いま日本で最も多くの講演をしているのが、東京大学の農業経済学者の鈴木宣弘先生である。「世界でまっ先に飢えるのは日本」というフレーズで、食料問題を訴えられている。
鈴木先生がまっ先に受けたのが、「今だけ、金だけ、自分だけ」という言葉である。先のことも考えず、経済評価と自分しか考えない風潮を表したもので、鈴木先生の軽妙な言葉遣いを背景に、今では誰でもが知る言葉である。
トランプのアメリカ大統領選勝利を受けて、彼の主張をよく見れば、「今だけ、金だけ、自分(自国)だけ」そのものであることに気が付く。
トランプは環境問題に無頓着である。温暖化は謀略だとも述べるし、CO2温暖化悪人説をも否定する。COPを前期在任期間に離脱を仄めかす。
経済のためには何でもやる。彼を支持したアメリカ国民の多くは経済の復活、バイデンで悪かったことを上げている。
そして、中国に60%関税をかけるとは恐れ入った。自由貿易推進を打ち出したのは、アメリカではなかった。少なくともその扇動をやったいたことは事実である。自国の産業を守るのには賛同するが、どうもトランプの場合は国内の事業者の票が欲しいだけであるように思えてならない。
アメリカさえ良ければいいというのは、古くはモンロー主義と呼ばれ、現代の孤立主義でもある。TPPはアメリカをはじめとする、西側諸国が世界経済の大きなうねりと、政権与党が官民挙げて日本に紹介した制度である。従順な日本は、とりわけ欧米に劣等感を持つ日本人は、いずれこのようになると関税撤廃に向けて動き出していたはずである。
アメリカが強い時代は、関税外せで弱くなると関税上げるでは、自国だけ良ければいいということである。今だけの政策方針といえる。こんな浅薄な思想で世界経済を支配されては、日本のようにアメリカン属国に成り下がっている国はたまったものでない。
金さえ儲かるのであれば、温暖化には目をつぶるのである。
トランプの政策は、今だけ金だけ自国だけの、先見のない政策である。