協力のための指針(いわゆるガイドライン)は、平時にせよ、重要影響事態(現行国内法の周辺事態)にせよ、弾薬のみならず武器も提供することになるのではないでしょうか。

 1997年ガイドラインには、周辺事態の別表があり、この中で後方支援について、「補給=自衛隊施設および民間空港・港湾における米航空機・船舶に対する物資(武器・弾薬を除く。)および燃料・油脂・潤滑油の提供」と書いてあります。2015ガイドラインでは別表自体が削除されました。

 2015ガイドラインは本文中に、平時にせよ、重要影響事態にせよ、後方支援について次のように書いてあります。 

 「日米両政府は、実効的かつ効率的な活動を可能とするため、適切な場合に、相互の後方支援(補給、整備、輸送、施設および衛生を含むが、これに限らない。)を強化する。」

 と書いてあります。

 ということは、平時でも、重要影響事態でも、日本自衛隊は米軍に対して、武器・弾薬を含めた補給ができる、しなければならないことになるのではないでしょうか。

 あくまでも推測すれば、武器としては、弾薬の発射装置である機関銃(おもに住友重機械が製造)、誘導弾(おもに東芝が製造)だとか。無人偵察システムもありえます。それから、我が国は少数とはいえ、アパッチヘリ(富士重工業製)も持っていますが、ハッキリ言って日本の専守防衛にアパッチヘリが必要とは思えないので、中古でお払い箱にするために、補給することもあるのではないでしょうか。

 私は2015ガイドラインは武器の提供に道を開いたと考えています。

 1997ガイドライン全文→防衛省HTML

 2015ガイドライン全文→外務省PDF

 8兆ドルの政府債務のもと、2013年4月の異次元の金融緩和、2014年4月の防衛装備移転3原則、2015年4月の2015ガイドラインと取り返しのつかない下り坂を転げ落ちる日本。 

 どうやら、持続可能な経済的安定を持つ政治ジャーナリストというのは私一人のようです。特定秘密保護法の昨年12月の施行をよしとはしませんが、いずれにせよ、私が言いたいことを好き放題書いていくことが国益になりそうです。ただ、自分の利益が国益だと認識していると、顔が上を向きますので、その際は、バケツの水をぶっかけてください。

  

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長妻昭「平和国家70年の積み上げ壊す安保法制」NHK日曜討論は安全保障だけのいつもと違う憲法記念日

2015年05月03日 22時02分06秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 いつもと違う憲法記念日となりました。

 NHK日曜討論は2時間スペシャル。

 しかし、「集団的自衛権など安全保障と憲法」だけで2時間費やしました。いつもと違う憲法記念日。

 安全保障法制は必要か否か。

 自民党の高村正彦副総裁は「(1972年政府統一見解と2014年7月1日閣議決定とでは、)日本を取り巻く安全保障環境が大変厳しくなっている」「いくら防災をやっても災害をなくすことはできないが、侵略させないことはできる」と語り、72見解を「あてはめた」のが14決定だと強弁しました。

 これに対して、民主党の長妻昭代表代行は「歯止めなく地球の裏側までいくのはいくらなんでもやり過ぎだ。これまでの憲法解釈をめぐる国会の積み上げを一気に壊すものだ」と語り、2015年4月29日の米議会演説での安倍首相の「安保法制を今夏までに成就(成立)させる」との発言の撤回を迫りました。

 日本共産党の志位和夫委員長は「日本が海外で戦争できる国になる戦争立法ではあり、アフガンイ・イラク戦争(と同様の戦争)で戦地まで行って戦争するようになる」と述べました。

 高村さんは野党の発言に対して、「具体的な疑問がどこかハッキリ言ってくれないと分からない」とし「憲法の範囲内だ」とあらためて強弁。長妻さんが「総理発言の撤回は」と問うと、司会者から「お待ちください」と進行を優先されてしまいました。

 この後、高村さんは「安倍成就発言」は「総理が強い決意を示しただけで、何の問題もない」としながら、「私が3月に(与党安保法制骨子案決定直後に)訪米したときにも私は質問されたが、8月上旬に出来上がると言った。野党は2~3国会かかると言っているが」との観測をすでに示していた、と明らかにしました。

 長妻さんは「法案の中身が決まっておらず、閣議決定をしていないので、越権行為だ」と安倍発言をなじり、「米議会で公約にしてしまったのだから、強行採決するのだろう」とけしかけると、高村さんは「何が問題なのか。国会は国会で議論すればいい」と冷静さを失いました。

 高村元外相は「日本人の避難民を乗せた米艦が火だるまになっていて、防護しなくていいんですか」と安倍首相同様に見解を示しました。これについては、リチャード・アーミテージ氏の圧力があるように、私はずっと感じています。

 存立危機事態について、高村さんは「ホルムズ海峡から油が入らないと言っても、原油価格が3割とか5割とか上がるだけでは存立危機事態ではない。ホルムズ海峡から油が入らなくて灯油がなくなり寒冷地で凍死者がでるくらいだ」と、勝手な基準(高村基準)をぬけぬけと雄弁しました。

 それにしても、私に対して「もっと大人になった方がいい」「もっと冷静にした方がいい」「もっと公正中立にした方がいい」とアドバイスする、高学歴大企業正社員が「おし」のように黙っている、5月の街を見ていると、大人って何なんだろう、と感じざるを得ません。

 ◇

 ゆうべ、ツイキャスラジオで、2時間ぶっつずけでしゃべりました。子供と言えば子供です。
宮崎信行のツイキャスラジオ、2015年5月2日午後10時過ぎから、3日午前0時過ぎまで。

徹底糾弾売国安倍訪米・小西洋之完全擁護(1)

徹底糾弾売国安倍訪米・小西洋之完全擁護(2)

 以上 

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今後の政治日程を更新しました

2015年05月03日 08時23分05秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

http://regimag.jp/b/sample/list/?blog=65

有料ブログの「宮崎信行の今後の政治日程」を更新しました。

ご活用ください!

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法律公布、衆議院参議院とも審議はありませんでした 平成27年2015年5月1日(金)

2015年05月01日 16時02分37秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年5月1日(金) 法律公布】

 きょうは金曜日ですが、閣議はなかったようで、法律の公布はありませんでした。 

【同日 衆議院】
【同日 参議院】

 国会審議はありませんでした。

 以上 

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