そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

なんという国家・アメリカ

2008-05-30 | アメリカ

Photo とんでもない内容のノンフィクションを読んだ。「カーブボール」ボブ・ローギン著、田村源二訳、:産経新聞出版刊、という題の本であるが、野球の本ではない。少々値が張る冗長な本をようやく読み終えた。

イラクからドイツに亡命した元イラクの技師のコードネームが、「カーブボール」である。単身亡命したカーブボールは、イラクの家族を国外に出したい。金がない。

彼は、情報を売ることで自らの評価を高めようとした。イラク国内で、生物兵器が生産される様子を、でっち上げ売り込んだ。

なんとイラク国内は、偵察衛星で詳細が突き止められているが、彼は移動するトレーラーで生物兵器を生産していると言ったのである。大型トレーラー3台で、各地を動きながら生産していると告げたのである。

技術屋の告発は詳細であったが、ドイツ国内では疑問視する向きもなくはなかった。細かいところで矛盾があったのである。

このカーブボールの「内部告発」に乗ったのがアメリカである。アメリカはイラク攻撃の、もっともThe_human_cost_of_the_iraq_war01 も信憑性のある情報として、大量破壊兵器の根拠にしたのである。

アメリカは、もともとイラク攻撃を決めていた。単に、攻撃の理由を探していただけなのである。イラク攻撃の、論理的理由などもともと存在しなくてよかったのである。大量破壊兵器は、侵攻する中で、その片鱗でも見つけられればいいと思っていたのであろう。

亡命者たちは、さまざまな情報を亡命国に売りつける。生活の糧を得るためである。なるべくばれないか、ばれるまで時間のかかる情報を垂れ流す。カーブボールの情報も、このたぐいのものであった。

本書はアメリカがまんまと乗っかったような表現であるが、どうやらアメリカは攻撃の理由にさえなれば根拠や信憑性など不要だったのである。開戦後事実が判明しても、何らアメリカは変わることなく攻撃と続ける。

「戦争大統領」ジェームス・ライゼン著、毎日新聞社刊ともども、アメリカの怖さを知る本である。

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お米を検証する

2008-05-29 | 政治と金

いわゆる減反政策と呼ばれているものは、恒久法などではなく年度ごとに取り決められた、いわば申し合わせのような生産調整対策である。30年近い、「減反政策」と呼ばれる生産調整に使われた補助金は、3兆円にもなる。

減反や転作を奨励し金を出しながらも、片方で諫早に見られるように農地造成をやってきた。まる01で一国二制度の間抜けた政策である。しかも、諫早干拓事業や農業用ダムや新たな農地造成の多くは、環境破壊そのものであった。

昨年完成した道東のあるダムなど、40年前には、水田対策としておきながら減反政策が進むと、畑作用に切り替えさらに農家戸数が減って来ると、多目的ダムと言い換えてきた。

この間にも、土木事業は全く取りやめることなどなく、完成してしまった。今や無目的ダムである。農業は、土木事業に食い物にされてきたのである。

お米は、現在800万トンほど生産されているが、細川内閣の時に段階的に輸入を決められている。国内の過不足とは無関係に、定量を輸入しなければならない。現在70万トンほど輸入されている。

この70万トンはおよそ、数万トンが毎年売れ残ってゆく。現在は輸入米の在庫量は、150万トンにもなっている。国内産も20万トン近くが売れ残っている。

政府は、この残っている米を海外へ緊急援助することを検討している。米作りをやめると金出す政策のかたほうで、輸入しておきながらそれを海外に持って行く? 減反政策で見られたような、一国二制度のような矛盾を、またしてもやろうとしているのである。

もう慣れっこになってしまったが、どうしてこの国の政策は一貫しないのだろうか。基本的なことを蔑ろにして、目先だけのことに執着しているからである。

日本の食料自給率が低いのは、「いまさらどうにもならない」論議ではなく、戦後どのような農業政策を選択してきたかを検証しないで、論ずることができない。

とりわけ、まるで主食のお米を生産することが悪行であるような政策の下、懸命に田んぼに稲穂を実らせてきた農民の苦労を理解しなければならない。平均年齢が六五歳をすぎた彼らこそ、日本農業について語る資格がある。

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家畜以下の高齢者対策

2008-05-28 | 政治と金

日本の家畜の多くは、家畜共済に加入している。とりわけ家畜としては寿命の長い乳牛は、ほとんどが加入している。これは国が半分掛け金を負担する、健康保険と生命保険を兼ねた制度である。

この制度は「農業災害補償法」という、法律で維持されている。お米や果樹にも、農業共済制度はある。家畜の場合は、病気になった時の治療と、使えなくなって廃用になる双方の損失を補償することになる。

乳牛など大動物は、一畜舎すべてが加入しなければならない。それぞれの地域と、最近ではそれぞれの農家の事故率に応じた、掛け金率が設定されている。

当然若牛の事故は少ない。年を経るごとに、病気が多くなり病態も深刻になってくる。しかしながら、畜舎の特定家畜を選択的に加入させることはできない。全頭もれなく加入しなくては55 ならない。

一畜舎全体の事故率が農家ごとに設定されているのであるから、事故の多い高齢牛を、元気な若牛たちが補てんすることになる。事故率が高くなる高齢牛といえども、若い時があった。その時は支えてもらったことになる。保険とはこうして、設定された被保険者の事故率で計算されて成り立っている。

今回の政府が出してきた「後期高齢者医療制度」は、こうした保険の基本的原則と精神を踏みにじるものである。事故率の高いものを別扱いすることは、保健制度とはいえない。被保険者よりも、保健制度の維持を優先させた不届きな制度である。家畜以下の制度である。

該当者の怒りは怒髪天に昇り、文字通り「畜生(チクショウ)」である。とりわけ、大家族が当然の農家にあっては、家族から切り離されることへの怒りもあるが、ほぼ全例が掛け金が上がることになっている。

制度の基本原則を否定したこともさることながら、事前の説明が全くなかった。家畜共済の場合は、事前に不利になることは周知させねばならないと指導されている。金融取引法とやらに抵触するらしい。この点でも、「後期高齢者医療制度」は、極めて身勝手な手続きを行った法である。不埒な家畜以下の制度であるとしか言いようがない。

掛け金も、毎年農家から承諾書を取り付けなければならない。黙って天引きなどした日には、どなりこまれること請け合いである。この点でも、家畜以下の制度であるといえる。

もっとおかしなことに、2年前に決まっていたことであるそうだ??小泉改革で、自己責任を高齢者に張り付けたものである。

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お米を考える

2008-05-27 | 政治と金

Ai465e01 世界的な穀物高騰の中で、もっとも値上がりをしているのがお米である。日本では、トウモロコシが値上がりしただの、大豆や小麦が高騰したと騒ぐ。なぜお米を騒がない? 自給しているからである。

食糧危機など、日光量が多く降水量の多い日本では生じえないことである。食料を海外に依存する政策を選択した、為政者の非先見性が今日の現状を生んでいるだけである。

Photo そのお米であるが、世界的な高騰とは全く逆の動きをしているのがわが国である。わずか12年前には生産者価格が、60キロ当たり2万円していたのが現在は1万3千円程度である。米作り農家がが急速に減少するのも当たり前である。

おかげで、国際価格と一時は12倍もあると、財界から叩かれていた格差は2~3倍程度にまでなった。ものによっては、逆転しているものもある。賃金の国際価格 を見ると、いかに日本の農民がこの社会で虐げられているかが解る。

Photo_2米に限ったことではない。これは教訓にすぎない。あらゆる農産物に明日にでも起きかねないことである。

穀物高騰の世界情勢は、食料が戦略物資としての意味をさらに高くしていることを意味している。食糧を自給しない国家は、独立国家としての資質を備えていない。

強制的に食糧生産を止めさせた休耕地を復活させ、お米主体の食生活に切り替えれば、いつPhoto_3でも自給可能である。少し長い目をもった視点さえあれば、いつでも可能なことである。

更に動物蛋白と脂質を主体にした、グルメ志向は国民の健康をも損なうのである。米主体の食生活は、国土を保全することにもつながるし温室効果ガスの排出も抑制する。輸入食料は、輸入と同時に大量の温室効果ガスをも排出する。

今こそ、小麦や大豆や畜産製品の値上がりをすんなり受け入れ、日本の農民と農村を支援し、国民の健康を考え、国内で食糧自給を真剣に考える時期である。

しかしながら、農水省は、このほど長年行ってきた「米の消費動向調査」を打ち切ったのである。何で??

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韓国は米国産牛肉の輸入自由化でもめている

2008-05-26 | ゲノム編集

韓国では、大統領になったばかりの李明博が、実質的に無条件に近い内容で、アメリカ産の牛肉を輸入するとしたことで大いにもめている。大統領の罷免をネットでやっているし、何よりも今080525月に入って17日も街頭デモが行われている。

25日には、ついに拘束者まで出た。「ろうそく集会」と銘打たれて、3000人の080526デモ隊が、道路交通法とやらで弾圧にかかった。不条理な政策に、これほどまで韓国民を熱くする勢いが日本にもあればと思う。

進歩連帯などの1700の団体が、「国民対策会議」を結成して、政権を動かすまでになり、アメリカ産牛肉の自由化反対運動は大きくなった。連合民主党は、米韓牛肉交渉を貫徹するべきと、国会 議員が終結した。

韓国では牛肉に対する食文化としての意味が、日本よりはるかに深い。より一080423 層牛肉に対する不安が、日本より大きいのであろう。ろくにBSE検査をしないばかりか、交渉で080526002 は外されるべき部分を平気で、何度もパックして輸出してくる杜撰さに辟易したのであろう。

このことに関しては、日本もほぼ同じような条件である。韓国のように自由化には至っていないが、アメリカ産牛肉に対してもっと真剣に考えるべきである。日本政府は、自由化のタイミングを見計らっているからである。

なにかあると、牛丼屋ばかりが牛肉輸入規制に不満のパフォーマンスが目につくようでは、何の解決にもならない。アメリカの食に対する対策が、自己責任と市場価格で動いている以上、アメリカは真剣に応じようとしないのである。まともな対策を取るつもりは、思想的に持っていないのである。

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勘違いする日本人

2008-05-25 | 政治と金

低炭素社会の実現のために試合時間を短縮して、地球温暖化を対策に貢献しようとセ・パ交流戦のプロ野球が、腕に緑のバンドをしている。試合時間を短くするように心掛けるとのことである。

一般には300円で売られるようで、100円を温暖化対策に回すというらしい。心掛けは良いし、特別そのことを面と向かって否定はしたくはないが、何か勘違いをしていようでならない。

温暖化対策として、プロ野球が取り組みなら「ナイトゲーム」を減らせばいい。少なくとも、試合時間を数%減らすことよりもよっぽど効果が高い。休日くらいは、ナイトゲームをなくするくらいの対策をやってはいかがか。

この緑のリストバンドのように、何かパフォーマンスばかりが目立つ温暖化への姿勢が目立つ。使用済みのペットボトルの、有効な利用方法を仔細にわたり検討するよりも、ペットボトルを使わ55 なければいいのでないか。使用量を減らす方が、断然効果が高いことははっきりしている。そうした論議はほとんどない。

レジ袋ばかりが目立つ温暖化対策であるが、大したことのない交通事故などに複数の報道がヘリコプターを飛ばして、空撮の映像を電波で流す。こんなことを平気でやることの方がよっぽど無駄遣いで温暖化に貢献している。詳細な計算はしていないが、たぶんレジ袋一都市分の二酸化炭素を排出する取材でないか。

燃費のいい車にしても同じことが言える。燃費がいいから温暖化対策に買い換えましょうなどとするよりも、今ある車を使い続ける方がよほどのことがない限り、温暖化対策にかなっている。車一台分を無駄にする方がおかしい。クーラーや冷蔵庫などの他の電気製品についても同じことである。長年使う方が余程温暖化対策になる。

「地球にやさしい」商品の多くは、今流行りの新たな商品販売のスローガンに乗っかった物ばかりである。そうした大量商品の売りこみの思想そのものが、環境悪化の根源的な問題であることが問われているのであるが、企業側には意識がないだけである。

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知らぬ間の「宇宙基本法」

2008-05-24 | 政治と金

知らぬ間に「宇宙基本法」が成立した。自民が民主を取り込んで、たった4時間の検討で成立した。たった4時間である。

大連合の恐ろしさを垣間見る気がした。いずれ消費税もこうして可決されるのだろうか。

Photo1969年に同法は成立していたが、確かに40年はこの分野では大きな技術的な変化が生じていることは、否めないところである。しかし「平和目的に限る」とされていた、宇宙基本法の基本精神は、いともたやすく外されてしまったのである。宇宙開発は、非軍事に限るとされた理念はなくなったのである。

我が国は、憲法の下「専守防衛」が基本理念である。先だっては、アメリカのお膳立てで、発射されたミサイルを計画通りに撃ち落とす演習が、ハワイ沖でなされた。

日米の共同訓練というよりも、アメリカの言いなりに行動しただけの茶番とも思える演習であった。迎撃ミサイルを宇宙へ発射した、日本のイージス艦の行為そのものが既に、専守防衛の行為とは言い難いものであった。この時点で、同法に抵触する演習である。

演習の成功で、浮かれ気分で帰国途中に漁船をけ散らかしたのは計算外だったかもしれないが、Photo_2この時すでに迎撃ミサイルは、現行の宇宙基本法に反する行為と自民党も思っていたのであろう。「非軍事」目的に限るとした厄介な同法を、ほとぼりが冷めるころを狙って成立させたのである。

アメリカが、イランの脅威を理由にヨーロッパミサイル防衛網を整備しようとしている。もちろん本当の目的は、対ロシアへの威嚇である。ロシアは猛反対をしている。

これを日本は真似ているのである。北朝鮮のミサイル脅威を口実に今回もしている。北朝鮮も困った存在であるが、真の目的は北朝鮮などではないことは明らかである。

宇宙空間まで及ぶミサイル配備は、どう見ても専守防衛とは思えない。さらに技術革新が進む分野である。偽ミサイルを発射させるとか目くらましとかさまざまな対応が考えられ、軍事拡大競争へ進むだけである。

日本の平和憲法の理念は、機会あるごとに骨抜きにされつつある。

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水は最も大切な食料である

2008-05-22 | 政治と金

20世紀は石油の世紀と呼ばれた。さながら石油の争奪戦の世紀ようでもあり、石油は最も汎用範囲の広いエネルギーでもあった。

代わって、21世紀は「水」の世紀と言われている。水は工業用あるいは生活用にも用いられるが、人間にとって最も大切な栄養素であり、食糧生産にも欠かすことができないものである。

さらには水は、人が生きてゆくためにも欠かすことができないものである。四川の震災にあっても、飲用水の確保が最優先課題であることを見てもわかるように、水は最も大切な食料でもあるのだ。

水は食料を通り越して生命維持に欠かせない、もっとも重要な栄養素である。しかも、石油や穀物のように代替え品が存在しない。

この重要な水は、地球上に海水として大量にあるが、淡水に限ると3.5%程度しかない。その淡水のうち我々が利用可能な、河川水に限ると0.01%しかない。ありふれたように見える水であるが、貴重な資源になりつつある。

人が増えて、産業活動に大量に用いられるためであるし、農業生産に使われるからである。さらに、人口の増加とその人類がもたらした温暖化で、水資源が枯渇しつつある。

先進国向けに大量の穀物生産をすることは、環境破壊をおこすことになる。水資源環境をを農業開発で破壊するのである。そして、大規模農業は大量の水を利用するのが常である。水が犠牲になっているともいえる。

家畜飼料として輸入される、コーン(トウモロコシ)は大量の水が必要である。アメリカなどは、灌漑がコーン生産にまず求められる。コーンを輸入するということは、水を大量に輸入することを意味してもいる。

日本は、政策として海外に食料を依存する政策を選択した。今、大きくその矛盾が露わになってきているが、その反省が全くない。自動車などを海外に販売することで、国威を発揚してきたスケープゴートに、農業はなったのである。

水は日本では、もっとも自給可能な食料品である。地球上で水資源が枯渇すると予測される21世紀。日本は、最も大切なお米をはじめとする、食料を自給するための道筋をつけるべきである。

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やっと腰抜けを肉にしないとした米国

2008-05-22 | ゲノム編集

やっとアメリカがダウナー牛を食肉にしないと20日発表した。アメリカのシェーファー米農務長官が、これまで2回検査して通していたダウナーの牛を肉にしないと発表したのである。今まで は、肉にしていいたが、動物愛護団体などの指摘で行ったことである。

Meat_recall02ウナー牛とは、きわめていい加減な言い方である。そそも病名でないし症状名でもない。ダウナーと呼ばれる牛の多くは、分娩後などに起立できなくなった状態の牛を指す言葉である。

低カルシュウーム症(乳熱)、脂肪肝、乳房炎や産じょく期のさまざま な感染症、脱臼や筋断裂などの病名を特定できないか、特定したくない病牛の総称である。

Meat_recall01Hallmark/Westlamd社での、ダウナー牛を虐待する動画が動物愛護団体の告発を受けたり、韓国での牛肉自由化反対運動への動きに対応したものである。もちろん、BSE(牛海綿状脳症:狂牛病)の検査をやるなどと言っているわけではない。もともと杜撰で非衛生なアメリカの食肉体制を改善するわけでもない。

長官は3400万頭中1000頭足らずが対象になると、長官は発表している。わずか、0.0003%でしかないと言っている。日本の御用学者を含めて、BSEを危険率で発表する危うい論争がある。

BSEの発生は、航空機事故よりも少ないと御用学者は主張するのである。航空機事故は、発生すると原因が特定できる。ネジが弛んでいたとかホースに問題があったとか、あるいはパイロットの判断が悪かったなどと原因を特定できる。次への対応が求められるのである。

ところが、BSEは原因そのものが解明されていない。結果生じることに対する、病理的な解明が進んでいるだけである。対策が取れないのであるから、感染した方には、「当たりご不幸」と言いたげな、危険率主義者たちである。

食料の海外依存率を高めることは、国家としての存続を放棄することである。単に危険性からいわれるのではなく、国民の生存権を守ることでもある。この国は、長年にわたってそれを放棄してきたのである。

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飼料が高くなっても知らん顔の酪農家たち

2008-05-20 | アニマルウエルフェアー

今や日本国には、値上げラッシュのようである。海外に60%以上も食糧を依存している現状では、穀物の値上がりで当然のことである。以前に2度ほど書いたが、最も国際価格が上がっているお米は誰も騒がない。

Ai465e01  自給しているものは、そんな海外事情は関係ないのである。同じことが、酪農家にも言える。大規模農家は、輸入飼料依存率が極めて高い。大量に穀物を与えることで、飼料を作らなくても多頭数を飼うことができるからである。

畜産の現場では穀物を「濃厚飼料」と呼ぶ。高カロリーの穀物を与えることで、高生産を家畜に強いることになる。家畜はたまったものではない。高生産農家の家畜は、肥満による肝機能障害の家畜ばかりである。家畜は生産を強制されて苦痛から逃れられない。獣医さんは大忙しである。

こうした、政府のご推奨の大型農家は、海外に依存する穀物の高騰をまともに受けている。畜産農家は、飼料安定基金を積んでいるが、それも底をつきそうである。自民党配合飼料高騰対策プロジェクトチームは、畜産農家の要請を受けて大忙しである。

ところが、酪農にあっては自給飼料を中心に牛を飼っている人たちは、飼料の高騰などどこ吹く風である。多少の出費増はあるが、ほとんど無関係である。食糧安保の姿をここに見ることができる。

自給飼料(草など)を生産して、乳牛に無理をかけずに大切に飼っている酪農家には、事故はほとんどない。1頭当たりの生産乳量は、大型農家の半分。飼養頭数は、3分の1か4分の1Sippo程度である。家畜は健康そのものである。

こうした健全な酪農家を、輸入飼料を無関税にするなどで大型農家を推薦してきた政策から外してきた経緯がある。こんな時代になっても、輸入穀物を何とか安くできないかと画策する政策は、健全な畜産農家を育成しなくなる。

お米が高騰しても騒がないことと同じように、自給飼料主体の酪農家は穀物高騰の時代になっても全く騒がない。ここらで、家畜の健康を考えながら生産する健全な畜産農家を育てる政策を、打ち出してほしいものである。

不健康な家畜が生産する、肉・卵・牛乳をスーパーの安売りで買い求める消費者たち。あなた方はいつまで、安ければいいと思っているのですか? 多少高くても、健全な畜産製品が欲しくありませんか。

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怯えるか中国首脳

2008-05-19 | 政治と金

1976年に中国で、史上最大の地震が発生した。死者は22万人とされているかってない惨事であった。のこの年には。周恩来が1月に亡くなり、毛沢東が後を追うように9月に亡くなった。Earthquakehit_beichuan_0805_08 その後、江青ら4人組が追放された。

中国では転変地変が生きると、政変が起きるといわれている。まさかそれを気にしたのではあるまいが、首相と国家主席が現地に入った。異例のことである。何を恐れているんかだろうか?

今回の四川地震Earthquakehit_beichuan_0805_03 が、チベット族のところで発生したのは単なる偶然か。

それにしても、中国の矛盾がこれほどはっきりと表面に出たことはない。いまや世界の大国と言えるまで経済成長した中国である。何かとモノ申すことが多いのに、不都合なことがると「発展途上国である」と居直る。

確かに今回の、地震災害の現場を見ているとその「後進制」がやけに目立つ。脆弱な造りの建物に限らず、被災者への対応や報道の在り方は、確かに「発展途上国」に違いない。

途上国なら、途上国らしい謙虚さがあっていいものであるが、現体制はかなり傲慢に振る舞いかに見えるのは私だけだろうか。

報道を見ても、被災者の救済状況や実情よりも、解放軍の現場での活躍が優先的に流されてEarthquakehit_beichuan_0805_05 いる。被災者の実情はい1週間経ってやっと、200万人という数字が出てきた。どこかで調整されていたのか?

市場原理を導入しながらも、「社会主義体制」であると、政権を維持する共産党幹部が発言する。上海になどの富裕層に比べると、今回の震災地域などは開放前とあまり変わっていない状況である。これが社会主義体制であるといえるのだろうか?

中国に今必要なのは、首脳陣の自己保全などではなく、国民の均等な豊かさと幸福感の達成でないだろうか。少なくとも、彼らが自認する社会主義体制だとは、とてもでないが認める現状ではない。

富めるものばかりが、富む社会をこの国は目指していたのではないはずだ。

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小選挙区制が問題でないか

2008-05-16 | 政治と金

どうも近頃の国会議員がおかしい。特に衆議院議員・代議士と呼ばれる人たちが、小選挙区制になってから、矮小になっているように思えてならない。

中央にたてつくと、即刻公認を外されることは、前回の郵政選挙で小泉が行ったことが強烈な印象となっている。”刺客”と呼ばれる、地元と無関係の落下傘候補を公認して、中央に謀反を起こした連中を非公認にして、次々と落選させた。

一旦筋を通してたてついた連中も、選挙後はペシャンコになって一文まで提出させて、翻意させた。筋を通したのは、平沼くらいである。

党の中央官制が強化され、当選した議員は公認を外されまいかと怯える連中ばかりだ。こうした連中は、何よりも党中央への服従と、選挙区への怠りないパフォーマンスを欠かせないのである。

何しろ一位にならなければ当選できない。万一落選した場合でも、比例制の席を得るためにも中央へ服従は明確にしておかなければならない。矮小な議員ばかりが量産される所以である。

たとえば、自民党内に消費税を即刻導入すべきと主張する連中と、経済成長が削がれるために慎重派の派閥の領袖がいる。彼らがオープンに論議できないでいる。水面下の論議が密室で行われる。どちらかに決まった後は、双方同じ意見だとおっしゃるのである。

一般の党員は党中央の意思決定が明確でない時期に、態度を明確にできない。党内は勿論党派間でも論議が起きない

中選挙区制の時代では、複数の派閥が選挙区内で競うことが可能であった。そのために、自らの意思を常時示していても問題はなかった。公認は得られたからである。

小選挙区制になると、2大政党が政策論議を行い活発化するというのは、幻想であった。政策論議より、中央への服従と選挙区民の顔色を窺うパフォーマンスの方が重要になったからである。

本国会も延長されないようである。議員さんたちは、もうすっかり選挙区への立ち居振る舞いが気になっている。

その結果、あれほど騒いだ年金問題も、道路特定財源問題にしろ天下り問題にしろ、格差社会や地方分権や後期高齢者医療制度にしろ論議が中断されたままで、みんな選挙区へ戻ってしまったではないか。

小選挙区制は、代議士を矮小化させてしまうばかりか、真っ当な政策論議すらさせないようになってしまった。

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こりゃ姥捨て山だロ

2008-05-15 | 政治と金

後期高齢者医療制度がおかしい。国民をばかにした制度である。この制度の導入者である、丹羽元厚生大臣などは、無責任な発言をしている。

当時の医師でもある坂口大臣を差し置いて、郵政選挙で大勝した奢りでこの制度を導入した丹羽元厚生労働大臣は、金がなければ道路特定財源から金を持ってくればいいなどと、思いつき発言をしている。責任者は責任を取らない。

東京で、高齢者たちがデモを行っていた。「これは早く死んでくれという制度だ」と、制度の廃止を異口同音に訴えていた。ある婦人などは「義母も夫もほとんど治療などなく死んだ。国55民保健制度を支えていた。私が75になったからと言っていきなり切り離される。末期医療制度だ」と訴えていた。

重度障害者は転院が難しい病気であるが、91日を境に国の補助額が減額される。国民健康保 険で支持されて施設の利用の優遇制が消失する。病気になると、窓口負担がほとんど倍になる。週末治療の支援料の名目で、延命治療の質を事前に選択させる。

それでも2015年には35%もアップする。これは、団塊世代が末期になるのを見込んでの対策であろう。なんのこっちゃ。中身がボロボロである。

福田首相は「全体的に見れば安くなるんでショ」と、ノーテンキな発言をしている。私の接する農家のほとんどすべては、負担が増える。

農家はほとんどが大家族であり、掛け金を家族で支えあっているのであるが、75歳以上の個人を切り離すために、例外なく高くなる。安くなった人には出会ってはいない。

掛け金を、年金から天引きすることが強権的である。国は取りっぱぐれがないように、最も安全で効果的な方法を選択したのであろう。国は後ろめたくないのだろうか。あれほどいい加減なことをやり放題だった、年金制度から天引きするのである。

高齢者が危険率(発病率)が高くなるのを見越して、その世代の保険料を上げるのは保険の収支を考慮して出されたことであるだろう。

しかしそれは、この国を長年に亘って支えてきた人たちへの、早くこの世を去って欲しいと、“非情”な宣告でもあるのだ。いつからこの国はこんな思いやりもない国になったのだ。

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もう慣れっこになったか

2008-05-14 | 政治と金

予定通りというか、まるで何事もなかったように、道路特定財源を10年間国民からとる法案が、衆議院を3分の2の多数で可決した。参議院の否決を受けた結果、福田内閣が行った3度目の蛮行である。01

すんなり行ったので、慣れっこになった国民にとってはニュース性が低くなった。先ず、参議院の存在意義はどこにあるのだろうか。衆参のねじれを、容認したうえでの国会運営の経験が与党にない。野党にもない。

道路特定財源を一般財源にすると福田首相は表明した。道路目的税が、いい加減な使われ方をしていたことが次々に暴露されたことで、やむなく表明したのであろう。

これを聞いた与党の、おえら方たちはビックリしたようである。何しろ、だれの相談も根回しもなく、福田首相が仕方なく表明したのであることが、周辺の反応からはっきりしている。

しかも、10年間維持するとしながら、今年一年はこのままであると言うのである。福田首相らしい、優柔不断な決断である。

一般財源化は福田内閣で意思決定した。閣議決定といっても拘束力があるわけでない。時代が変わったとか、内閣が変わったとなれば、いつでも覆すことができる。

何よりも、10年間道路特定財源を維持するが、来年から特定財源にするなどとすることと矛盾する。この法は、一般財源化の問題が出る前に衆議院を通過した法案である。

一般財源化の内容を盛り込むのであれば、新たな法整備があって然るべきである。その準備もなく、今まで通りの道路目的税でありながら、道路には使わなくてもよいなどとは説明が成り立たない。

これを容認した自民党の実力者たちの態度は、結局は道路に使えばいいんだとする思惑を持ったまま、政局を念頭にした妥協でしかない。立法の本質を無視した今回の決定であるといえる。

目的が無くなったなら、敢然と撤退するべきである。道路特定法案は廃棄するべきで、新たな法目的をガソリンなどに課すことにすればいいのである。行き詰った結果、福田の最後っ屁のような情けない可決である。

この経緯を見ていると、この法案は骨抜きにされることは、火を見るより明らかである。

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こりゃ本末転倒だロ

2008-05-12 | 政治と金

自民党の伊吹幹事長が、次の選挙で民主党が政権を取れなかった場合は、民主党は割れるだろうと発言した。この種の今年にも行われるであろう、衆議院選挙の結果についての発言は、思惑を込めてゲリラ的にあちこちで見られる。

日本の自民党と民主党は、アメリカの共和党と民主党ほどの違いがないとされている。民主党内にも自民党よりも右寄りの連中がいるし、自民党内にも民主党よりもリベラルな反政権的55な発言をする連中がいる。

こうした交叉している連中は、次の選挙結果ではかなりの部分が烏合集散すると噂されている。伊吹幹事長の発言も、言葉と裏腹に「自民党が足りなくなったら来ないか」と呼びかけているようにも取れる。

衆参ねじれに手を焼いた自民党の苛立ちがおかしい。提案したことはロクな論議せずとも可決されることしか経験していない与党の連中が、政界再編をなりふり構わずやろうとしているのである。

衆参のねじれから、さまざまなことが明らかになっている。年金にしろ、いい加減な道路工事や暫定税率の問題にしろ、ねじれ現象が掘り起こしたものだといえる。ねじれは国民の利益になる。

「選挙結果によっては、政界再編もある」このフレーズは、表現そのものが矛盾する。

政界再編を行ってから、国民にを問うのが民主主義の本質ではないか。を問うてからその結果で自分勝手なことをするのは、民主主義とは無縁のことである。

当選した連中が、政策論議は放り投げたままで、自己保全に走る現象がこの「政界再編」の本質である。これほど国民をばかにしたことはない。

しかしながら、政界再編は現実のものになりつつあるようである。この国に民主体制も理性もないのだろうか。

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