そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

「金融緩和の罠」を読む

2015-01-30 | 財政再建

金融緩和の罠」萱野稔人著、集英社刊760円を読みました。萱野氏が藻谷浩介、河野龍太郎、小野善康の三名と、金融緩和策を対談形式で論じています。
本書は、アベノミクスの第一に矢の経済政策とはなにかを通じて、安倍政権の間違った道を指摘するばかりではなく、日本の現状と選択する道を示しています。
金融緩和によって、円安が生じ株高は計画通りに生じた。その後の政策の弾みになるという説明であるが、デフレ脱却をターゲットにしているアベノミクスは、日本の実態をとらえていない。
デフレになっているのは、三者に多少の違いはあるものの、労働人口に減少がある。現役人口の増加は人口ボーナスと呼び、高齢者が増えることを人口オーナスというそうです。
団塊の世代が人口ボーナスは経済成長を担い、今また人口オーナスとなって生産形態だけではなく、消費動向にも大きな役割を担ってきた。
この大きな物理的現象が生んだ高度成長というインフレの再来を、アベノミクスは目指している。高齢者社会に、生産強要とも労働強要とも取れる成熟社会を無視した政策と言える。
小野氏は、貨幣供給によるインフレは1990年ごろまでで、それ以後にはいくらお札を刷ってもインフレは起きない。河野氏は、労働人口が頂点に達した直後に、なぜかバブルが起きている。これは世界中ほとんどの国で起きていると説明する。
いずれにしても、金融政策などの経済政策とは無縁の、経済動向である。政治家は国民に不利な政策を打ち出せない。社会保障への出資もそうであるが、高齢富裕層が貯め込んでいる、資産の放出をするべきというのである。ヒトは労働して金を得て、これを貯め込むという実態を政治は理解していない。
興味深いのは、高木氏が指摘する公共投資によって投資以上の効果や、相乗効果など起きたためしはないというのである。投資以上の経済活動は起きえないというのである。
いずれにしても、デフレを悪と決めつけインフレにしようと躍起であるが、小手先に金融政策では、富裕層にお金が流れるだけである。日銀は刷ったお金で国債を買いこんで、さも金融緩和政策が成功したかに装負っているだけなのである。
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田舎に来て家畜に触れてはどうか

2015-01-29 | トランプ
名古屋大学の女子生徒が人を殺した。その理由が、『人を殺してみたかった』ということらしい。凶器は斧であるから、惨殺である。しかも一ヶ月上経っている。死体は腐敗が進行し、自宅の浴槽においていたそうである。
その間この女学生は何と思わなかったのである。幼い時から、人を殺したい衝動があったようである。高校時代に同級生に毒を盛ったり、ブログで秋葉原の殺人などに賛意を抱いたりしていたようでもある。
これにそっくりなのが、佐世保の女子高校生が友人の同級生を殺した事件である。彼女も、『人を殺してみたい』と思っていたとのことである。
二人に共通していることが多い。未成年の女子であることもそうであるが、学力が高く犯行の後に反省の態度がない。彼女たちは何らかの苦悩か模索の結果、行き着いた結論であると言える。核家族化した都会の中での生活は、死を体験することもほとんどなく、模索の中で実社会をとらえることが出来なかったのである。

私たち畜産関係者にとって、動物の死亡は日常的である。愛玩動物とは異なり、経済的な飼養価値がなくなれば家畜は淘汰される。それでなくても、乳牛の場合は事故や病気で結構死んでゆくのである。愛情を注ぐ間などほとんどなく、淘汰される。
ある酪農家に、「牛に愛情は注いでも、愛着は持っては駄目だ!」と言われたことがある。日常の営農中に動物の死を積極的に体験し、同時に生命の誕生を体験することで、今回の犯行の彼女たちの抱いていた、苦悩や疑問の多くに答えを見ることが出来るのではないか。
彼女たちの思いは多くの都会の若者が抱いている苦悩ではない蚊と思われる。思春期に田舎に来て家畜に触れる体験をすることで、生命の在り方について何らかの解答が得られるのではないか。とりわけ酪農家は乳牛について、生命の誕生と出生後の扱いや触れ合い、そして死を積極的に受け入れることになる。家畜との触れ合いは、きっと好結果をもたらすと思われる。

とは言いながらも畜産農家の家畜も、近代化のもとに大きくなりすぎて、家畜を生きとし生けるものとして認識することが少なくなってきたのも事実である。下の内容で1月31日に札幌でシンポジュウムを行います。近隣の方々、とりわけ消費者など一般の方々のご来場をお待ちしています。(クリックすると大きくなります)
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沖縄のうるまで原発断ったそうな

2015-01-28 | 原発と再生可能エネルギー
日本の電力会社で、沖縄電力だけが原子力発電所を持っていない。アメリカの占領下にあったっ時期が長いからか、それとも島が多いから導入しなかったと思っていた。
ところがなんと40年前に、うるまで原発誘致の働きがあったそうである。火力発電なども併せて検討されていたようであるが、うるまの海を埋め立てさせるなの一点で、大反対運動が起きて原発は建設されなかったとのことである。
その理由は、「沖縄は戦争ですべてを失った。その自分たちを救ってくれたのが、豊かな海だった。そんな海を埋め立てさせることは絶対にしてはいけない。」というものであったそうである。
解り易い!運動とはこうでなければならない。
安全性がどうだとか、放射性廃棄物がどうだとか、電力代がどうだとか、小賢しいことは一切ない。
原発も基地も、反対理由は山ほどあるが、こんなにもきれいな海を、人の手で潰されることはあってはならない。そうした直感こそ優先されるべきである。
そしてその理由に、平和が欲しい、次世代に残せるものでなければならない、安全性やお金や利権の問題は、その後でいいのではないか。
むかし、うるまで原発建設排除したそうな。良い話である。
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どんどん増えていく安倍軍事費

2015-01-27 | 平和

かつては防衛予算は、国内GDPの1%という論議があった。何の根拠があるわけでもない。与野党が軍事予算の増加を抑制する意味で、申し合せた結果と言える。憲法の精神がどこかで生きていたのであろう。
ところが今の安倍政権は、思ったことを簡単に決めてそのための雑音を簡単に切り離して、直線的に突き進むのである。経済対策に取り組むような姿勢をながら、安全保障と称する、軍事拡大を様々な手口を用いてやっている。上グラフが如実に物語っている。
(クリックすると大きくなります)
この国は財政破たんしている国である。財政の立て直しに、消費増税を国民に訴えた。好意的な国民でも、こんなに軍事費を増やすのかと驚くはずである。社会補償はどうなった。財政再建は何処に行った。
国会も始まったが、集団的自衛権容認のための関連法案が矢継ぎ早に出てくることであろう。あんなに騒がれたオスプレイを、5機も購入するようである。沖縄の予算は削られたが、辺野古基地の新設へのお金はたんまり用意している。
安倍政権はいよいよ馬脚を現した。
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NSCは何の機能もしていないお友達外交

2015-01-25 | 安倍晋三
イスラム国(ISIS)による邦人二名の人質事件は、悲惨な結末を迎えることになるかもしれない。彼らが今日(1月25日)の時点で、湯川さんを殺害したようだが、後藤さんの救出について、安倍政権はどのような手を打つことになるのであろうか?これまでの経緯から多少わかってきたことがある。
まず、安倍政権は2億ドルの支払いを拒否したと思われる。そこでイスラム国は、湯川氏の首を落とし人質交換を打ち出したが、殺害の責任は安倍首相にあると明言しているからである。72時間を守らなかったと言っていない。当初のような潤沢な資金もなくなったようで、金が欲しかったはずである。安倍政権は値切った可能性もあるが、多分条件なども提示したかもしれないが、官房長官は否定しているが拒否した可能性が高い。
あるいは、殺害などまでやらないと、85000キロ離れた日本でオボッチャマは、深刻には受け止めていなかったのではないかと思われる。

先ず何よりも、彼ら二人は早期にイスラム国の捕捉されていた事実がある。特にペーパーカンパニーの社長で軍事おオタクの湯川氏については、もう一年にもなるかと思われる。後藤氏も捕捉されたのは、11月ごろである。
この時点で、イスラム国に対する十分な備えがあれば、NSCを立ち上げて対策を講じておくべきであった。28回も会議を開いていながら、全く議題にすらあげなかった。
邦人捕捉が背景がありながらも、安倍首相はノコノコとエジプトやイスラエルに出かけて、イスラム国に敵対する国を支援を打ち出している。安倍ボッチャマの周辺には、お友達ばかりで忠告者がいなかったのである。
周辺と言えば、現地に責任者として残した中山外務副大臣はれっきとした、ネオコンでイスラエル友好連盟の事務局長である。これだけで中東を刺激しるには十分の男であるが、何も現地につてなどないのである。親譲りの極右翼に事務能力があるとは思えない。
安倍首相は地球儀を俯瞰た外交を掲げていたが、これもお友達になりそうな国にしか行ってはいない。嫌われそうな中国や韓国は行きたくないのである。
内政も外交も人事も、安倍ボッチャマはお友達としかお話が出来ないのである。
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福島第一原発の汚染水処理の延長

2015-01-24 | 原発と再生可能エネルギー
日本政府や報道陣が、イスラム国の邦人二名の人質事件で大騒ぎしている中で、東京電力は昨日(23日)福島第1原発に保管している高濃度汚染水について、政府に約束していた今年度内の全量処理を断念し、広瀬直己社長が資源エネルギー庁の上田隆之長官と面会し伝えた。
19,20日と作業事故で二名が死亡していて、現場が沈んでいるとの報道など、事故処理の本質を隠ぺいするものでしかない。

そもそも、今年度中に処理が完了すると言わざるを得なかったのは、2013年9月に安倍首相が東京オリンピック誘致のために、”The Suitueition is under contorol”(状況はコントロール下にある)なんて嘘ついたもんだから、現場は尻拭いに急がされたのである。ほとんどの対策がトラブル続きなのである。
海側遮水壁については、地下水の流れが全く把握できな状態で、試行錯誤を繰り返すばかりである。
トレンチの汚染水は、凍結壁を設けるはずだった。1500本もの巨大なアイスキャンデーを並べて、世界初の凍結壁を作ったが凍結が上手くいかないばかりか、320億円もの費用がかかかるのである。どうやらあきらめたようである。
サブドレインでの浄化した井戸水の海洋放出は、信用を無くした漁業者の説得に半年もかかっている。
ALPS(放射性物質減少装置)は一日750トンから1260トンにアップしたが、それでも間に合わないばかりか、トラブル続きで計画通りに行っていない。多核種除去設備とされているが、トリチュウムはできない。敷地内には、28万6千トンもの汚染水がまだ残っているのである。
廃炉の道は遠く、40~50年かかるとされているが、東電はその入り口にも立ってはいないのである。

こんな大きな事件であるが、何と報道の小いことか。次第に原発再稼働の現実化と、オリンピックを控えて最小化の報道になったのであろう。忘れやすい日本人は負の出来事を、こころのどこかで風化を望んでいるのかもしれない。
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報復の思想を披歴する石原慎太郎、イスラム国の存在をを肯定する

2015-01-23 | イスラム
政界を遅すぎる引退をした石原慎太郎が、自分勝手な論理を展開している。産経新聞の正論で、石原は、有色人種がキリスト教国の暴力支配によて侵害され、今日に至っている。と持論を述べている。
白人たち、キリスト教の国々が、世界を侵略し支配したというのである。歴史的事実は、文明の格差あるいは軍事力の格差が、アメリカやアフリカを支配した。そうした事実を根拠に、イスラム系諸国がキリスト教諸国がら反撃を受けているというのである。
今回の邦人二名の人質事件もその流れというのである。NOと言える日本でも彼の主張の根底にあるのはは、民族主義と「報復」である。
石原の主張は、やられたからやり返すのは当然という、報復の論理である。武力が民族や文化を破壊したのであるから、暴力による報復が起きて当然というのである。
これでは新たな武力支配が生じるだけである。こうした報復の思想はまた新たな暴力や報復を産むのである。石原には人権も国家や民族の下に置かれている。暴力が時空を超えて過去の被害を理由に報復するのであれば、人類は何も歴史に学ばないことになり、石原はこれを肯定するのである。
イスラム国には、1万人を超えるヨーロッパから、石原の言うキリスト教国からの戦闘員の若者が少なくない。良くも悪くもグローバルになっている。姑息な一国民族主義を根に持つ、軍国少年の考えなど今さら何の意味もない。
本論の冒頭で、石原はイスラム国を肯定するものではないと断っているが、内容として彼は肯定しているのである。情報が一瞬にして世界を駆ける時代に、いまだに民族主義やナショナリズムの存在を肯定する、極めて愚かな主旨の論文、時代錯誤も甚だしく未来を見つめない主張と言える。平和も未来も考えることのない石原の主張である。
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今年は「世界土壌年」です

2015-01-22 | 環境保護と循環
今年はFAO(Food and Agriculture Organization of the United Nations :国際連合食糧農業機関)が決めた、「世界土壌年」(ISY2015)です。昨年は、国際家族農業年とし、世界各国に家族型農業の重要性と必要性を訴えました。安倍政権はこれを無視して、全く逆の大型農業
企業型農業への支援をするようになりました。
今年は、同じ流れで土壌年とし、世界各国に地球上を薄く覆う土壌の必要性と重要性を見直すように活動をします。FAOは土壌の必要性を次のように訴えています。

〇健康は、土壌は健康な食べ物の基礎になる。
〇土壌は、人々に食料、繊維、燃料、医薬品等を培ってくれる。
〇土壌は、この星の生物学的多様性の基礎となるものである。
〇土壌は、気候変動の炭素サイクル(循環)のカギを握る。
〇土壌は、水を保全し干ばつと洪水から守ってくれる。
〇土壌は、食の安全と私たち人類の持続的未来のために欠かすことのできない、根源的なものである。

都会の人たちは便利さのために、大切な土壌を人工物で覆い尽くしてしまっている。僅かに、ビルの屋上などに人工的土壌を設けているが、こうした人々の生活にとって重要な土壌をどれほど実感していることであろうか、甚だ疑問である。
そうした都会の人たちが、食糧の自給率の低下を実感せずに、危機が迫ることを実感しないのではないかと思われる。

FAO事務局長は、「今日、世界では8億人以上が飢餓と栄養失調に直面している。増加する人口を養うためには、現在の食料生産をおよそ60パーセント増加する必要がある。食料の多くは土壌に依存しているので、それを健全かつ生産的に保つことがいかに重要かは容易に理解できる。残念ながら、世界の土壌資源の33パーセントは劣化している。人類が土壌に与える圧力は臨界極限に達しており、土壌の本質的な機能を減少させ、時には消滅させている。 」と述べている。
生命の基本となる、土壌のことを考えていただきたい。攻めて、今年いっぱいは土壌のことについて、機会がある度に本ブログに書き続けたいと思う。
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イスラム国(ISIS)に宣戦布告した安倍首相

2015-01-21 | 国際・政治

安倍首相はイスラム国に宣戦布告をしている。人道支援をしていると、日本人が人質の動画が世界の発信されて、安倍首相は懸命に言葉として取り繕っている。
極悪非道のイスラム国を支援するつもりはないが、彼らを十分刺激する発言を安倍首相はしているのである。
「イスラム国と戦う国を支援する」と明言しているのである。積極的平和主義とは、相手を思わず自らの主張ばかりを続けることである。得意げに中東に乗り込んだのであるが、彼らのことを全く知らずに行動をとったと言わざるを得ない。
その後の言い訳も、行動も十分欧米側についた発言と言ってよかろう。私はこの地を訪れたことがある。日本人に対する彼らの見方は、明らかに欧米というかキリスト教諸国とは異なっていた。大国ロシアに勝利したことや、敗戦後の経済復興など高く評価していた。負けたアメリカに従う不思議さは持ってはいたが、明らかに日本には憧憬の思いがあった。
それはともかくとして、アメリカに従属し続けることは、こうしたリスクを日本は負うことにはなる。それに火を点けて歩いたのが、安倍晋三である。
それにしてもこの17日の発言は、各報道機関は無視しているのであるが、何の予兆であろうか。身代金を払うための地ならしかも知れないが、イスラム国を8500キロ離れた、机上で論じたためである。
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メディアが無視した赤い女性たちの訴え

2015-01-20 | 平和
1月17日に赤い約7000人の女性たちが、暴走する安倍政権に抗議し、国会を囲んだ。
上の記事は東京新聞ですが、他のメディアはほとんど無視した状態です。この日は阪神淡路大震災から、20年の報道が圧倒していた。
集団的自衛権行使容認反対や特定秘密保護法の反対や、辺野古に基地反対や原発再稼働反対を訴えていた。主催者のネットからの呼びかけで、それぞれが何らかの赤いものを身に着けて、大きなインパクトがあった。
丁寧に説明すると言いながら、沖縄の民意を無視する、原発は再稼働する、憲法を無視した集団的自衛権行使容認や、消費増税など、女性がいてもたてもいられなくての、行動であろう。それでも安倍政権は突き進む。
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半自民の岡田新民主党党首

2015-01-19 | 国際・政治
岡田克也が民主党党首に返り咲いた。結局は、若手にも任せられず(細野)、対立軸を鮮明にもできず(長沼)、岡田を選択したことになる。
元々自民党竹下派からの政界入りした、日本最大スーパーイオンの御曹司という人物である。半自民と言ったところが正しい表現であろう。自民党に対する対立軸を持つことができない。集団的自衛権行使容認も、内容にはほとんど触れずに、立憲国家のあるまじき行為という程度である。集団的自衛権に関する本質的問題を指摘できない。
自民党は地方選挙では負け続けている。安倍自民党に対する危うい感覚が国民の中にある。民主党は反転攻勢に出るチャンスである。岡田新党者はそれに対する対立軸を持たない。
アベノミクスも同じである。第三の矢が問題であるという程度でしかない。アベノミクスは第一の矢から間違っている。第一の矢は、際限ない金融緩和で株高と円安を招いている。このことだけでも、富裕層の問題でしかなく、実体経済は動いてはいない。
第二に矢も結局は、国土を強靭にするという名目で、財政投入で景気の喚起を願うだけである。財政再建は程遠い。岡田はこれらを認めたうえで、ネーミングが良いだのと言う。
憲法に対するスタンスも危うい。護憲などとは程遠い考えの下で、発言をしている。ただ人物的には裏がなく、信頼があるのではないかと思われる。
決選投票で、長妻陣営を取り込んだことで、細野陣営と距離を置くことになり、党内に火種が残ったことになる。軍事国家形成へと向かう安倍政権との距離感が曖昧のままである。野党共闘を目指す、細野を支援したグループと袂を分かたなければならない日も来るだろう。
これでは自民党を引き摺り下ろすだけの勢力に成長するとは思えない。いよいよ、安倍政権をのさばらせるばかりとなる。維新とはかなり距離を置くことになった。野党再編は起きることはないだろう。安倍政権の交代と、財政再建は遠のくばかりである。
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表現はどこまでも自由か?

2015-01-17 | 国際・政治
パリの風刺漫画誌シャルリー・エブドは、テロ攻撃を受けて職員10名が殺害される、大事件・甚大な被害を受けた。
それを受けて、通常は3万部発行程度のこの小さな風刺漫画誌は25カ国に訳されて、なんと500万部も発行した。よくやったというには、余りにも大量発行である。事件を逆手にとった、行為と言えなくはないだろうか。悲劇を商品にするとは、いかにもフランスらしくもあるが、金儲けに走る品性を欠く為と言える。
しかも、表紙を飾るのは、あらゆるイスラム宗派が忌み嫌う、預言者を直接風刺したものであると言える。穏健なイスラム教徒も、この行為には批判的である。世界各国の首脳が参加したデモに、モロッコの首相が欠席したが、その理由にシャルリー・エブドのこうした姿勢があるとされる。
表現の自由は品性があってのことであろう。特にフランスならそうした知性はどこかであったはずであるが、かなぐり捨てたと言わざるを得ない。

翻って、日本にこのようなことはないかと思えば、天皇を侮辱する風刺画がこれに当たるかもしれない。日本の場合は、右翼の攻撃が怖ろしく誰も天皇を侮辱するような風刺画は描かない。
世界がこれほど騒ぐ背景は、イスラム国などの脅威が背景にあるが、日本の朝日新聞を攻撃した一連の赤報隊と呼ばれる右翼団体は、摘発されてもいない。
ましてや、表現の自由を訴えて行動した政治家は、少なくとも与党には誰もいなかった。
長崎市長への銃撃も、右翼が天皇責任論を口にした市長へのテロと行為と言える。古くは、社会党の浅沼委員長が右翼青年に、演説会場で刺殺されている。日米安保条約反対をさえこむ行為と言える。言論へのテロ、言論、表現の自由に対する攻撃と、ほんの短い期間騒がれるだけであある。
日本には、表現の自由に対する大きな運動起きてはこない。

今回のシャルリー・エブドが受けた、テロ殺人行為は容認されるべきではないが、反テロ一と表現の自由を打ち出してはいるが、支持する世界各国の思惑は一様ではない。反イスラムの風潮もあり、自国が抱える反政府運動の抑え込みもあり、EUの直面する問題の転嫁などもある。
その中にあって、シャルリー・エブド誌は無限の表現の自由を獲得したわけではないだろう。
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東大よ、お前までもか!

2015-01-16 | 平和
以下は、今日(1月16日)Yahooニュースのコピーである。

 東京大学(浜田純一総長)が禁じてきた軍事研究を解禁したことが15日、分かった。東大関係者が明らかにした。安倍晋三政権が大学の軍事研究の有効活用を目指す国家安全保障戦略を閣議決定していることを踏まえ、政府から毎年800億円規模の交付金を得ている東大が方針転換した。軍事研究を禁じている他大学への運営方針にも影響を与えそうだ。
 東大は昭和34年、42年の評議会で「軍事研究はもちろん、軍事研究として疑われるものも行わない」方針を確認し、全学部で軍事研究を禁じた。さらに東大と東大職員組合が44年、軍事研究と軍からの援助禁止で合意するなど軍事忌避の体質が続いてきた。
 ところが、昨年12月に大学院の情報理工学系研究科のガイドラインを改訂し、「軍事・平和利用の両義性を深く意識し、研究を進める」と明記。軍民両用(デュアルユース)技術研究を容認した。ただ、「成果が非公開となる機密性の高い軍事研究は行わない」と歯止めもかけた。以前は「一切の例外なく、軍事研究を禁止する」としていた。
 東大などによると、評議会は審議機関で、軍事研究の是非など運営方針の決定権は総長にある。総長には審議結果に従う法的な義務はない。それにもかかわらず、東大は評議会での一部の総長らの軍事忌避に関する発言をよりどころに禁止方針を継承してきた。
 東大は解禁理由について「デュアルユース研究は各国の大学で行われている。研究成果の公開性を担保する国際的な動向に沿った形で、ガイドライン改訂を行った」と強調している。
 東大の軍事研究をめぐっては、昨年4月、複数の教授らが平成17年以降、米空軍傘下の団体から研究費名目などで現金を受け取っていたことが判明し、学内の独自ルールに手足を縛られてきた研究者が反旗を翻した。5月には防衛省が、不具合が起きた航空自衛隊輸送機の原因究明のため、大学院教授に調査協力を要請したが、拒否された。

自他とも許す、日本の最高学府の東京大学である。小泉政権の時に、国立大学の経済的自立を推進したはずであるが、国は(安倍政権は)金で大学を釣り、軍事研究をかつて禁じた良心をかなぐり捨てたのである。
安倍晋三はここまでして、軍国化を推し進めようというのである。許しがたい行為である。
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ウイグルの弾圧を強める中国

2015-01-15 | 中国
中国が世界的な反テロの動きに乗じて、ウイグル族などの弾圧を強めている。フランスのテロ事件を世界は一斉に非難し、反テロで団結するかに見える。が、反テロの動きを、国内の反政府勢力の弾圧にもってこいの動きで、これに乗じている国も少なくない。
特にチェチェン紛争を抱えるロシアと、ウイグルとチベットの民族浄化をやっているのではないかと思われるほどの激しい弾圧を行っている中国は、こうした動きに大賛成である。

中国は昨年、ウイグル族の高名な経済学者で中央民族大学の教授である、イリハム・トフティ氏を逮捕し、国家分裂罪の容疑で無期懲役の判決を下している。イリハム・トフティ氏はウイグルの食事も与えず裁判時にはキロもやせた姿をさらしているが、彼の場合は名が知られていて、裁判は公開されたが、多くのウイグル族の人たちは拷問に合ったりし、死刑の判決をいとも簡単に下されている。

中国は今年に入って、公務員に時間内の礼拝を禁止したり、女性のスカーフ使用を禁止した。公務員試験は中国語で行われて、漢族に従順な人たちであるが、この人たちでさえ政治的弾圧を加えようというのである。
私が新疆ウイグル自治区を訪問したのは。30年も前のことであるが、当時は漢族は僅か30%ほどでしかなかった。その当時でさえすでに、年の中央の中央官庁や会社などは漢族が占めて、都市の周辺にウイグル族などの民族が住むという、ドーナツ現象が起きていた。
現在は漢族の方が人口が上回り、経済と政治それに警察力をも掌握している。更にひどい状況な推測に難くない。
新疆には、ウイグルの他に多くの民族がいる。どの人たちも温厚な笑顔で、イスラム教に対しても中東などのように強烈な信念を持っているわけではなかった。中国とは明らかに、民族的にも宗教的にも歴史的にも異なる人たちである。
彼らが暴力的に抵抗するのは、暴力的弾圧と収奪が日常的に行われているからである。
ウイグルはまだいい。チベットは非暴力の仏教国である。毎年数千人殺害されているという報道もあるが、少なくとも数十人の焼身自殺による抵抗者がいることは確かである。チベットは悲惨な状況といって良い。
チベットもウイグルも、地下資源が豊富であり、経済発展する中国(漢族と言った方がいいか)にとっては、欠かすことのできない地域である。どんな理由をつけてでも手放すことはない。彼らへの弾圧が、反テロの名のもとに行われることに耐えられない。
下の写真は、逮捕される前のイリハム・トフティ氏である。
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イギリスの酪農が危機状態

2015-01-14 | 国際・政治
以前にイギリスの酪農家のデモを書いた。今またイギリス酪農が危機的状況になっている。
BBCのネット報道などによれば、1,000戸以上の酪農家に今月乳代が支払われていないとのことである。先月だけで60戸もの酪農家が休業した。今年は粗飼料の出来が悪く、一般酪農家は生産量を落としている。更に購入飼料の負担によって、経営が苦しくなっている。そこに来て乳業会社の乳代の未払いである。上記のグラフはわずかこの13年の酪農家戸数の減少である。驚異的に減少している。
海外資本などが入り込んで巨大な酪農業者が出現して、乳業会社が一般酪農家の牛乳を買うことができないようになった。海外情勢も厳しく、とりわけ中国の進出で乳価が暴落したと報じている。
ロシアからの酪農製品輸入禁止や、スーパーマーケットの低価格競争も影響している。イギリスの牛乳は、オレンジジュースの3分の1程度である。
ここにTPPに甘い言葉を国民に投げかけて、参入を試みようとする日本の未来像があるように見える。酪農家だけではなく乳業会社も被害をこうむることになる。
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羅臼港

春誓い羅臼港