そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

日報開示はアメリカのイラク戦争協力隠しの猫だましである

2018-05-14 | イラク
産党の穀田恵二衆院議員が4月2日に暴露した、防衛省統合幕僚監部防衛計画部が2012年7月に作成した「日米の『動的防衛協力』について」という内部文書の改ざんについて、防衛省は4月27日に同じ題名の3件の文書が新たに発見されたと発表した。これは防衛省が良いだけ叩かれると予想した、いわゆる日報と合わせての発表であった。
日報の隠ぺいも大きな問題ではあるが、それ以上に交戦まで予測している「日米の動的防衛協力」は、交戦権の放棄を掲げる憲法九条に明らかに違反する。
防衛省幹部もそうしたことを強く意識していたはずである。だから隠ぺいしていたのである。更に公開のやり口が汚い。現地自衛隊員の日報は必ず大きく叩かれる。それを予測しての合わせての発表である。防衛幹部の思惑は的中した。世間はモリカケ問題に関心がありしかも、ゴールデンウィーク直前の、発表である。日報は現地が明らかに戦闘状態であったことが記載されていて、非戦闘地への派遣という政府の主張が崩れたことを物語っていた。日報が叩かれる一方で、日米の現地での交戦まで予測した文書について、マスコミは目をほとんど向けなかった。
日報と同時発表することで、動的防衛協力文書の存在と改善が、希釈されると読んだ防衛省の思惑は的中した。さすが防衛省、作戦成功というとところか。
日米の軍事協力の起点になる、その後の、集団的自衛権行使容認の閣議決定、そして安保関連法(戦争法)の強行採決への道へとつながっていくのである。つまり、イラクの戦闘派遣は、実質的な派兵であって、その後の安保関連法の既成事実の容認意識を与党の持たせたことにもなる。
モリカケ問題を猫だましにしながら、安倍昭惠のバカさ加減を隠れ蓑にしながら、安倍晋三は日本の右翼化と軍事化を着実に進めているのである。
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イラクやスーダンの日報を隠したのは不都合な真実が知られないためである

2018-04-23 | イラク

存在しない」「見つからない」と言い続けてきた防衛省の「PKO日報」である。このところの、公文書隠ぺいや改ざんが問題になっていることがきっかけで、南スーダン、イラクと立て続けに見つかった。小野寺防衛大臣が、オドオドと見つかったと発表した。問題は隠蔽もさる子tながら、その内容である。
イラクでは、当時の首相の小泉純一郎が、「どこが戦闘地か私に聞かれても、わかるわけないでしょ」「自衛隊が行っているところが、非戦闘地域だ」と、人を食ったような発言をして、野党や国民をけむに巻いていた。非戦闘地に行くとして、派兵していた自衛隊が行ったサマワは戦闘地域だったことが、今回の日報で判明した。
更に、南スーダンでは武器の携行命令が出ていた。部隊員は死をも覚悟し、武器の携行もされていたようである。
一方、日本の国会では懸命にウルトラ右翼の稲田朋美が懸命に、武力衝突はあったが「戦闘はなった」と言い続けていた。表現に矛盾があることを認識してはいたようであるが、平気で国会の場で嘘の発言を繰り返し、自衛隊の派兵を正当化しようとしていたのである。
そのためには、日報などがあっては困るのである。今回の様々な公文書の隠ぺいは改ざんは、政権・権力者が不都合な真実が知られないための、姑息な手法なのである。

姑息ではあるが、彼らのPKO日報の隠ぺい工作は効果てきめんであった。そのご、安倍晋三が集団的自衛権行使容認を打ち出し、安保関連法(戦争法)をロクな説明もなければ論議もなく、極めて短期間に強引に可決し成立させた。
ここに自衛隊がイラクでも南スーダンでも戦闘地に、武器を携行して派遣されていたことが知れていれば、この戦争法案は通ったかどうかわからない。
しかし、法案が成立した現実があり、今後この安保法のもとで自衛隊が友好国の紛争にどのようなスタイルで派兵することになるかは、全くわからないという事になる。法令違反の行為をやったとしても、事実は隠蔽されるか改竄されることになるからである。今回のようにほとぼりが冷めた頃、事実をとぼけながら認めれば済むことである。国民はもうあの暑かった反対運動の熱はない。
公文書の隠ぺいや改ざんがこれもなされるのなら、民主義などこの国にないに等しいことになる。権力者にとって不都合な真実は、これからも隠蔽され続けることになる。
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恐怖のモスル奪回作戦、その後どうするのか

2016-10-20 | イラク
「イスラム国」(IS)が支配するイラク第2の北部の都市モスルに、イラク政府軍、クルド人民兵軍団ペシュメルガ、トルクメン人など少数部族の武装勢力が加わる解放作戦が17日から始まった。モスル奪回作戦である。地上兵は撤退したアメリカ軍は、空爆による支援をするということである。
モスルは人口150万の大都市である。2年前に、ISに支配された現在でも100万人はいると思われる。2年に及ぶISの支配下の実情はよくは解っていないが、彼らもゲリラ戦に備えていたはずである。ISの戦闘要員は5千から8千と言われている。対するイラク軍などは総勢で5万人を超える。ISはゲリラ戦に備えている。彼らの主要戦法は自爆である。市内には地下道が張り巡らされていると思われる。市内に侵攻してからの戦いが生産を極めるだろう。
もっとも心配されるのは、モスルの一般市民である。これだけの市民を抱えたままで、自爆をいとわないIS戦闘員が何をしでかすかわからない。市民を盾にすることであろうが、イラク政府軍はお構いなしに攻め入ることであろう。その後発表されるであろう戦果の公式発表に、犠牲になった市民の正確な数字が示されるであろうか?
暴力は新たな暴力しか生み出さない。イラクがそのいい例であるが、モスル奪還は少なくともその教訓を踏まえていない。
そもそも、ISが2年前にモスルをほぼ無血で奪還したのは、シーア派のマリキ政権へのモスル市民の反発が根底にある。今回の奪還についても、政治的な交渉は全くなされていない。暴力的にモスルを奪還しても、ISの実質的な支援国の、サウジアラビアがどうした態度で応じるかも不明のままで、新たな政治的問題を生むだけなのである。
更に、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、モスル解放で新たに難民が20万人は出ると予測している。イラク政府はこれらへの対応はったく考えていない。そもそも、この2年間全くモスルへの作戦はなかったのである。それはマリキのスンニー派へのあてこすりであるが、ISを追い出しても、モスル市民の政府アメリカへの不信は収まることはないだろう。
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「イラク戦争が産んだ怪物」という報告

2015-02-03 | イラク
今日(2月3日)の北海道新聞に、ジャーナリストの志波玲氏が、イスラム国邦人人質事件に投稿している。「イラク戦争が産んだ怪物」として、イスラム国の本態を明快に解説している。本文はコピーできないので、ほぼ同じことをサイトに書いているので参照願いたい。
志波氏は同業者の後藤氏の死を、「ただただ残念である」と述べ、イスラム国の出自に明快な視点を示している。
アメリカのイラク戦争が産んだモンスターであると断じている。昨日も本ブログで書いたが、ほとんど無差別にアメリカ軍はイラク人を拘束し殺害し投獄し、拷問まで加えた。イスラムの人は、敬虔なイスラム教徒でなくても、忌み嫌うことははっきりしている。性的な侮辱や。肌を晒すことや、犬に吠えられることや、水に浸けられることなどたくさんある。刑務所では、それらのあらゆることを、アメリカは繰り返し行った。一部は暴露されて問題になったが、グアンタナモではいまだに行われている。
ここで彼らの憎悪は培われた。イラクの政権を担ったスンニー派は、シーア派に対して殺戮と同類の汚辱を繰り返した。イスラム国の残忍な殺戮行為は、この時のアメリカやイラク政府の行為に対する報復ともいえる。
アメリカは大量破壊兵器があると虚偽の事実に基づき、イラクに侵攻した。国連をはじめとする世界各国が反対する中、イギリスと競うように早々とアメリカの支援を小泉は打ち出した。
アメリカもイギリスもその後アメリカを支援することになった国々は、この誤った戦争を検証し反省している。唯一日本だけが、検証すら行っていない。
日本政府はアメリカ追従の政策を見直し、ましてや集団的自衛権などというような、新たな参戦理由などを掲げることは、日本の立場を危うくする。すでにそうなっているが、こうした行為そのものが積極的平和主義なのであろう。極めて危険である。
日本政府はここぞとばかり、テロ対策として膨大な予算を組み、怯える国民に応える形で監視制度の強化を打ち出している。
志波氏の訴えるように、民族的融和と宗派対立をなくすことこそ、ほとんど唯一の解決方法であることを、軍事化を目指す日本の為政者は気が付かない。
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ブッシュのイラク戦争は人類史の汚点である

2013-03-20 | イラク

今日(3月20日)は、アメリカが国連安保理の決議を振り切って、イラクに侵攻して10年目になる。ブッシュは、3.11の同時多発テロの報復のために、アフガニスタンを攻撃し、そのままイラクに攻め入った。
大量破壊兵器がありスカッドミサイルを用いると、ロンドンもターゲットになる。自衛のためにイラクに侵攻する。国際テロ組織の
:アルカイダがいるというのも、理由に加えられた。どちらもなかった。虚偽の情報を作って、テロを支援するか我々に付くかと、ブッシュは世界を恫喝した。

Japans_military_prepares_for_a_more真っ先に乗ったのが、小泉純一郎である。イギリスのブレアもこれに乗った。小泉は、復興支援と称する、アメリカの後方支援と協力と、戦後の石油権益確保のために、自衛隊の海外派兵を行った。明らかな憲法違反である。

ブッシュは大量破壊兵器がないことが公になると、イラクの民主化のためと看板をすげ替えたが、治安は悪化する一方であった。アメリカの進行が、テロ組織を呼び込み宗派対立を顕在化させた。その後テロによる、止め処ない中東各国の混乱を引き起こした。

イラク戦争は、アメリカ兵を4500名殺し、ほぼ同数の民間軍事職員をも殺している。3万2千人の傷病兵と、アメリカのホームレスの7人に1人は帰還兵と言われる、無益の人々を創り出した。イラク人は12万人死亡したとされれる。(イギリスの民間機関では50万人)

アメリカでもイギリスでも、イラク戦争の検証が行われ、元首相も証言し戦争そのもStrife_in_iraq
のが誤りであった結論を引き出している。オランダも公式の検証委員会が設けられている。その後のことを考えると、大義も何もなかったブッシュの戦争は、人類史の汚点である。

日本では、安倍前総理の時代に検証委員会が設けられ、野ざらしになったままであった。政権交代で、民主党は岡田外相がイラク戦争の検証を再開したが、野田が敗北することが解ってから、12月21日に結論を出した。僅かA4の紙4枚である。民主党は、外務官僚にコケにされた。

http://blog.goo.ne.jp/okai1179/d/20121223

日本はイラク戦争を真っ先に支援しておきながら、全く検証もしなければ反省もなくほとぼりの覚めるのを待っている。自衛隊の海外派兵は、集団的自衛権の論議すらなかった。専守防衛の自衛隊の海外派兵は、明らかな憲法違反である。これに、安倍の下で集団的自衛権などという論議が加わると、世界中に派兵が可能になる。なし崩しが得意な官僚たちの功績である。

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イラク戦争の検証を官僚にコケにされた民主党

2012-12-23 | イラク

2003年にブッシュがイラクに大量破壊兵器が存在して、スカッドミサイルはロンドンも攻撃できる。自衛のために、独裁者フセインの支配するイラクに侵攻すると、イギリスとともに攻め入った。確認できないとする。国連案保障理事会の決定を無視しての、ブッシュの起こし戦争である。

ブッシュの戦争にいち早く反応したのが、日本の小泉純一郎である。その後、全く大量破壊兵器など存在しなかったことが判っている。情報もでっち上げだったことも分かっている。

イラク戦争の検証は各国で進められ、米国は2004年に「大量破壊兵器は存在しJapans_military_prepares_for_a_more
なかった」と断定する約500ページの報告書を公表。英国やオランダでも議会を中心に、当時の首相などの証言も含め、厳しい検証が行われた。日本だけが、イラク戦争支持を正当化し続けてきた。

民主党政権になり、岡田外相が早速この戦争の検証を命じた。政権交代の意義を、多くの国民は実感した。その後、岡田は沖縄本土移管の密約なども命じた。それは、忘れかけていた民主党の成果と言える。

このイラク戦争の検証が、12月21日に提出された。わずかA4用紙4枚である。関係各国との関係が損なわれえると、主要部分については全く触れることがない。大量破壊兵器の存在についても、ないと否定できなかったのが、あるとして侵攻した米英を支持する内容になっている。

イラク戦争の検証がこの程度で、封をされる理由ははっきりしている。これから民主党政権が崩壊し、自民党政権に代わるからである。小泉の子飼いの安倍は、外務官僚の期待に応えることだろう。

政治主導を実行できずに、官僚に封じ込まれた民主党の象徴的な出来事である。

イラクに自衛隊を派兵したのは、集団的自衛権の暗黙の了解を国会に取り付けた結果と言える。集団的自衛権とは、勝手な解釈で何処にでも自由に派兵できることである。

この侵攻で、イラク国民は50万人程も殺害され、その10倍以上の人たちが国を離れている。国内は自爆テロと政治暴力の修羅場になって、いまだ終息のめどすらPalestinian_hope_held_hostage
立っていない。

さらに周辺国家はもちろんのこと、中東の全ての国家は政情不安の暴力の渦に引き込まれている。ブッシュの仕掛けた戦争が原因である。

小泉の集団的自衛権実践による派兵と、戦争加担の責任問題は全く解決されていない。今になって外務官僚が提出したいい加減な「検証」とする文章は、安倍によって破棄され、永遠に問われることはない。

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アメリカ軍イラク撤退

2010-08-19 | イラク

アメリカのイラク撤退がようやく現実のものになりつつある。18日に、最後のイラクのアメリカ戦闘部隊が、クウェートに撤退した。数日前には、兵士応募の列に2名の自爆があり50人近くの死者、100人を超える負傷者が出ている。100818_2 決して安全とはいえない情勢であるが、それでも多くのイラク人はアメリカの撤退を歓迎している。かといってこれは決して明るいニュースでもあるまい。

ブッシュが2003年5月に根拠がない虚偽の理由によって、イラク侵攻を行ってから7年半が経過している。この間アメリカ兵の死者はは4400人を超えた。イラクの民間人は、180万ともいわれる死者を出している。国民の3割は外国へと去り、恒常的な自爆テロが絶えることがない。総選挙が終わっても組閣もすることもできない。イラクには社会不安と政治的混乱が残っているだけである。

アメリカは、07年には最大17万1千人の兵士を駐留させている。この撤退で一番安全になったのはアメリカ兵だとの皮肉る向きもある。11月までに残りの5万人の移行兵士が撤退し、アメリカのイラク自由作戦はこれで終わる。

オバマにとっては確かに、無謀なブッシュ政策の負の遺産であることについては同情の余地はある。しかし、主力をアフガニスタンに向けることのよって、イラクに次いで更なる混乱国家を残すことになるのである。中東にアメリカに対する敵対心と、社会不安と貧困を積み上げるだけなのである。

アメリカが、9.11の同時多発テロの犯人探しとその報復に明け暮れた結果である。アメリカが攻撃された理由と、そのことについての検証と取り組みがなされることなく、力の論理で「テロにつくのか我々の側につくのか」という、単純論理で括り、突き進んできたことが最大の問題なのである。

オバマになって多少の風向きは変わったものの、アメリカは世界の混乱や紛争を鎮静化することなく、拡大させるだけのように見える。

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イラク派兵の活動実体が明らかになった

2009-10-08 | イラク

09年7月に、自公政権がイラク特措法で、自衛隊を戦地に派遣した。航空自衛隊が、主に国連や連合軍(?)を支援すると説明した後方支援である。野党が何度もその支援の実態を、国会で追及したが、自公政権はそれを明らかにはしてこなかった。

Photo 政権交代が起きて、今回共産党が同じ質問を出した。北沢俊美防衛大臣は9月24日に全面開示に応じた。左の写真は、自衛隊の後方支援の報告書である。右側が、重要なところを黒く塗りつぶした、自公政権が提出したものである。左が今回全面公開した資料である。政権が変わるとはこういうことかもしれない。

これでイラク派兵の活動実態がはっきりした。延べ4万5000人の自衛隊員が投入された。米軍の搬送が63%、自衛隊関連が26%、自公政権がメインとしていた国連職員が僅か6%である。自衛隊員の搬送は一体化するもので当然の作業と考えると、すべて米軍の支援であったと言っても過言でない。

何処が人道支援なのか?何を持って復興支援とするのか?自衛隊派兵がインチキだったことがはっきりした。根拠のない不条理な理由による米軍侵攻を、小泉政権が支援したのである。アメリカですら間違いを認めているし、最も緊密な行動を取った英国も、閣僚が反省のコメントをしている。

昨年4月に名古屋高裁が、イラク特措法に基づく自衛隊の派兵はは憲法違反の判決を下している。日本も政権交代した今、公式にこの戦争支援の過ちを認めるべきではないか。小泉が犯した過ちは、内政だけではないことを確認するべきである。

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イラクは変わるか

2009-07-01 | イラク

アメリカ軍がイラクの都市部から撤退した。現在13万人のアメリカ兵が退いたわけではないが、来年8月末には戦闘部隊が撤退することになっている。オバマの計画は当面は実行されるUs_combat_troops_withdraw_from_iraq だろうが、スケジュール通りになる保証はない。

フセインが嫌ったアルカイダが、アフガニスタンにシフトするアメリカ軍へのけん制のためのテロ行為がここに来て活発になっている。イラク軍や警察の治安能力が疑問視されている。

アメリカ撤退後のイラクが抱える最大の問題は、フセインが抑え込んでいた民族対立と宗派抗争である。アメリカの侵攻を最も歓迎したのはクルド人である。今や自治どころではなく、石油のUs_combat_troops_withdraw_from_ir_2 輸 出まで行っている。逆の民族浄化が起きているくらいである。

ブッシュのバクダッドでの最後の記者会見で靴を投げつけた記者が英雄視されるように、イラクはアメリカ軍の撤退を歓迎はしている。他国の軍隊の駐留を望む国家などない。アメリカがフセインを倒した後の国家建設はいかにも手荒いものがある。しかしながら、それゆえアメリカの武力が一定の効果を持っていたことも事実である。イラク国民は喜びと不安が交叉する。

中東は第1次大戦後はヨーロッパ諸国が、第2次大戦後はアメリカそしてイスラエルが勝手気まUs_combat_troops_withdraw_from_ir_3 まに蹂躙してきた。そもそも“中東”という呼び名にしてもヨーロッパ視点であるし、国家の建設も欧米が思いのまま行ってきた結果の現状である。そこに今度はヨーロッパ型民主主義を定着させようとするのである。

イスラム国家が歩んできた歴史と伝統には、民主主義はもとより欧米文化とは相いれない側面がかなりある。普段でも大義があれば平気でうそをつくし、人のものを自分のものにする。一般人でもそれを悪いこととは思ってもいない。宗教間の対立も、欧米が際立たせたものである。彼らには長年培ってきた解決方法があるのである。

民族対立も宗派抗争もバックを失ったマリキには到底なしえない難題である。イラクは石油に依存することなく、自らを変える力をどこまで持つことができるかが最大の問題である。

左に<羅臼の小さな山>をアップしました。

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イラク侵攻は何だったのか

2009-05-16 | イラク

アメリカがイラクに侵攻した理由が二つあった。一つは大量破壊兵器が存在し世界に脅威を与えているということ、もう一つがオサマビン・ラディン率いる国際テロ組織アルカイダと関係があるということであった。そのどちらも、ブッシュが作った虚偽の報告に基づいた判断だったことが今は分かっているAl_qaida_leader_osama_bin_laden

イラクのサダム・フセイン大統領とアルカイダが組織的につながっていると証言した人物が、刑務所で今月12日に自殺した。自殺したリビ受刑者は、アフガニスタンでアルカイダの訓練を受けて、パキスタンで逮捕され、イラクがアルカイダ工作員に生物・化学兵器使用の訓練を受けていたと証言した。パウエル国務長官はこれを根拠に、国連でアルカイダとフセインの関係を演説した。

後日、リビ受刑者はCIAに待遇が良くなるように証言し、拷問の取り調べのエジプトへの移送も回避した。これによく似た話がある。

もう一つのアメリカ侵攻の理由になる、大量破壊兵器について、「イラクは45分以内に大量破壊兵器の展開が可能」と証言した人物がいた。イギリスの、国防相顧問であったデビット・ケリーである。

彼はこの証言の後、2003年にイギリス外交委員会で根拠の提出など、厳しい質問を受けた。デビット・ケリーは3日後、7月18日に死体となって発見された。公式には自殺と処分さPalestinian_hope_held_hostage れたが、疑問が残る変死であった。

つまり、ブッシュがイラク侵攻の理由とした根拠を証言した人物が、二人とも自殺かそれに近い変死をしたのである。

イラクのアブグレウブ刑務所で、イラン人を拷問にかけ写真を撮って軍事法廷で裁かれる事件が起きた。この事件も、妙なことに「8つの腐ったリンゴ」として、下級兵士が有罪になっただけである。上官はお咎めなしである。

権力は、その志向あるいは意向に沿った人物や事実(虚偽でも構わない)を、持ち上げて政策展開に利用する。都合が悪くなると捨てるだけなのである。真に裁かれるべきは、権力者(この場合はブッシュ)である。犯罪を犯したのは誰か冷静に判断するべきで、それを次の政策選択の根拠にしなければならない。

それを回避するから、インド洋でアメリカ艦船に給油してみたり、ソマリアに自衛隊を出動したり、アメリカ軍におもいやり予算で待遇するのである。

左のフォトアルバムに<雪の少ない知床>をアップしました。

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検証をおろそかにする国

2008-12-04 | イラク

イラクから自衛隊が完全に引き上げるようである。何事もなかったように、クエートから引き上げる。アメリカでさえ、開戦の大義の不遜は認めている。日本では、小泉首相がぼけたような見解を予算委員会で発言している程度である。

インド洋上でのアメリカ艦船への給油も、参議院で拒否されながらも通した法案である。また期限切れで、何とか給油をやりたい麻生首相は国会対策に、奔走している。

どちらも、イラク支援やアフガン支援、あるいはテロ対策としての検証が全くなされていない。ズルズルと止めてみたり引き延ばしたりしているだけである。

イラク派兵については、サマワについても空自の派遣にしても、どのような成果があったのか、何のための派兵だったかが全く検証されていない。インド洋上での給油にしても、テロ対策ならこれまでの効果を検証しなければならない。実際には、テロは激しくなってタリバンが完全復活の所もあるほどである。それでも何の手直しもなく続けるこの矛盾。

こうした現状を認めての検証とこれからの対策を、正常な国家なら立てて次に取り組むものである。それができないのは、アメリカの言いなりの行動であるから、検証のしようがないのである。

道路税の一般財源化にしても、世界的な金融危機を口実にこれ幸いと、財政再建は無視して(見直しではない)、不況で息絶え絶えで口をあけている土建業者に餌を与えるだけの行動ををとったのである。地方の振興も財政再建の検証も全くないのである。そもそも税金の無駄使いの検証もなく、道路族の綱引きの腕力ばかりが目立ついい加減さである。

定額給付金にしても、過去に類似のバラ撒きを行ったがどのような経済効果があったのかさえ検証されていない。選挙もやらないので、効果は選挙対策だったとはいえないので検証しないようでは、何のためのバラ撒きなのかも分からない。

現在ポーランドで開催されている、COP14で日本は早速「化石賞」を頂いてる。Co2排出の一般論をいつまでも述べていて、経済成長を片目で睨んだまま、いまだ踏み出すことのない日本は、国内的な検証を全くやっていないことを突かれたのである。

どうしてこんな体たらくをするのか?答えは意外と簡単である。この国は、敗戦の検証をやっていないからである。東京裁判を受け入れたくない連中がいつまでも、あの戦争はもうちょっとうまくやっていれば勝てたはずだと、いまだに田母神のような連中が歯ぎしりをしている。国内での論議がなく今日まで来たためである。

ズルズル時の流れに任せるいい加減さは、戦後の日本が敗戦を検証してこなかったことが大もとにある。

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またもブッシュの2枚舌

2008-09-17 | イラク

アメリカがAIGの救済に出た。FRBがなんと9兆円もの資金を出すそうである。今週初めに、リーマンブラザーズには手を差し伸べなかった。広がる金融不安対策なら、リーマンの時に行うべきだったのでないか。

AIGは保険会社であるため、かかわりが複雑ですそ野の広ろく影響が大きいとのことらしい。ブッシュのまたしても行う、ダブルスタンダードである。ただし、ブッシュにそんな判断能力があるとは思えない。今回は、ブッシュの判断というより、取り巻きの判断かもしれない。それでも、極めて高度な政治判断である。

インドの核開発は平和利用と言っているではないかと容認するが、イランの核開発は認めない。コソボの独立は認めるが、オセアチアの独立は認めない。根拠不明瞭な、ダブルスタンダードはブッシュが政権につて幾度目かわからない。

ロシアがグルジアに侵攻すると主権を侵す行為と、イラクに何の根拠もなく進行して国家そのものを破壊したブッシュが指摘する。彼にこんなことを言う資格があるのか。

アメリカの5大証券のうち、ベアスターン、メリルリンチ、リーマンと3社も潰れた。アメリカの金融不安は増大の一途である。サブプライムローンに始まる負の連鎖は、とどまることを知らない。AIGの救済は追い詰められたけっかかもしれない。経済評論家は、現象の羅列を評論するだけである。経済学とはこんなものか。

アメリカの金融不安は、ブッシュの失政にある。3兆ドルものアメリカドルをどぶに捨てたイラク戦争による結果である。アメリカは信用と同時に軍事の世界展開を中断し、経済基盤を失くし、中国、ロシア、インドなどの台頭を容易にさせた。

日本政府は現在、ソーサイ選挙ごっこで大忙しである。政治空白の真っただ中である。それでも動くのは、官僚のおかげである。政治家は官僚に感謝こそすれ、改革などできるわけない。

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イラク派兵に憲法違反の判決が出た

2008-04-17 | イラク

名古屋高裁が、自衛隊のイラク派遣は憲法違反だとする判決を下した。この裁判は北海道出身の箕輪登元郵政大臣、本防衛庁次官が、自衛隊の派遣は憲法違反だと2004年1月訴えたもPhotoのである。

その後日本各地で、同じ訴えが出されほとんどのところで、憲法判断はおろか売ってそのものを下げる門前払いであった。2ヶ所ほどで合憲判断が出されたものであった。

今回の名古屋高裁は、「イラクで行なわれている自衛隊活動は、戦闘活動を支援するもので、憲法9条に違反する。また、非戦闘地域に限定しているイラク特措法にも反する」とする、画期 的なものであった。

ほとんど棄却を考えていた原告団は驚きを隠さなかったし、待ち受けていた支援者から大きな02 拍手が起きた。

この日の報告集会には、原告や支援者たち150人が集まった。原告団代表の大学講師、池住義憲さんは「提訴から4年2カ月経った、憲法9条・平和憲法を持つ国民として誇りを持つ日が訪れた」とあいさつした。

弁護団長の内河恵一弁護士は「戦争のない国をと思っていたが、今こそ引き返す時だ」と話した。

政府自民党は、なんら変わることはない。と、無視する構えである。 この国は法治国家ではないのか?

自衛隊を派遣した、小泉純一郎でさえ「どこが戦闘地域化私も分からない」所へ、自衛隊を派遣したと話している。

今こそ日本は平和憲法に従い、でたらめの情報で一国を銃弾と戦車で破壊させた戦争、石油利権を求めて大量の人を殺害した戦争、アメリカの若者に殺戮を強制した戦争、アメリカ追従の戦争から早々に手を引くべきである。

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分裂するかイラク

2008-04-01 | イラク

イラクは大きく三通りの勢力からなっている。サダム・フセインの属していたスンニー派と、イラクIraq_nhk_3 で最も多数を占めるシーははほぼ同じ民族である。スンニー派は、フセイン政権を支えていた。多くはバース党としてフセイン政権の中枢にいた。

多数党のシーア派は長年抑圧を受けていた。北部には、多くの国家にまたがるIraq_nhk_5山岳民族のクルド族である。クルド族は、他国にいる同族を抱え込んでいる。特に、クルドの独自性を認めないトルコと微妙な関係にある。

クルド族の地域は、イラクの石油のほとんどを産出するところである。フセインが、クルド族を毒 ガスで民族浄化を図ったのは知られるところである。

NHKとBBCとABCが調査したアンケートは、この三つの勢力の意識を鮮明に語っている。クルIraq_nhk_1 ド族は、分裂国家を望んでいる。マリキ政権をシーア派は信用しているが、他の二つは全く信用Iraq_nhk_6 していない。スンニー派は今後一年でよくなると思っているが、他の二つはそうは思っていない。

今の生活が良くなったとしているのは、クルド族である。直面する最大の課題は、治安Iraq_nhk 、経済、生活と均等に不安を抱いている。

この国の制圧方法をアメリカは誤ったのである。フセイン政権の実務的部分を担っていたシーア派を追放したり、軍隊を解体したことで武器が散逸し、内部抗争の激化を促す結果になったことである。

要するにブッシュは、強大な武器をもってすればどうにでもなると、過信していたのである。無知で更に誤った政策で、イラクから400万人以上の人が脱出している。このままでは、この国は分裂は避けることができないと言わざるを得ない。すべては、ブッシュの責任である。

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この男は正常か?

2008-03-20 | イラク

ブッシュが、イラク開戦5年を前にして、「この戦争は正しかった。」と演説している。この男は、正常なのだろうか? サダム・フセインを追放して、アメリカは勝利した。世界はより一層平和になったと、演説している。

Crime_and_corruption_in_iraq_2 この男は、イラクにスンー派とシーア派があることを開戦後に知った。バグダッドの刑務所の名前を何度も間違えた。など、とても世界最強のアメリカの、最高指導者とは思えない発言を重ねている。この男は正常なのだろうか?

アメリカ兵が、4000人以上死亡している。表面上はであるが、少なくとも現地ではそれほどの人物がなくなっている。イラク人はアメリカ側の推計でも8万人程度、報道関係の発表では14万人程、イギリスの社会学者の調査では120万位を超えている。

さらに、イラクから離れた人たちが430万人いるとされている。その多くがシリアやイランに逃れている。お金のない人たちである。お金のある人たちは、中東から離れてしまっている。知識人や技術者の多くが、国を出て行った。国家としての機能が正常に稼働しなくなった。

マリキ首相は、多くの閣僚に辞任され事実上崩壊状態といわれている。北部の、クルド自治区は分離独立へ向け、採Iraq_bomb_attacks_push_up_us_toll_0 掘権の既成事実化へ向け動いている。一体イラクは国家としての、体をなしているのだろうか。

こんな状態にしたのは、ブッシュである。イラク戦争は成功したと、何を根拠に発言するのか。この男は正常か?

41_jpg共和党次期大統領候補の、マケインはイラクを訪れ駐留の継続を表明してしている。民主党の二人の候補は、事故こそ異なるが撤退を表明している。イラクからアメリカ兵が消えてなくなると、治安はさらに悪化することが予測される。

イラク国内でも、自警団などの力もそれほどのものでもなく、サドル師の停戦宣言でわずかに安定いているように見えるものの、アメリカの駐留はやむを得ないとする意見が多いようである。マリキ政権が安泰なら、彼らが要請するなら一理はあるだろうが、この政権にそんな力はない。

こんな状況にしたのは、国連決議を無視して侵攻したアメリカのブッシュであるが、彼の侵攻の根拠のすべてが虚偽あるいは不実であったにもかかわらず、より一層世界は平和になったと発言する。誰か彼に忠告できる人はいないのか? ブッシュはとても正常とは思えない。

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