そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

北海道ではないが起きているか

2016-04-20 | 農業と食
4日前の本ブログに真摯な質問があったので、私の知る限りで答えたいと思います。コメント者は、<マイミー>さんという福岡の方で、質問はTPPの影響と北海道5区の補選の見込みです。
先ず、TPPですが当地で当選している衆議院の代議士は選挙活動中、「TPP断固反対参加しない」と断言していました。支持母体が農協だということを省いても、かなり本人は本気だったのではないかと思っています。今頃になって安倍晋三は、「私はTPP参加しないとは一言も言っていない」と、自民党総裁でありながら、平気で嘘の上塗りをやっています。なんと無責任な男であるかと思いますが、そうしたことを農民はしっかりと見ています。
北海道に限らず農村では、マイミーさんに指摘通り二手に分かれています。
つまり農協を中心として、TPP参入後の補助金の方法と金額を引き出して優位に持っていこうという人たちの集団。それと、そうした条件闘争は結局は関税をいつの日かゼロにするのを前提にしているのであるから。断固反対と国会決議かそれ以上でなければならにという、いわば農本主義に近い人たちの集団に分かれています。私はもちろん後者を支持しています。条件闘争はいずれ日本の農村は壊滅します。農村だけではなく農家が潰れてしまうのでないかと思っています。つまり食糧を生産しない国に墜ちてしまうことを意味します。
若い人たち、特に十代の後継者と呼ばれるような子たちは、それとなく危機感があり都会に出ていく子たちがいっぱいです。農村は高齢化以上に少子化が深刻です。日本の少子高齢化は、まず農村・僻地で起きると12年前の自書で書きましたがその通りに進行しています。TPP問題は若者の意識の中に、深く深刻に突き刺さっている感があります。言葉で今を誤魔化しても、若者たちは本質を見抜いているように思われる。

北海道5区の補選ですが、ここは町村の牙城です。当初は娘婿を担ぎ出した弔い合戦で、楽勝と誰もが予測していました。しかし、共産党がすでに表明していた候補者を取り下げ、民主党(今は民進党)候補を推薦したことで、状況は一変しました。それでも勝ち目はないと大方の予測でしたが、まずは候補者の選定が良かった。池田まきさんという女性の方で、家庭内暴力やシングルマザーという経歴で、実質中卒で介護士をしながら北海道大学の大学院を出るという、悲劇と努力を絵に描いたようでしかも明るく演説もしっかりしている。
民進党と共産党はこれでもかという女性議員を投入している。町村の娘婿を担ぎ出した自民党も、かなり焦ってきたようである。一地域の補選に自民党の要職や人寄せパンダの小泉進次郎など投入し、安倍晋三まで来るというのである。逆に言えば自民党は危機感を抱いているのではないだろうか。
京都三区を不戦敗した自民党は、北海道ではどうせ勝てるからと見込んだことが甘かったのではないだろうか。早稲田卒で一流商社マンでエリート臭がプンプンする娘婿より、生活臭が滲み出ている池田候補がここにきて一気に追い上げていとみられている。現在は横一線化あるいは、若者の支持が厚く浮動票をより多く取り込んでいるだろう、池田まきさんがわずかに有利との見方が多い。
コメント (3)
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