今年のノーベル平和賞をの候補者に、中国の民主化運動の象徴でもある作家劉暁波氏が取りざたされている。中国の高官がこのことに関して、ノーベル研究所のルデスタット所長を訪れ、も し劉暁波氏を推すようだと両国間に重大な亀裂が生じると、圧力をかけた。
中国外務省の姜瑜・副報道局長は、28日の定例会見で「中国の法を犯した人物であり、刑罰を科されている人物である。平和賞の理念に背くものである」と、発言した。さらに、「中国の憲法と法律は、法に基づいた言論の自由を保護している。各国で人権について異なる見方があることは正常なことだ」と主張した。これが現在の中国の、国家体制である。
劉暁波氏は、2008年に公表された民主化要求文書「08憲章」の起草で、中心的な役割を果たし、「社会主義制度の打倒を企てた」などとして09年に国家政権転覆扇動罪で逮捕され、今年2月に懲役11年の判決が確定している。04年に、国境なき記者団から、「言論の自由を守る賞」04.05年には、人権ニュース最優秀賞を受賞している。
中国には、公的な報道機関しかない。反対意見の存在を政治的独裁国家は認めようとしない。共産党代表が国家主席の国家の現状である。法的な整備はどの程度であるかは解らないが、法治国家ではなく人治国家といわれている。
仙石官房長官は、日本の弁護士であるかもしれないが、中国の現状には疎いようである。法律的にまったく関係なくても、輸入停止や商社マンの拘束など平気でやる国家体制なのである。劉暁波氏がノーベル賞を受賞すれば、反省などすることなく更なる弾圧と、言論封鎖がなされるだろう。劉暁波氏の場合、民主運動もないため<script type="text/javascript"></script><style type="text/css"></style>アウンサン・スーチーのように軟禁ではなく収監である。