深刻なコメ不足との噂である。都会などのスーパーマーケットの棚からジワジワとコメが消えてしまったとのことである。コメの収穫は落ちてはいるが消費も落ちている。国の備蓄米もないわけでもなく、予期できない回避もできない外的な要因があったわけでもない。
なのにとりわけ都会のスーパーなどから消えたのである。しかもこれからコメは収穫に入る。コメ不足が仮にあっても程なく解決される。パフォーマンスで生きているような吉村大坂知事は、政府に備蓄米を放出するように促している。
農水大臣が官僚のペパーを訥々と読むさまは頼りないが、内容はその通りである。備蓄米は十分あるが、備蓄米を収穫時のこんな時期出すと市場は混乱し、コメインフレになるだろう。農水大臣は頼りない発言であるが、ペーパーの内容は間違っていない。
何故どうしてコメ不足が起きているのか。南海トラフ地震の危機を政府が煽った、日照不足で今年は不作になる、ウクライナ戦争で小麦の値段が上がりコメも上がる、コメ農家の高齢化が進んでいる等々、もっともらしいことが言われているが、どうもどれも的外れとは言えないまでも原因とまでは思えない。
有難いことに、消費者はおコメの食べることを止めるか減らすかして、他の食べものに変えるかしてしのいで。パニックにもなっていない。食べ物はなくはないからである。
原因を特定することは推測の域を出ないが、コメを買い漁って転売する業者の存在を声高に指摘するコメ農家がいる。どうもこの発言にはリアル感がある。上記のような複合的な不安感が社会に広がることが背景にあるだろうが、堅調な売れ行きのアルファー米などの加工御者や、たんまり在庫をかかえる通常の米穀店やコンビニチェーン店も少なくないという。
こうしたことを受けて、在庫を減らして回転を速めるスーパーが、営利至上のコメ加工業者の買い占めなどのターゲットとなって、被害にあったというのが現状のように思える。
米騒動と言うまでもないが、令和の米騒動は茶番劇である。消費者がコメや食料のことを考える機会になってくれるならそれも良いだろう。