そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

食糧問題をもっと深刻に考えよ

2012-10-31 | 政治と金

日本では、原発を無根拠の安全基準で再稼働させたり、あきれるような言葉のやり取りの政治の世界や、親族内の殺人事件などが報道され、閉塞感を実感する。そうPhotoした日本の報道の偏向に失望を隠せない。

チェルノブイリを抱えるウクライナでは大統領選挙があり、収監されているヨーロッパ寄りの女性候補は立候補もできず、ロシア寄りの大統領Photo_2が勝利したようである。

このウクライナで、今月15日に小麦の輸出禁止令を出したばかりである。ウクライナでは、干ばつによる穀物収穫が深刻な状況にある。今年Photo_3の穀物生産量4100万トンで、例年の86%であり、とりわけトウモロコシは75%となっている。

これはウクライナに限ったことではない。左の上の表は世界の小麦生産量と消費量それに備蓄量である。今年になって、生産量の備蓄量も下がっている頃がわかる。(世界穀物研究所によるものでクリックると大きくなります)

その下の表は、世界のトウモロコシの生産量と消費量それに備蓄量である。干ばつに弱いトウモロコシ消費量と生産量が減っているばかりでなく、備蓄も危険水域になっていることが判る。Photo_4

概ね、8年ほど前の生産量に近い。それでは8年前には消費する人たち、人口はどれほどであったであろう。世界人口は、昨年の今頃70億人を突破した。8年ほど前には、人口は62~63億人ほどであった。現在は71億人を少々切る程度である。ざっとした数字で、8年前より10億人ほど増えているのである。

10億人増えたにも拘らず、食料生産が追い付いていないことになる。されにもっと深刻な問題は、増えた人口は高齢者と途上国の都市人口なのである。

世界の増えた人口は、購買力の低い国々と老人であるにもかかわらず、農民が減少しているのである。食糧問題は日本では、円高によって低く評価され、都市人口の増加によって深刻さが理解されない状況にある。

原発や消費税が些細な問題といった、富裕層出身の右翼の石原の言葉を借りれば、尖閣や政権交代など些細な問題である。

食糧は、毎日人間が生きてゆくためになくてはならない物である。ウクライナが輸出禁止をしたように、食糧については金の問題ではない。そしこれは自らが解決するしか方法がないのである。食糧問題、農業問題を最優先課題ととらえるべき時がやってきたのである。

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二つの編集局の処分に思う

2012-10-29 | 政治と金

大阪の橋下市長の出自に関する連載「ハシシタ奴の本性」が、橋下の講義で打ち切られ、週刊朝日の編集長が更迭された。

Photoこれはルポライター佐野眞一の執筆によるものであるが、橋下の出自については、格段新たのことではない。父親の出自とやくざ稼業になれの果てに、自殺している。このことについては、過去の報道され新しいものではない。

橋下自身が、選挙時のネガティブキャンペーンに対抗し「結構毛だらけ、坊ちゃん嬢ちゃんにはこんな改革できません」と、逆手にとったくらいである。

今回の佐野の文章も、過去の報道とそれほど大きく変わった内容はない。問題があるとすれば、宣伝文句である。差別を公然と打って出るような内容であった。これは確かに汚い表現で問題である。

橋下が今回問題にしたのは、朝日新聞系列すべてである。記者会見に出席を拒んだのである。明らかに、これまで繰り返された朝日新聞への攻撃である。お門違いもいいところである。

朝日もおめおめと、謝罪して26日に編集長を更迭した。何の言い訳もなく、すべて認めての謝罪である。橋下は公人である。報道者の言論は権力者への見張り番である。いとも簡単に橋下の軍門に下った、朝日の情けない態度は報道者の取るべき態度ではない。

もう一つがiPS細胞の臨床成功の、読売の大スクープである。朝刊に大々的に報道した。夕刊では日本の多くの新聞がこの報道を追い報道した。北海道でも、地元紙北海道新聞が一面トップ報道した。時あたかも、山中氏のノーベル賞受賞に沸く中である。

私はこれは誤報道と直感し、タイトルだけを見て内容には目を通さなかった。多少の知識があれば、簡単に間違いであることが判るはずである。

これは不手際では済まされない。編集者の無知である。取材の粗さである。読売は、編集局長と編集局総務の長を、2か月の30%減法の処分をした。

読売は今回の名前を売り込みたかった、落ちこぼれの研究員もどきの発表内容を、全く検証してはいないことが判っている。報道人としての姿勢と、知識の欠如については、言い訳以上の明快な反省は見られない。

日本の2大メディアの編集者が、いとも簡単に記事を書いたり謝ったりする姿に失望したのは私だけだろうか?

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税金の使われ方:北見国道バイパスの場合

2012-10-27 | 政治と金

北海道の北見市の真ん中を国道39号線が走っています。国はこの国道のバイパスを考えたのです。北見市は、常呂川が作った盆地ですが、川は盆地の南東部に偏在しています。

この常呂川の東南部には、都会でありながら開発されることなく残された丘陵に、広葉樹林の綺麗な自然が残されて121026_34syukuいます。こんな都会でありながら、オジロワシやハイタカやキツツキの仲間やモモンガが生息する、広葉樹の森になっています。

バブルの時代に、高速道路が国道39号線のバイパスのために計画されたのです。僅か11.3キロのための工事がなぜ必要なのか明快な説明がないまま、この残された丘陵を通り抜ける計画が、時を経て高規格道路として反対者の目先をかわすために浮上してきました。
現在は国道として、僅か11.3キロバイパスのための計画が進められています。430億円ほどの事業です。どんな事業でも欲しい自治体は、のどから手が出るほどの公共事業です。反対者は、地域で121026_7syukuは白い目で見られ、「国道」は着々と建設されています。

工事の一部を負担する北海道に対し、事業の差し止めと負担金の返済の訴訟を、北見の自然を守る会起こしました。「北見ももんが裁判」と呼びます。

私も原告団に名前を連ねています。その裁判の裁判官によ121026_25syukuる、現地検証が26日あり参加してきました。

この事業が具体化したときに、旧国鉄の池北線のふるさと銀河線が廃線になりました。僅か年間1億円の赤字に耐えられないとして、廃線になったのです。高校生や老人など弱者が利用し地域に密着する、鉄道マニアに評判だった、ふるさと銀河線でした。

この無駄な事業を中止にすれば、ふるさと銀河線は430年間も経営できたはずです。事業内容が異なるため、わが国では比較検討の対象にすらなっていません。

ふるさと銀河線が走っていては、地域の土建屋さんが潤わないのです。税金は弱者のために使われることはなく、強者が為政者と結託してさらに肥大化するために使われるのです。

こうした自然を勝手に潰す、計画実行しか考えない土木事業が、日本中で行われています。民主党は、ダムや無駄な事業をなくす、「コンクリートから人へ」というスローガンは、土建屋に潰され、ももんがたちは居場所を追われるのです。

その金は我々の消費税で補うことになるのです。

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新党の中身は老人ばかりなり

2012-10-26 | 政治と金

石原慎太郎が、唐突に知事職を投げ出して国政に復帰すると表明した。国会議員を25年で辞める時も、唐突であった。都知Photo事選出馬も唐突であった。

石原慎太郎はメディア操作がうまい。メディア側に問題があるかもしれないが、はっきりとした発言が記事にしやすいのであろう。

今回は息子の伸晃が、自民党総裁選に敗北したことも、大きなきっかけになっているようである。総選挙が近いことも、80才の石原を暴走させたのであろう。

「中央集権の官僚体制をシャッフルする」「最後のご奉公」以外には、政策的内容は何もない。憲法は改正ではなく破棄であるし、9条をめぐっても自民党とはかなり異なる。

たちあがれ日本の平沼は解党して、石原新党を作るということらしい。石原の80才を筆頭に、「新党の中身は老人ばかりなり」という現実がある。

西の橋下、東の石原ということで連携を組むつもりのようだが、政策を巡ってはかなり食い違いがある。みんなの党とは政策一致をを見ることはない。名古屋の河村との隔たりは大きい。小沢は昔から嫌いである。

第三極を目指すには、余りにも中身がバラバラである。これから調整するのかもしれないが、石原にはその裁量がない。俺について来る奴だけ面倒みるというタイプ男である。

保守の連合と言っても、安倍は乗ってこない。右翼には、親米と嫌米がある。石原は嫌米である。安倍は親米である。それに自民党を割ることも出ることもしない。

石原は尖閣を巡って自らの取った行動に酔いしれ、誤解している。中国と韓国のメディアは速報で石原の辞任を伝えている。右翼が台頭してくる危険性を訴えている。石原には思いはあっても、状況判断がない。

石原新党は、程なくたち枯れることになるが、この男の持つ危機感は正しい。日本の政治の貧困さと低劣さは目を覆うばかりである。民主党の政治に対して犯した大罪は、許しがたいものがあり、国民の政治不信は頂点に達している。

石原の流儀が通じるわけもないが、極めて短い期間第三極が期間登場する可能性すらあるが、危険なことである。

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なぜ報道しない検察の自白強要

2012-10-25 | 政治と金

様々な施設へインターネットで爆破予告をしたとして、4人逮捕された。今月になって、真犯人から報道機関などに手口と内容を公開して、逮捕された4人が誤認逮捕Photo_2
であったと警察が謝罪した。

真犯人は、それぞれにウイルスを送り付け、送り付けられた方がメールをクリックすると、爆破予告などのメールが各機関に送り付けられる遠隔操作システムを作ったと公表したのである。内容からして、真犯人しかわからない内容が確認された。

警察が新たな事実を掘り起こして、確認したわけではない。善良な(??)真犯人が、誤認逮捕の人物に同情(??)したのであろうか。真実は降って湧いてきたのである。警察は渋々誤認逮捕を認めざるをえなかった。

報道は警察側の技術的な低さや、サイバー攻撃に対する問題ばかりを取り上げている。時代に即応した体制が必要だというのである。警察・検察側の技術体制の遅ればかりが注目されている。

しかしながら、逮捕された少年や学生たちが、見事な自白調書を出していた。このことは、もっと大きな問題である。彼らは当初から事実を否定していた。

にもかかわらず、事件の沿った見事な自白調書が提出されていた。日本の検察は、自白に基づく調書をほとんど唯一の根拠として立件している。今回も一部報道はされているが、脅しによる作為的な内容も確認されている。

真犯人でもない男が、事件の沿った内容を告発できるはずがない。日本の検察体制は、いまだにこうした自白強要をやっているのである。小沢一郎にかかわる一連の事件に見られるように、事件解決のためなら事実を作り上げる検察の驕りが見られる。

実に恐ろしや検察社会である。それが今回のパソコン遠隔操作の誤認逮捕事件の本質である。

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政権の延命しか考えない末期のノダ

2012-10-24 | 政治と金

田中慶秋法務大臣が、僅か2週間で辞任した。やくざとのお付き合いは、相当古くからあって親密でもあった。この男がよりによって、法務大臣をすると地元関係者たちの間で、驚きをもって受け入れられていた。

知らぬは野田首相だけのようである。総裁選の論功行賞で貰った大臣の席である。ここは、みんなの党の渡辺党首の言いぐさが正しい。在庫一掃セールス内閣の、早くも返品が生じた。それだけのことというのである。

それだけのことではない。登用に身体検査すらしなかった、野田の失態である。本人の辞任会見もない。体調が悪いとのことであるが、誰が信じるものか。

Photo_2松下政経塾では、ディベートや論議は相当学習したようであり、野田もしゃべるのは得意のようであるが、人心操作ではまるでなっていない。
民主党が掲げた脱官僚の政治主導が、僅か3年程度の政権で、7人も大臣を入れ替えて可能なのだろうか? とてもじゃないが、官僚に良いようにあしらわれて終わりである。

拉致担当大臣に至っては、何の成果もないまま次々と入れ替って、何がなんだかよく判らない。拉致問題については、民主党は全く無関心と言ってよい。

野田政権は誰が見てもはっきりしているが、末期症状である。野田はブレないノダ。つまり他人の言うことは聞かないノダ。言い出したら聞かないノダ。現状判断ができないノダ。

野田は多分、解散は可能な限り引き延ばすだろう。できれば任期まで持っ生きたい本音だろう。負け戦はやりたくはない。8月末の任期より、その前の月の7月の参議院選挙に合わせる、同時選挙になるだろう。年内などとは考えるべくもない。

つまり野田は、政権の延命のことしか考えていないノダ。こんな民主党に誰がしたノダ。

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世界にコメ作りを輸出する日本人技術者たち

2012-10-22 | 政治と金

日本のコメ作りが、海外で元気である。一つはビジネスとして、もう一つは国家的な支援、協力によって食料生産に多くの成果を上げている。

日本人はコメを食べなくなった。一つは畜産への大きなシフトである。コメを食べない代わりに、アメリカのトウモロコシを与えた家畜の、肉や卵や牛乳を食べるようになったからである。

日本人はコメを食べなくなって、農村は人的にも環境的にもあるいは経済的にも、コメ依存体制から大きく変わった。

コメ生産にかかわる技術は、減反という理不尽な政策によって、国内的には衰退の一途をたどってきた。人的にも政策的にも支援者や後継者もなくなってきた。

ところが、連綿と引き継がれ蓄積された技術、あるいは味覚は失われていないのである。

日本のコメ生産技術は、今や中南米、中東、そしてアフリカへと広がっている。日本のおコメは、我々が食べ慣れて無関心になってはいても、味覚としてはどの国のものより優れているのである。

とりわけ中国が裕福になるにつれて、日本米の作付を本気になりだしてきた。あるいは、亜熱帯地域の台湾での試行錯誤も、いい結果を生んでいる。生産量も成果を上げている。

高地や暖地あるいは乾燥地帯などでの、コメの作りに日本技術者が奔走し、成果を上げている。ネパールでは、20年にわたりコメ生産に携わり成果を上げ、国家の最高勲章を授与された技術者もいる。

海外で活躍し成果を上げる技術者たちであるが、後継者がいない悩みがある。ある技術者は、牛丼を例に挙げ、コメの味覚が途上国並みに下がっている、現状を嘆いていた。

つぶれたコメは不味いのであるが、安価なコメをタレなどで誤魔化している業者によって、これまで培われてきたコメの鋭い日本人の味覚が、なくなってきているというのである。

国内では、不要の技術のように扱われてきた、主食のコメ生産技術であるが、世界の食糧事情を変えるかもしれない。

食料危機は必ず起きる。それは食べ物の支援によって解決する問題なのではない。それぞれの国が、食糧を自給することでしか解決しない問題なのである。

日本はもう一度自国の食料を見直し、農業国家への道をたどるべきなのではないか。技術は培われているのである。

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少女の勇気をたたえたい

2012-10-21 | 政治と金

イギリスのブログに、タリバン勢力による女性差別を告発していた、14歳の少女マララ・ユスフザイさんが下校途中に、至近距離から頭部を銃撃され重傷を負った。

Photoマララさんは本名を明かして、女性の差別をなくすために学習を訴えていた。タリバンは、女性は男性の付属物で学習はもちろん、字を読むことさえ必要と認めていない。西欧の教育に拡大による、女性の人権が回復されるのを恐れているのである。

タリバンはイスラム原理主義者を訳され、イスラムそのものを攻撃する場合の好例となっている。イスラムの教えに、異教徒と女性に対する差別は存在するのは事実であるが、ここまでひどくはない。

布教のために男性は戦うことを聖戦と肯定し、女性にその支援を行うように説いているだけである。女性は庇護される対象としている。

マララさんはイギリスで治療を受けて、筆談できるまで回復し歩行も可能になったようである。タリバンに公然と攻撃命令を行けても怯むことなかった、マララさんをたたえる声が拡大している。12

タリバンは今後もこうした攻撃を続けると宣言しているが、少女への同情が大きくなり、反タリバンの声がより一層広がっている。彼女は「タリバン抵抗のシンボル」となっている。

パキスタンは核保有国家である。ソビエトの侵攻、10年前のアメリカ侵攻を受けて戦火の絶えない、アフガニスタンのタリバンの隠れ蓑にもなっている。彼らに武力で挑んだ2超大国それにEU諸国は、すべて敗北している。

タリバンの問題を武力で解決することはできない。彼女のような抵抗による、非暴力的な訴えこそが道を開くのである。

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日本ハムファイターズリーグ制覇に思う

2012-10-20 | 政治と金

Photo北海道日本ハムファイターズが、クライマックスシリーズを無傷で勝ち抜け、日本シリーズへと歩を進めた。北海道民として、ファイターズを応援しているが、これは思ってもみなかった結果である。

毎年20勝近くし敗戦数も一桁の、圧倒的エースのダルビッシュが抜けた今年は、Aクラスいいとこだと予測していた。しかも監督は、経験のない未知数の栗山が就任した。

昨年終盤に、梨田監督の退任が報道され、ダルビッシュの大リーDalvish_120425グ移籍が現実を帯びるや連敗を重ね、クライマックスシリーズ進出をも逃した。

こうしたことを総合的にみて、今年の日本ハムは惨憺たる成績に終わると予測していた。ところが終わってみると、リーグ制覇し日本シリーズ進出である。なぜだろう。

昨日の試合終了後に行われた、引退を決めた最後の公式戦になった、敵軍の小久保に花束を贈りを胴上げしたことに、ヒントがある。日本の野球は変わったのである。

現在「死闘 昭和37年阪神タイガース」河出書房新社刊、塩澤幸登著、という本を読んでいる。阪神最強時代の年を綴った本である。

阪神最強の時代、小山と村山という稀代の二人のエースを率いての優勝である。村山は、小山が登板する試合は、負けろと念じていたと後日語っているように、全員が個性の塊のような、野武士軍団であった。気に食わない選手は球団が勝手に退団させるし、選手は自分のことしか考えていない。次につなげる打席、監督のためになど誰も考えない。

翻って、昨今の日本ハムを見てみると、お互いが非難し合うこともなく、とても仲の良い選手たちばかりである。稲葉を見るように、同僚はもちろん他球団選手をも非難することがない。

そういえば、最近は乱闘もついぞ見なくなった。監督や選手の退場もほとんどな見られなくなった。観客も選手を非難しない。ひそかな楽しみが消えた。

これは、野球に限ったことではなく、日本社会全体が、個人の力量によるのではなく、お互いに支える、あるいは絆などという言葉で、諍いをなくす社会になっていたのではないか、と思われる。

日本社会は良くなったのか、成熟したのか?

個性をなくした社会は、面白味がなくなり、新たな発想や発展のきっかけもなくしてしまっているように感じるのは、私だけであろうか?

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リトアニアの原発反対の意味するもの

2012-10-19 | マスコミ報道

バルト三国リトアニアで、原発建設についての国民投票がなされた。50%以下の投票率では無効になる。投票率は52%とかろうじて有効となり、63%の国民が建設反対に投票した。建設を契約していたのは、日本の日立製作所である。

リトアニアには、ソビエトが建設した、2基の原発があった。人口300万の国民にしてみれば、これで十分であった。

この2基は、チェルノブイリと同じ型で多くの問題を抱えていて、老朽によって04年と09年に廃炉が決まっている。

この選挙結果を単純に、反原発派の勝利と喜べない事情がある。リトアニアは現在、ロシアから電気を輸入している。それも、92%にもぼる。

リトアニアはせっかく、ソビエトの占領から脱して独立したにも係らず、原発を建設しなければ、エネルギーでロシアに牛耳られることになるのである。

今回ロシアの、福島原発事故を背景に、「日本の原発技術の未熟さ、危険である」とする、キャンペーンが功を奏したともいえる。拘束力がないとはいえ、国民投票の結果は重く受け止めなければならない。

リトアニアは、これから自国で電力をまかなう努力をしなければならない。が、当面はロシアから買わざるを得ない。原発が建設反対と喜べない事情がある。EU諸国の中でもとりわけ高価な電力を使っているリトアニアである。

原発の可否だけでない複雑な事情を、この国に見ることができる。

それにしても、ベトナムで原発を建設する東芝といい、リトアニアの日立といい、国内では身動きの取れない日本の原発業者が、海外で稼ぐ姿は納得ができない。

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政府は尖閣に領土問題が存在し、深刻であることを認めるべきである

2012-10-18 | 政治と金

元外交官の孫崎亨氏の、「世界」の『尖閣問題 日本の誤解』をPhoto読んだ。孫崎氏はこのところ、著書「戦後史の正体」などで評判の人物である。

本ブログで何度か尖閣については意見を書いたが、孫崎氏の論評と概ね重なる。日中はこれまで、二度にわたり尖閣を棚上げしている。

これは、日本の実効支配を認めるという、中国側からの意思表示である。先送りして、日本との経済関係の実利を採ったとみるべきである。

ところが、外務官僚は「尖閣に領土問題は存在しない」という、政治家が聞いたら涙をだして喜びそうな言葉を用いて、この問題を伏せてきたのである。姿勢としては判らなくもないが、棚上げすることを、田中角栄も園田直も認めたうえで、交渉が進んだ経過を無視している。

「領土問題は日本側に存在しない」ならまだしも、相手を認めないようでは解決の糸口すら見つけることができない。

「尖閣には日中間に深刻な領土問題が存在し、せっかく棚上げしていたのに、今でも中国人を民度が低いとして”シナ人”と蔑称する石原慎太郎が、これまでの経緯、外交の礼を無視して火をつけた」と、認めるべきである。

そこで止む無く更に無知な野田が、中国の国家主席のメンツを潰すことになるとは知らずに、そのままにしますからと国有化したのである。

このところ海洋で元気な中国に対して、近隣諸国は「南シナ海の行動宣言」を2011年4月に締結している。そこには、 ・平和的な手段による解決 ・領有権争いを紛糾拡大さる行動を自制する、とある。

今回の日中両国の行動はこれらに反する。野田は国有化行為がそうした意味を持つことを認め、日本は領土問題に前向きになり、この規範に沿った行動をとるべきである。

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地位協定がある限り米兵の犯罪はなくならない

2012-10-17 | 政治と金

もうすっかり慣れっこになってはいるが、米兵による日本人女性への強姦事件が、またまた起きた。8月にも強制わいせつ事件があったばかりである。オスプレイで県民こぞって、アメリカ軍存在そのものに異論を唱えているさなかの事件である。Photo
オスプレイで上京中の仲井真沖縄県知事は、森本防衛大臣に強く抗議し、「日米地位協定を改定しない限り、彼らは基本的に日本の法律を守らなくてもいいことになっている。こうした兵士の考えがでてくる」 とのべた。知事のこれまでより一歩踏み込んだ発言にある、地位協定がある限りこうした問題は、決して解決されない。

藤村官房長官は「日米地位協定は相当固まっている。まずは運用面で足りないところがあるなら見直していく」と述べている。民主党は、鳩山が失態をして以来「米軍は必要」論から、脱却することはない。

米兵はというより、一般のアメリカ人の感覚そのものが、「アメリカは日本を守っやっている。日本の法律が適用されることはない」と、言うことなのである。

今回も、暴行の及んだ2人の米兵は、翌日グアムに行く予定で国外に逃亡する算段だった。最近はうるさくなったと彼らは思ってはいるが、基本的には変わっていない。

昨年の米軍関係者の日本での、一般刑法による起訴率は、僅か13%でしかない。わいせつ事件は全件不起訴になっている。

あのイラクですら、米軍とは地位協定を結んでいない。米兵はイラク法で起訴され裁判を受けることになる。戦後の占領地の感覚そのままに、安保条約に基づく地位協定が存続する限り、米兵の犯罪はなくなることはない。

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野上ふさ子さんの死を悼む

2012-10-16 | 政治と金

野上ふさ子さんが亡くなられた。享年63歳という若さであった。Photo若いころから、様々な活動に取り組まれてこられた。晩年になったが、地球生物会議を立ち上げ、様々な動物への人間の扱いについて、多くの提言をされてきた。サイトは下記を参照ください。

http://www.alive-net.net/index.html

彼女は、実験動物の扱いについての問題から、動物生命の倫理について多くの提言をされてきた。行政も動かす力までなった矢先の、訃報で残念でならない。最近メールがあまりなかったりと、疎遠になって気になってはいた。

家畜への接触があまりなく、もっと労わらなければならないと主張されていた。経済動物として、当然のことと取り組んできた私は、彼女の多くの提言に未だに解決できないでいる。

見た目の虐待とは異なり、家畜の場合は生産を強制される運命にある。生産性の低い家畜は淘汰される。こうした現実と、家畜の生命とは何かを、解決できないまま現在に至っている。

生命倫理を前面に出していては、畜産農家は生き残ることができない。しかし、野上さんの主張されるように、現在の畜産農家は余りにも過酷な飼養環境を、家畜に与えている。

とりわけ大型畜産農家ほどその傾向が強い。そのもっともいい例が、採卵鶏である。僅かA4サイズの中空の、ケージの中で産卵を強制されている。遺伝的に改良され、肺炎になっていても骨折をしていても、飢餓中枢が鈍い品種は、いつまでも食べ続けるのである。

消費者は、そうした飼養形態で、安価な卵を購入しているのである。他の家畜も大同小異である。野上さんは、そのことを訴え続けて亡くなられた。私を含め畜産関係者は、家畜の生命について考えるべきである。彼女の冥福を祈りたい。合掌。

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道南の首長たちの大間原発建設凍結要請は当然

2012-10-15 | 政治と金

函館市長と道南の首長が、経産省に大間原発の無期限凍結の要請をした。北海道議会も反対決議をしている。

大間原発は、震災以降1年半建設が中止されていた。政府は2030年に原発ゼロにする、新たな建設はしない、としながらも大間原発建設再開を容認した。

枝野経産省大臣は、工事再開は電源開発の判断で、法的には問題がないと、責任逃れのいい加減な回答をしている。Photo_2

大間原発から50キロ以内の、北海道側には37万人居住しているが、青森側は9万人である。これは、原発を僻地に作るようにと、政府が決めた結果の皮肉な現象である。対岸を仮定していない。

建設自治体と周辺には豊富な補助金などの、関連資金をザクザク提供されるが、遠隔地には事前協議すらない。当然のこと
ながら、青森側はお金がたっぷり降ってくるので、工事再開は大賛成である。

福島原発事故を見れば、被害が同心円状に起きるものではない。飯館村がいい例である。補助金をたっぷりもらっている、自治体はそれなりの覚悟は当然持つべきである。

Photo高知県の東洋町や新潟の巻町のように、貧乏でもいいから原発はいらないと、住民が反対している自治体もある。

大間原発に関しては、対岸の北海道には事前協議もない。今回の首長たちの反対は当然である。が、彼らとて苦しい自治体の責任者たちである。彼らの行動が、結果として補助金の引き出しや、その値上げのための行動でないとも言えない。

大間原発は、プルトニュウムとウランの混合(MOX燃料)を反応させる、最も危険な原発である。政府は使用済みウランの処理のために、大間原発の稼働を容認したのである。

それでは、せっかく旧原子力村の住人で作った、原子力規制委員会の判断は、どこにいったのか? 早くも、政治的判断から独立していると、宣言した原子力規制員会は、既に存在意義を失っている。

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EUがノーベル平和賞受賞に思う

2012-10-13 | 政治と金

今年度のノーベル平和賞に、EU(ヨーロッパ連合)が選ばれた。ノーベル平和賞は、毎年驚かされる。中国は2年前の劉暁波氏の受賞に、異常と思われる拒否反応を示し本ブログでも批判した。

http://blog.goo.ne.jp/okai1179/d/20101008

今年は、文学賞なので、国を挙げて賛成している。勝手なものである。中国は体制のためなら、ダブルスタンダードもトリプルスタンダード、いやマルチスタンダードを用意している。Eu_gets_something_to_cheer_about
EUの受賞は歓迎されるべきであるが、おひざ元のヨーロッパ諸国の反応は極めて鈍いのが現状である。経済危機の最中にあり、出口が見えないためであろう。

ヨーロッパは文明を持ち国家を形成する過程で、間断なく戦争を繰り返してきた。有史以来と言ってよい、この地は戦争の絶えることのない地帯であった。

2度の世界大戦の発端になったドイツを抑え込むために、国家の統一を長期的な展望のもとに試みているのである。まずは通貨の統合ということで、国家の壁を低くする現段階にある。

ところが、通貨が統合されても、財政が国家ごとの運営であるために、共通通貨のユーロが暴落するのである。そのために、南の、のんびり国家のギリシャやイタリアやスペインが混乱に陥るのである。

ところが安くなったユーロのおかげで、ドイツは低価格の車などの輸出が好評という皮肉現象が起きる。

それでもこれはこれまで人類がまったく試みたことのない、壮大な計画である。通貨に次は財政の統合となるのかもしれないが、これは極めて難関である。

高い理念を達成するには、日本の平和憲法を導入するのも一つの方法である。戦争による無為の殺戮が繰り返されてきた地域であるからこその、挑戦である。行き先は極めて遠いが、これも願望も含めた励ましと解釈したい。

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