辺野新古基地増設に賛成していた(選挙では卑怯なことに一言も触れていないが)自民党推薦の沖縄県知事選挙候補でさえ、日米地位協定を見直すと公約していた。票が欲しいために嘘を言っていたのは、その後の安倍閣僚の発言で判明している。入閣前にはかなり通りにかなった発言をしていた河野太郎外務大臣は、意味不明の官僚文書を何度のもわたって繰り返し読み上げていた。
地位協定とは治外法権である。日米地協定の正式名称は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」という法律である。治外法権の最たるものは、日本の裁判権の放棄である。アメリカ兵は公務中なら日本の法律が適用できないというのが最たるものであるが、その他基地の建設や兵士の福祉なども日本がする”おもいやり”予算が、日本のアメリカ軍に湯水のごとく支払われている。
日米安保条約発行の1952年から今年の9月までに起きている事件の詳細が、上記の赤旗の記事である。事件件数は21万件を超えている。何よりも死亡者が1092名もいる。これには返還前の沖縄の事件が入っていない。それに、届けていない事件や損害請求しない事件もかなりあるはずである。届けないのは諦めているか、示談もあろうが膨大な事件数が裏にある。これらに推測を加えれば、死者は2000人を超えるであろう。事件数は50万件を超えるではないか。
公務上の事件は、アメリカ兵の公務=戦略行為中の事件であるのを、日本人が妨害したのであるから、補償することになる。米兵が酔っ払って日本人を轢き殺しても、轢かれた日本人がアメリカ兵の公務を妨害したことになる。こんな不平等国家が容認してきたのである。国は国民すら守れない。
その支払いが92億円にもなる。これでも25%負担であるが、一旦は日本が全額を払うことになっている。その検証・監査は日本ではできない。アメリカに国土を踏みにじられた後のイラクの傀儡政権でさえ、裁判権は放棄していない。日本は2000人もの人が殺されたりしても、辺野古新基地建設をするのである。